婚約者と幼馴染が浮気をしていたので、チクチク攻撃しながら反撃することにしました

柚木ゆず

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第5話 4日後 夜 2回目の状況確認、そして(2)

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《前回は具体的な日時をお伝え出来ず、申し訳ありませんでした。
 今夜から5日後――丁度最後の作戦が終わった日の夜に、家の用事が片付きます。ですのでその翌日からは、当分は自由に過ごせるようになります》

《今度こそ、お会いできます。
 よろしければその際は、わたしの部屋に来てくださいませんか? ソフィーさんが大好きなアップルパイを食べながら、お喋りを出来たらなと思っています》

《そこで、空いているお時間を教えてください。
 前回は場所も時間もわたしが指定してしまいましたので、お詫びの意味も込め、ソフィーさんの都合が良い日時を仰ってくださいね》

《PS 現在行っている作戦は、円滑に進行すると確信しています。
    ですから、貴方が決めた予定は延期しません。お返事にある日時に開けるように、準備をしていますね》

 下部にハトのイラストが入った、かわいらしい便箋。そこにはいつもの綺麗な文字が並んでいて、こんなことが書かれていました。

「今度こそ、『ハトの知人』さんに――アリス様に、会えるんだ……っ。ま、マリユ様っ」
「はい。なんでしょう?」
「今から6日後、落ち着かれた次の日なのですけど。この日を指定しても、アリス様の心やお体にご迷惑はかからないのでしょうか?」

 それはずっと待ち望んでいたことで、出来るだけ早く会いたい。でもOKが出ているとはいえ翌日だから、疲れ具合をお兄様に伺っておく。
 ほんとに、この日にしてもいいのかな……?

「『ハトの知人』は、直前での反故をとても気にしていました。むしろ逆でして、そうして頂けるとありがたいのですよ」
「そうなんですね……っ。でしたらその日にさせてもらって、マリユ様失礼します……っ。お返事を書いてきます」

 表情と声音で嘘はないと分かり、急いで部屋に戻って机に向かう。
 今回手紙に詰め込むのは、喜びと期待の気持ち。

《ソフィーさん、安心してください。お医者様は、嘘は吐きません。半年後には必ず、お外で遊べるようになりますよ》

 療養中に送ってくれたことは事実になって、だから、

《現在行っている作戦は、円滑に進行すると確信しています》

 これも、そう。マリユ様の存在だけでも大きいのに、『ハトの知人』さんの言葉が更に背中を押してくれてるから、今まで以上の希望で満ちている。
 そのため私にも確信があって、自信を持って日時を記す。6日後の夕方4時に伺うという予定を書いた便箋を封筒に入れ、両手でマリユ様にお渡しした。

「いつもありがとうございます。本日も、よろしくお願いいたします」
「ええ。責任を持って『ハトの知人』に届けますよ」

 今回も宝物を扱うかのように丁寧に懐へと仕舞ってくださり、そうしているとお帰りになられる時間になった。まずはお父様と別れの挨拶を交換して、次は私と。深いお辞儀を返すと同様の動きをしてくださって、そのあと。柔らな微笑みが作られた。

「3日後はその3、ソフィー様が行う最後の作戦ですね。その舞台となるは、エドゥアル・ラインの家の庭でしたよね?」
「はい。そこで、パーティーをする予定になっています」

 彼の友人3人と私、偶数月のその日はお茶会がないためカーラが加わり、月1で行われている計6人の集い。本当に親しい人だけが参加する無礼講なもので、お庭で食事をしたりゲームをしたりするようになっている。
 なお今月は5月で、カーラ抜き。参加者は5人となっています。

「その際は付近には常時複数の人間がおり、料理などを運ぶのは家内の者――非協力者。それ故に、様々な企みは物理的に不可能。安心して動けますので、良い最後の思い出を作れますね」
「そうですね……っ。最後の思い出を作り、証拠を確保してきます……っ」

 3日後は、婚約者として会う最後の日。なので『ちょっとしたこと』も考えていて、最後のお礼をしながら収集するのです。

「ソフィー様、ご健闘を祈っております。よい決別を」
「ありがとうございますマリユ様。お気をつけて」

 今夜も内密な接触なため、お見送りは家内で行う。私は改めて頭を下げ、そうしたらマリユ様は「ハトになって参ります」と、小さく笑って去られたのでした。

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