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第7話 7日後 証拠その3を得るための接触と、初めて行うこと(1)
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パーティー当日。馬車が混雑してしまわないように予め指示された正午過ぎに到着すると、会場である中庭に入るや5つの声がやって来た。
「こんにちは、ハツルエさん。一か月ぶりですね」
まず丁寧に挨拶をしてくださったのは、眼鏡をかけた柔和で知的な男性。この方は伯爵家の長男、サビュ・ノラン様。外見同様の性格で、いつも親切にしてくださる良い方です。
「よおソフィーちゃん。今日も可愛いね――って言うと、エドゥアルにぶん殴られそうだな。今日もよろしくな」
次に挨拶してくださったガタイの良い高背の男性は、同じく伯爵家の長男マックス・ナイウ様。ナイウ様はこうやって所謂軽口や冗談で場を温めてくださる、このメンバーのムードメーカー的存在。言動は非常に『軽く』見えますが、相手が嫌がる事は決してしない方なんだよね。
「……久しぶりだな、ソフィー・ハツルエさん。今日も皆(みな)で、楽しむとしよう」
声量が小さめでゆっくりとした喋り方の、前髪を長く伸ばしたミステリアスな男性。こちらの方は、伯爵家の三男であるロイド・サズ様。
正式な場以外では――こういったくだけた場ではほどんど喋らず目を瞑っている非常に不思議な方で、曰くその場の空気に触れることが何より楽しい、だそうです。
そして、
「ようこそソフィー。会えて嬉しいよ」
主催者でありこの家の住人、エドゥアル。偽りの笑顔を振り撒いている人で最後、ではなくて、
「今月も、参加させてもらうわ。驚いたかしら?」
お茶会が諸事情で中止になり、先月に続きカーラも参加。予定より1人多い6人が、この場に集まっていた。
((…………カーラがいたのは、予想外。だけど))
『様々な企みは物理的に不可能』
『安心して動けます』
去り際にくれたマリユ様の言葉のおかげで、動揺は生まれない。
証拠の確保も『ちょっとしたこと』も、予定通り――ううん。カーラがいる分、もっと大きく行える。予想外は、私にとってラッキー。全部大丈夫! そんな自信しかなくって、私も全員に笑顔をお返した。
「さて。全員揃った事だし、パーティーを始めようか」
「だなっ、エドゥアルっ。ささっ、こっちこっち」
「ナイウさん。それではまるで、貴方が主催のようですよ」
「細かいコトは言うなってのっ。じゃーまずは、いつものをやるか」
ナイウ様の先導によって長方形型のテーブルに集まり、全員でまず乾杯を行う。
ウェルカムドリンクを飲みながら、適当に立ち話。その十数分後に、ランチ。これがいつもの流れで、今日は『立ち話』の時間が格好の時になる。
((……作戦、その3))
婚約破棄の原因が、浮気だけによるもの(私に原因は少しもないというもの)。の収集、スタートです!
「こんにちは、ハツルエさん。一か月ぶりですね」
まず丁寧に挨拶をしてくださったのは、眼鏡をかけた柔和で知的な男性。この方は伯爵家の長男、サビュ・ノラン様。外見同様の性格で、いつも親切にしてくださる良い方です。
「よおソフィーちゃん。今日も可愛いね――って言うと、エドゥアルにぶん殴られそうだな。今日もよろしくな」
次に挨拶してくださったガタイの良い高背の男性は、同じく伯爵家の長男マックス・ナイウ様。ナイウ様はこうやって所謂軽口や冗談で場を温めてくださる、このメンバーのムードメーカー的存在。言動は非常に『軽く』見えますが、相手が嫌がる事は決してしない方なんだよね。
「……久しぶりだな、ソフィー・ハツルエさん。今日も皆(みな)で、楽しむとしよう」
声量が小さめでゆっくりとした喋り方の、前髪を長く伸ばしたミステリアスな男性。こちらの方は、伯爵家の三男であるロイド・サズ様。
正式な場以外では――こういったくだけた場ではほどんど喋らず目を瞑っている非常に不思議な方で、曰くその場の空気に触れることが何より楽しい、だそうです。
そして、
「ようこそソフィー。会えて嬉しいよ」
主催者でありこの家の住人、エドゥアル。偽りの笑顔を振り撒いている人で最後、ではなくて、
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お茶会が諸事情で中止になり、先月に続きカーラも参加。予定より1人多い6人が、この場に集まっていた。
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『様々な企みは物理的に不可能』
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「細かいコトは言うなってのっ。じゃーまずは、いつものをやるか」
ナイウ様の先導によって長方形型のテーブルに集まり、全員でまず乾杯を行う。
ウェルカムドリンクを飲みながら、適当に立ち話。その十数分後に、ランチ。これがいつもの流れで、今日は『立ち話』の時間が格好の時になる。
((……作戦、その3))
婚約破棄の原因が、浮気だけによるもの(私に原因は少しもないというもの)。の収集、スタートです!
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