婚約者と幼馴染が浮気をしていたので、チクチク攻撃しながら反撃することにしました

柚木ゆず

文字の大きさ
29 / 72

第7話 7日後 証拠その3を得るための接触と、初めて行うこと(3)

しおりを挟む
 はい。本心ですよ――。
 そう答えた私は照れ笑いを作り、そこに『肩を窄める』という動作を追加。あの日から何度も何度も鏡の前で練習した動きを行って、続ける。

「エドゥアルさんに不満は、まったくありません。好きなところしかなくって、本当に大好きなんです。……私はエドゥアルさんほど人間が出来ていませんので、エドゥアルさんは不満をお持ちかもしれませんが……」
「だ、そうですよ、わが友エドゥアル・ラインくん。これは、ちゃ~んとお返事をするしかありませんなぁ~? ココだけの話、エドゥアルくんには不満がありますか~?」

 カーラがいない場所では、彼はよく私を絶賛していた。そのためナイウ様は私が喜ぶセリフが返ってくると確信していて返事が分かりきっていて、ニヤニヤとした視線を注いだ。
 ナイウ様。改めて、ごめんなさい。そしてエドゥアル、どうする? 流石に、答えないといけないよね?

「…………………………ぁ~。ぇ~と、だな……」
「エドゥアルさん。恥ずかしい気持ちは、よく分かります。ですが、ここで答えないのは男じゃありませんよ?」
「……これでは、婚約者失格だぞ。カーラ・オグタルさん。幼馴染としても、これは看過できないだろう?」
「えっ!? そっ、そうですねっ。えっ、エドゥアル様っ。わたくしも是非、お返事をお聞きしたいですわっ!」

 サズ様とノラン様も続いてくださって、ギョッとしていたカーラは頬を若干引きつらせながら促す。
 そのため――。抵抗していた彼も観念をして、

「はいはいっ、白状すればいいんだろっ。俺も、0っ。なしだっ! 文句や不満なんてあるワケがない。ソフィーは、最高の婚約者だよ」

 言いたくない。けれど、言わないと不自然。だからエドゥアルはこう返し、

「もしもあったら、慰謝料を渡して婚約は解消してる。どちらかが我慢する夫婦生活なんて、いずれ破綻するにきまっているからな」
「ふっふっふ、よろしいよろしい。ちゃんと言えるじゃないか、わが友エドゥアル君よ」
「お前が――お前らが言わせたんだろうがよ。……ホント恥ずかしいから、こういうのはこれで最後にしてくれ。これだけ明言したんだからもういいだろ」

 今後もこのパーティーがあると思っている彼は、この展開を繰り返さないように、こんな言葉も放った。

((……文句や不満はなし。それに加えて、あったら別れていると強調した))

 これ、そして証拠その1や立ち話中のやり取り――常時好意的な様子もしっかりと録音されているため、言い訳は不可能。この人が後日どんな言い訳を使っても、情状酌量の発生はなくなった。

((よかった……っ。嬉しい誤算。予想より早く証拠その3を確保できた))

 これで私がやるべき作戦は、全て終わり。ここからはオマケの始まりで、エドゥアル、カーラ。
 今日で、婚約者と幼馴染の関係はお仕舞い。だから最後に、もう一つお返しをさせてもらうよ。

しおりを挟む
感想 226

あなたにおすすめの小説

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

「身分が違う」って言ったのはそっちでしょ?今さら泣いても遅いです

ほーみ
恋愛
 「お前のような平民と、未来を共にできるわけがない」  その言葉を最後に、彼は私を冷たく突き放した。  ──王都の学園で、私は彼と出会った。  彼の名はレオン・ハイゼル。王国の名門貴族家の嫡男であり、次期宰相候補とまで呼ばれる才子。  貧しい出自ながら奨学生として入学した私・リリアは、最初こそ彼に軽んじられていた。けれど成績で彼を追い抜き、共に課題をこなすうちに、いつしか惹かれ合うようになったのだ。

夫から「余計なことをするな」と言われたので、後は自力で頑張ってください

今川幸乃
恋愛
アスカム公爵家の跡継ぎ、ベンの元に嫁入りしたアンナは、アスカム公爵から「息子を助けてやって欲しい」と頼まれていた。幼いころから政務についての教育を受けていたアンナはベンの手が回らないことや失敗をサポートするために様々な手助けを行っていた。 しかしベンは自分が何か失敗するたびにそれをアンナのせいだと思い込み、ついに「余計なことをするな」とアンナに宣言する。 ベンは周りの人がアンナばかりを称賛することにコンプレックスを抱えており、だんだん彼女を疎ましく思ってきていた。そしてアンナと違って何もしないクラリスという令嬢を愛するようになっていく。 しかしこれまでアンナがしていたことが全部ベンに回ってくると、次第にベンは首が回らなくなってくる。 最初は「これは何かの間違えだ」と思うベンだったが、次第にアンナのありがたみに気づき始めるのだった。 一方のアンナは空いた時間を楽しんでいたが、そこである出会いをする。

融資できないなら離縁だと言われました、もちろん快諾します。

音爽(ネソウ)
恋愛
無能で没落寸前の公爵は富豪の伯爵家に目を付けた。 格下ゆえに逆らえずバカ息子と伯爵令嬢ディアヌはしぶしぶ婚姻した。 正妻なはずが離れ家を与えられ冷遇される日々。 だが伯爵家の事業失敗の噂が立ち、公爵家への融資が停止した。 「期待を裏切った、出ていけ」とディアヌは追い出される。

婚約を奪った義妹は王太子妃になりましたが、王子が廃嫡され“廃嫡王子の妻”になりました

鷹 綾
恋愛
「お姉様には、こちらの方がお似合いですわ」 そう言って私の婚約者を奪ったのは、可憐で愛らしい義妹でした。 王子に見初められ、王太子妃となり、誰もが彼女の勝利を疑わなかった――あの日までは。 私は“代わり”の婚約者を押し付けられ、笑いものにされ、社交界の端に追いやられました。 けれど、選ばれなかったことは、終わりではありませんでした。 華やかな王宮。 厳しい王妃許育。 揺らぐ王家の威信。 そして――王子の重大な過ち。 王太子の座は失われ、運命は静かに反転していく。 離縁を望んでも叶わない義妹。 肩書きを失ってなお歩き直す王子。 そして、奪われたはずの私が最後に選び取った人生。 ざまあは、怒鳴り声ではなく、選択の積み重ねで訪れる。 婚約を奪われた姉が、静かに価値を積み上げていく王宮逆転劇。

初耳なのですが…、本当ですか?

あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た! でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。

冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

シリアス
恋愛
冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

処理中です...