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第1話(6)
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「――以上が、この作戦に必要なものとなります。こちらの4つの条件を満たせば――浮気に関する4つの証拠を得られれば、多額の慰謝料を請求できます」
半個室へと移動を行って、およそ1時間半後。マリユ様が親身になって丁寧に解説してくださり、私は完璧に理解することができた。
必要なもの、その1。婚約が破談していない、という証拠。
婚約が白紙になったから交際していたんだよ――。お前が他貴族からしつこく言い寄られてて、それを助けるために偽の婚約をしたんだろ――。などなど。
そういった言い逃れをできないように、婚約は現在も成立している、他意はなく双方が同意のうえで成り立っている、という証拠が必要。
必要なもの、その2。浮気相手が婚約を知っている、その上で交際していた、という証拠。
え? わたくし、2人が婚約していたと知らなかった――。他貴族からしつこく言い寄られていて、それを助けるための偽装婚約だと思っていた――。などなど。
その1の2例目と連動させることで、罪を回避できてしまう。そこで言い訳できないように、カーラが確かに理解している、という証拠が必要。
必要なもの、その3。婚約破棄の原因が浮気だけによるもの(100パーセント、相手の非によるもの)という証拠。
ソフィーの俺への態度が悪くて嫌になり、ついついやってしまった。カーラへの当たりが強く、慰めている間に恋心が芽生えてしまった。などなど。
そういった言い訳によって、情状酌量の余地が発生――減刑が可能となってしまう。そこで、私には問題はなく相手の裏切りだった、という証拠が必要。
必要なもの、その4。2人が隠れて交際していた、という証拠。
俺達が付き合ってた? そんなのあり得ない。だって俺はソフィーと婚約しているんだからな――。わたくしは2人の関係を熟知していて、そんな不貞は働きません――。などなど。
ここを押さえておかないと、そもそも裁判を起こせない。これは中でも、一番重要な必要な証拠。
――以上が、エドゥアルとカーラに『お返し』をするために必要なもの。
「これらはこの国の法が絡んでおりますので、揃ってしまえば最期。彼らには、もうどうする事もできません」
「そう、ですね……っ。絶対に、無理ですね」
仮に無敗の敏腕弁護士を雇えたとしても、結果は覆せない。流石ご先祖様が宰相を務め、自身も担うとされている御方。法律を熟知されている。
「で、ですが……。その……」
「はい? なんでしょう?」
「その4つを、手に入れるのは……。かなり、難しくはありませんか……?」
裁判の関係者に提示するため、どれも『確証』が必要。浮気の証拠をものとして手に入れるのは、相当困難だと思う。
「そうですね、現状では難しいです。そこですでに、円滑に進むよう手を打ってありますよ」
おずおずと伺うと、返ってきたのは安心感のある微笑みと「少々お待ちください」の言葉。そうして暫く待機をしていると、ぁ。立ち去られた初老の男性が、箱を2つ持って戻ってこられたのでした。
半個室へと移動を行って、およそ1時間半後。マリユ様が親身になって丁寧に解説してくださり、私は完璧に理解することができた。
必要なもの、その1。婚約が破談していない、という証拠。
婚約が白紙になったから交際していたんだよ――。お前が他貴族からしつこく言い寄られてて、それを助けるために偽の婚約をしたんだろ――。などなど。
そういった言い逃れをできないように、婚約は現在も成立している、他意はなく双方が同意のうえで成り立っている、という証拠が必要。
必要なもの、その2。浮気相手が婚約を知っている、その上で交際していた、という証拠。
え? わたくし、2人が婚約していたと知らなかった――。他貴族からしつこく言い寄られていて、それを助けるための偽装婚約だと思っていた――。などなど。
その1の2例目と連動させることで、罪を回避できてしまう。そこで言い訳できないように、カーラが確かに理解している、という証拠が必要。
必要なもの、その3。婚約破棄の原因が浮気だけによるもの(100パーセント、相手の非によるもの)という証拠。
ソフィーの俺への態度が悪くて嫌になり、ついついやってしまった。カーラへの当たりが強く、慰めている間に恋心が芽生えてしまった。などなど。
そういった言い訳によって、情状酌量の余地が発生――減刑が可能となってしまう。そこで、私には問題はなく相手の裏切りだった、という証拠が必要。
必要なもの、その4。2人が隠れて交際していた、という証拠。
俺達が付き合ってた? そんなのあり得ない。だって俺はソフィーと婚約しているんだからな――。わたくしは2人の関係を熟知していて、そんな不貞は働きません――。などなど。
ここを押さえておかないと、そもそも裁判を起こせない。これは中でも、一番重要な必要な証拠。
――以上が、エドゥアルとカーラに『お返し』をするために必要なもの。
「これらはこの国の法が絡んでおりますので、揃ってしまえば最期。彼らには、もうどうする事もできません」
「そう、ですね……っ。絶対に、無理ですね」
仮に無敗の敏腕弁護士を雇えたとしても、結果は覆せない。流石ご先祖様が宰相を務め、自身も担うとされている御方。法律を熟知されている。
「で、ですが……。その……」
「はい? なんでしょう?」
「その4つを、手に入れるのは……。かなり、難しくはありませんか……?」
裁判の関係者に提示するため、どれも『確証』が必要。浮気の証拠をものとして手に入れるのは、相当困難だと思う。
「そうですね、現状では難しいです。そこですでに、円滑に進むよう手を打ってありますよ」
おずおずと伺うと、返ってきたのは安心感のある微笑みと「少々お待ちください」の言葉。そうして暫く待機をしていると、ぁ。立ち去られた初老の男性が、箱を2つ持って戻ってこられたのでした。
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