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第4話 4日後 証拠その2を得るための接触と、抱いた違和感(1)
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((…………あやしい。多分、カーラは何かを企んでる))
エドゥアルと会った日から2日後。約束をしていたので午後2時過ぎに、アフタヌーンティーを楽しむためオグタル邸を訪れた。
そうしたら出迎えてくれたカーラには違和感があって、目を凝らしてみると瞳の奥に邪(よこしま)な意思があるように思えた。これはこの人の本心を知ってしまった影響の、疑心暗鬼じゃない。カーラは今日この場で、私に何かをしようとしている。
「ソフィー、来てくれて嬉しいわ。わたくしの部屋に行きましょ」
「うん、そうだね。おじ様おば様、カーラの侍女、こんにちは。よろしければ、お召し上がりください」
挨拶をしたあといつものようにお土産を渡し、階段と廊下を通って2階にあるカーラの自室に入る。
その際にカーラは近くにいた使用人さんに、「アッサムと例のお菓子をお願い」と頼んでいた。それらを用意するのは、もちろん使用人さん――カーラとエドゥアルの協力者ではないので、わんちゃんの唾液入りチョコレートのように何かを入れられる心配はない。これは飲んでも食べても大丈夫だ。
((カーラが関わるものは、口にしたくないけど……。いつもしていたことで、やらないの不自然だもんね))
「ソフィーに聞いて欲しい事があったの。昨日の夕方窓から外を眺めていたら、珍しい鳥を見つけたのよ」
「へぇ~、そうなんだ。どんな鳥?」
「背中の一部が赤くて、頭部の先端が黄色いの。サイズは10センチくらいで、あんな子は初めて見たわ」
「確かに珍しいね、私は見たことないよ。なんていう名前なの?」
「家にあった図鑑で調べてみたけど、分からなかったわ。おじさまに尋ねておいてくれるかしら?」
「うん、聞いておくね。お父様はかなりの鳥マニアだから、知ってると思うよ」
室内の中央にあるテーブルについて暫く2人でお喋りをして、
「ソフィーがこの前気に入っていたから、また買ってきてもらっていたの。このタルト、美味しいわよね」
「ありがとうカーラ。卵がたっぷりで、甘くて美味しいよ」
アッサムティーと、ミニエッグタルトを食べる。そうしてまたお喋りをして、ここに来てから40分くらい経過した。
今のところ、何かを仕掛けてくる様子はなくて……。逆にこちらは、用意しておいた作戦を使える流れになった。
((だから……。先に、始めよう))
カーラの攻撃を躱してから実行しようと思ったけど、変更。念のためアッサムティーが全てなくなったタイミングでお花を摘みに行くと部屋を出て、トイレで準備を行う。
((録音機さん。今日も力を貸してください))
マリユ様から借りた機械のボタンを押して、スカートの中に忍ばせる。今日は自由に隠せないためココに入れ、部屋に戻ると作戦その2を始めたのでした。
エドゥアルと会った日から2日後。約束をしていたので午後2時過ぎに、アフタヌーンティーを楽しむためオグタル邸を訪れた。
そうしたら出迎えてくれたカーラには違和感があって、目を凝らしてみると瞳の奥に邪(よこしま)な意思があるように思えた。これはこの人の本心を知ってしまった影響の、疑心暗鬼じゃない。カーラは今日この場で、私に何かをしようとしている。
「ソフィー、来てくれて嬉しいわ。わたくしの部屋に行きましょ」
「うん、そうだね。おじ様おば様、カーラの侍女、こんにちは。よろしければ、お召し上がりください」
挨拶をしたあといつものようにお土産を渡し、階段と廊下を通って2階にあるカーラの自室に入る。
その際にカーラは近くにいた使用人さんに、「アッサムと例のお菓子をお願い」と頼んでいた。それらを用意するのは、もちろん使用人さん――カーラとエドゥアルの協力者ではないので、わんちゃんの唾液入りチョコレートのように何かを入れられる心配はない。これは飲んでも食べても大丈夫だ。
((カーラが関わるものは、口にしたくないけど……。いつもしていたことで、やらないの不自然だもんね))
「ソフィーに聞いて欲しい事があったの。昨日の夕方窓から外を眺めていたら、珍しい鳥を見つけたのよ」
「へぇ~、そうなんだ。どんな鳥?」
「背中の一部が赤くて、頭部の先端が黄色いの。サイズは10センチくらいで、あんな子は初めて見たわ」
「確かに珍しいね、私は見たことないよ。なんていう名前なの?」
「家にあった図鑑で調べてみたけど、分からなかったわ。おじさまに尋ねておいてくれるかしら?」
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「ありがとうカーラ。卵がたっぷりで、甘くて美味しいよ」
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((だから……。先に、始めよう))
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