婚約者と幼馴染が浮気をしていたので、チクチク攻撃しながら反撃することにしました

柚木ゆず

文字の大きさ
30 / 72

第8話 エドゥアルとカーラを襲い始める、チクチク攻撃 エドゥアル&ソフィー視点(1)

しおりを挟む
「みんなっ、終わりっ! こういった話題はもう終わりだっ。ちょうど準備が整ったようだし、ランチにしようっ!」

 ただでさえ苛立つものを、愛する人カーラの前で行う。それはこの上なく不快で、俺は大きな声を出して30センチ四方の箱を持ってきた。
 この中には、三角形のクジが6つ入っている。これの結果によって座る席が決まるのだが、

((この箱には、細工が施してある))

 広い箱に6枚だけというのは、味気ないから――。そんな理由で長方形に切った紙を大量に敷いているのだが、真の目的は『4人が触れるクジは4つだけ』という事実を隠すため。
 残りの2枚――隣り合う2つの席のクジは内部の底にある隙間に忍ばせていて、必ず俺とカーラが引けるようになっているのだ。

《カーラ。さっきの分も合わせて、たっぷり嘲笑ってやろう》
《ええ。あんな事を言い出したソフィーには、お仕置きが必要よね。……目の前でこんなことをされているなんて、夢にも思わないでしょうね。哀れな子》

 俺達はさり気なくアイコンタクトを行い、ローテーションによって今日はサビュ、マックス、俺、ロイド、ソフィー、カーラの順に引いてゆく。

「今日は………。Dですか」
「え~っと、どれどれ~………。今回のオレは…………おっ、Cの席だな」
「次は、俺か。俺は…………なるほど。Aのようだ」
「……俺は……。Fだ」
「私は……」
「前回は、Eだったよな。残るはBとE。どれが出るかな……?」

 お前に残されている選択肢は、Eしかないんだけどな。そう言いたい衝動を抑え、知らないフリをして様子を眺める。
 仕込みを知らないソフィーは、ソワソワしながら箱に右手を突っ込んで…………………………………………ん? 箱に突っ込んだ手が、なかなか出てこない。どうしたんだ?

「??? ソフィー、どうした?」
「??? ソフィー、どうしたの?」
「エドゥアルさん、カーラ。あのね。…………1枚。底に、クジが引っかかっているみたいです」

 ……………………。今、なんて言った?
 クジが引っかかっているって聞こえたのは、気のせいだよな?

「指の先に当たって、偶然気付いて……。折角だから、これにします」

 気のせいじゃなかった!
 やめろっ‼ それに触るんじゃないっっ‼
 そう叫びたいが、この件は今回のみ起きてしまったトラブルとして扱わなければならない。そのため――

「私は、Bですね。エドゥアルさんの隣になりました」
「………わたくしは………。E…………」

 ソフィーが俺の右横になり、カーラは一番離れた席になってしまった……。
 そ、そんな……。これじゃあ……。手を繋ぐことが、できない……。


  〇〇


((……やっぱり、クジを入れている箱に細工をしてあった))

 エドゥアル、残念でした。今日貴方の隣に座るのは嫌々付き合っている女で、これから待ってるのはチクチク攻撃。
 最後のランチを、楽しみましょ。

しおりを挟む
感想 226

あなたにおすすめの小説

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

「身分が違う」って言ったのはそっちでしょ?今さら泣いても遅いです

ほーみ
恋愛
 「お前のような平民と、未来を共にできるわけがない」  その言葉を最後に、彼は私を冷たく突き放した。  ──王都の学園で、私は彼と出会った。  彼の名はレオン・ハイゼル。王国の名門貴族家の嫡男であり、次期宰相候補とまで呼ばれる才子。  貧しい出自ながら奨学生として入学した私・リリアは、最初こそ彼に軽んじられていた。けれど成績で彼を追い抜き、共に課題をこなすうちに、いつしか惹かれ合うようになったのだ。

夫から「余計なことをするな」と言われたので、後は自力で頑張ってください

今川幸乃
恋愛
アスカム公爵家の跡継ぎ、ベンの元に嫁入りしたアンナは、アスカム公爵から「息子を助けてやって欲しい」と頼まれていた。幼いころから政務についての教育を受けていたアンナはベンの手が回らないことや失敗をサポートするために様々な手助けを行っていた。 しかしベンは自分が何か失敗するたびにそれをアンナのせいだと思い込み、ついに「余計なことをするな」とアンナに宣言する。 ベンは周りの人がアンナばかりを称賛することにコンプレックスを抱えており、だんだん彼女を疎ましく思ってきていた。そしてアンナと違って何もしないクラリスという令嬢を愛するようになっていく。 しかしこれまでアンナがしていたことが全部ベンに回ってくると、次第にベンは首が回らなくなってくる。 最初は「これは何かの間違えだ」と思うベンだったが、次第にアンナのありがたみに気づき始めるのだった。 一方のアンナは空いた時間を楽しんでいたが、そこである出会いをする。

融資できないなら離縁だと言われました、もちろん快諾します。

音爽(ネソウ)
恋愛
無能で没落寸前の公爵は富豪の伯爵家に目を付けた。 格下ゆえに逆らえずバカ息子と伯爵令嬢ディアヌはしぶしぶ婚姻した。 正妻なはずが離れ家を与えられ冷遇される日々。 だが伯爵家の事業失敗の噂が立ち、公爵家への融資が停止した。 「期待を裏切った、出ていけ」とディアヌは追い出される。

初耳なのですが…、本当ですか?

あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た! でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。

冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

シリアス
恋愛
冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

【完】はしたないですけど言わせてください……ざまぁみろ!

咲貴
恋愛
招かれてもいないお茶会に現れた妹。 あぁ、貴女が着ているドレスは……。

処理中です...