婚約者と幼馴染が浮気をしていたので、チクチク攻撃しながら反撃することにしました

柚木ゆず

文字の大きさ
18 / 72

第4話 4日後 証拠その2を得るための接触と、抱いた違和感(2)

しおりを挟む
「カーラ。今日はね、カーラに手伝って欲しいことがあるの」

 部屋に戻ると、持参していたバッグから日記帳を取り出す。これは私の生活などを記録するものではなくって、エドゥアルと交際するようになってから付け始めたもの。
 偽りの日々を大喜びで記してしまっていた、とても悲しくて辛い、でも今は私の武器となってくれる一冊なのだ。

「幼馴染の頼みなんですもの、出来る限り力を貸すわ。わたくしは何をすればいいの?」
「ゆうべ追記していたらインクをどっさり撒いちゃって、何ページも1から書き直さなくちゃいけなくなっちゃったの。それで私がエドゥアルさんを婚約者として紹介した日のこと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・が幾つかハッキリしてなくって、カーラに確認しつつ書きたかったの」

 復讐に必要なものその2、『浮気相手が婚約を知っていて、その上で交際していた』という証拠。の、収集の始まりです。

「…………いいわよ。何を確認したいの?」
「まずは、カーラが私の家に来てくれた時間。『婚約者を紹介したいから来て欲しい』ってお願いしたのは、午後3時で合ってたっけ?」

 相手の本性を熟知した上で接すると、これまで見えてなかったトコが見えてくる。カーラが一瞬イラっとしたのが分かったけど、知らないフリをして首を傾けた。

「ええ、午後の3時で合ってるわね。前の日に『明日カーラに、大事な話があります』ってやけに改まった連絡があったから、気になっててよく覚えてるわ」
「あはは、ごめんなさい。ほんとはね、『この人と婚約しましたっ!』って早く先に伝えたかったの。でもその日が幼馴染に紹介するのに適してるらしくって、1日の差だったからそうさせてもらいました」

 その日は、大事な人に幸せのおすそ分けが出来ると言われている日。カーラ、そして『ハトの知人』さんにも幸せになってもらいたくって、私も1日間我慢したんだよね。
 ……あの時は……。この人は、とても大切な幼馴染だったから。

「あとはね、2つ。エドゥアルさんを紹介して、3人でお菓子を食べながらお喋りをしたよね? その時って、何を食べたんだっけ?」
「クラフティよ。あの日は、とても大事な日・・・・・・・だもの。忘れはしないわ」

 ニヤリ。
『だってその日は、わたくしとエドゥが出逢えた日なんですもの』。そう言わんばかりの微笑が一瞬だけ作られて、私はもう一度気付かないフリ。騙されているお芝居をしつつ最後の質問をして、以上でお仕舞い。

((……家で何十回も確かめているから、音はちゃんと拾えてる))

 なので確実に、証拠その2は確保できた。これで、今日の目的は達成で――

「そうそう。ソフィーが席を外している時にお父様が来ていて、貴方に話があると仰ってたの。お父様はもうじき外出の予定があるから、下の書斎に顔を出してあげて頂戴」

 ――お代わりの紅茶が届いたタイミングで、カーラの両目が怪しく光った。

((……だとしたら……。恐らくは……っ))

 オープンカフェで2人の悪口をたっぷり聞いた私には、閃くものがあった。だから、

「うん、分かったよ。ちょっと待っててね」

 そっちがその気なら、それも利用させてもらう。道中でもう1度トイレを借りて録音機に『あること』を吹き込んでから、指示された場所へと向かったのでした。

しおりを挟む
感想 226

あなたにおすすめの小説

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

「身分が違う」って言ったのはそっちでしょ?今さら泣いても遅いです

ほーみ
恋愛
 「お前のような平民と、未来を共にできるわけがない」  その言葉を最後に、彼は私を冷たく突き放した。  ──王都の学園で、私は彼と出会った。  彼の名はレオン・ハイゼル。王国の名門貴族家の嫡男であり、次期宰相候補とまで呼ばれる才子。  貧しい出自ながら奨学生として入学した私・リリアは、最初こそ彼に軽んじられていた。けれど成績で彼を追い抜き、共に課題をこなすうちに、いつしか惹かれ合うようになったのだ。

夫から「余計なことをするな」と言われたので、後は自力で頑張ってください

今川幸乃
恋愛
アスカム公爵家の跡継ぎ、ベンの元に嫁入りしたアンナは、アスカム公爵から「息子を助けてやって欲しい」と頼まれていた。幼いころから政務についての教育を受けていたアンナはベンの手が回らないことや失敗をサポートするために様々な手助けを行っていた。 しかしベンは自分が何か失敗するたびにそれをアンナのせいだと思い込み、ついに「余計なことをするな」とアンナに宣言する。 ベンは周りの人がアンナばかりを称賛することにコンプレックスを抱えており、だんだん彼女を疎ましく思ってきていた。そしてアンナと違って何もしないクラリスという令嬢を愛するようになっていく。 しかしこれまでアンナがしていたことが全部ベンに回ってくると、次第にベンは首が回らなくなってくる。 最初は「これは何かの間違えだ」と思うベンだったが、次第にアンナのありがたみに気づき始めるのだった。 一方のアンナは空いた時間を楽しんでいたが、そこである出会いをする。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

融資できないなら離縁だと言われました、もちろん快諾します。

音爽(ネソウ)
恋愛
無能で没落寸前の公爵は富豪の伯爵家に目を付けた。 格下ゆえに逆らえずバカ息子と伯爵令嬢ディアヌはしぶしぶ婚姻した。 正妻なはずが離れ家を与えられ冷遇される日々。 だが伯爵家の事業失敗の噂が立ち、公爵家への融資が停止した。 「期待を裏切った、出ていけ」とディアヌは追い出される。

初耳なのですが…、本当ですか?

あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た! でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。

冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

シリアス
恋愛
冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

処理中です...