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第8話 エドゥアルとカーラを襲い始める、チクチク攻撃 エドゥアル&ソフィー視点(1)
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「みんなっ、終わりっ! こういった話題はもう終わりだっ。ちょうど準備が整ったようだし、ランチにしようっ!」
ただでさえ苛立つものを、愛する人の前で行う。それはこの上なく不快で、俺は大きな声を出して30センチ四方の箱を持ってきた。
この中には、三角形のクジが6つ入っている。これの結果によって座る席が決まるのだが、
((この箱には、細工が施してある))
広い箱に6枚だけというのは、味気ないから――。そんな理由で長方形に切った紙を大量に敷いているのだが、真の目的は『4人が触れるクジは4つだけ』という事実を隠すため。
残りの2枚――隣り合う2つの席のクジは内部の底にある隙間に忍ばせていて、必ず俺とカーラが引けるようになっているのだ。
《カーラ。さっきの分も合わせて、たっぷり嘲笑ってやろう》
《ええ。あんな事を言い出したソフィーには、お仕置きが必要よね。……目の前でこんなことをされているなんて、夢にも思わないでしょうね。哀れな子》
俺達はさり気なくアイコンタクトを行い、ローテーションによって今日はサビュ、マックス、俺、ロイド、ソフィー、カーラの順に引いてゆく。
「今日は………。Dですか」
「え~っと、どれどれ~………。今回のオレは…………おっ、Cの席だな」
「次は、俺か。俺は…………なるほど。Aのようだ」
「……俺は……。Fだ」
「私は……」
「前回は、Eだったよな。残るはBとE。どれが出るかな……?」
お前に残されている選択肢は、Eしかないんだけどな。そう言いたい衝動を抑え、知らないフリをして様子を眺める。
仕込みを知らないソフィーは、ソワソワしながら箱に右手を突っ込んで…………………………………………ん? 箱に突っ込んだ手が、なかなか出てこない。どうしたんだ?
「??? ソフィー、どうした?」
「??? ソフィー、どうしたの?」
「エドゥアルさん、カーラ。あのね。…………1枚。底に、クジが引っかかっているみたいです」
……………………。今、なんて言った?
クジが引っかかっているって聞こえたのは、気のせいだよな?
「指の先に当たって、偶然気付いて……。折角だから、これにします」
気のせいじゃなかった!
やめろっ‼ それに触るんじゃないっっ‼
そう叫びたいが、この件は今回のみ起きてしまったトラブルとして扱わなければならない。そのため――
「私は、Bですね。エドゥアルさんの隣になりました」
「………わたくしは………。E…………」
ソフィーが俺の右横になり、カーラは一番離れた席になってしまった……。
そ、そんな……。これじゃあ……。手を繋ぐことが、できない……。
〇〇
((……やっぱり、クジを入れている箱に細工をしてあった))
エドゥアル、残念でした。今日貴方の隣に座るのは嫌々付き合っている女で、これから待ってるのはチクチク攻撃。
最後のランチを、楽しみましょ。
ただでさえ苛立つものを、愛する人の前で行う。それはこの上なく不快で、俺は大きな声を出して30センチ四方の箱を持ってきた。
この中には、三角形のクジが6つ入っている。これの結果によって座る席が決まるのだが、
((この箱には、細工が施してある))
広い箱に6枚だけというのは、味気ないから――。そんな理由で長方形に切った紙を大量に敷いているのだが、真の目的は『4人が触れるクジは4つだけ』という事実を隠すため。
残りの2枚――隣り合う2つの席のクジは内部の底にある隙間に忍ばせていて、必ず俺とカーラが引けるようになっているのだ。
《カーラ。さっきの分も合わせて、たっぷり嘲笑ってやろう》
《ええ。あんな事を言い出したソフィーには、お仕置きが必要よね。……目の前でこんなことをされているなんて、夢にも思わないでしょうね。哀れな子》
俺達はさり気なくアイコンタクトを行い、ローテーションによって今日はサビュ、マックス、俺、ロイド、ソフィー、カーラの順に引いてゆく。
「今日は………。Dですか」
「え~っと、どれどれ~………。今回のオレは…………おっ、Cの席だな」
「次は、俺か。俺は…………なるほど。Aのようだ」
「……俺は……。Fだ」
「私は……」
「前回は、Eだったよな。残るはBとE。どれが出るかな……?」
お前に残されている選択肢は、Eしかないんだけどな。そう言いたい衝動を抑え、知らないフリをして様子を眺める。
仕込みを知らないソフィーは、ソワソワしながら箱に右手を突っ込んで…………………………………………ん? 箱に突っ込んだ手が、なかなか出てこない。どうしたんだ?
「??? ソフィー、どうした?」
「??? ソフィー、どうしたの?」
「エドゥアルさん、カーラ。あのね。…………1枚。底に、クジが引っかかっているみたいです」
……………………。今、なんて言った?
クジが引っかかっているって聞こえたのは、気のせいだよな?
「指の先に当たって、偶然気付いて……。折角だから、これにします」
気のせいじゃなかった!
やめろっ‼ それに触るんじゃないっっ‼
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そ、そんな……。これじゃあ……。手を繋ぐことが、できない……。
〇〇
((……やっぱり、クジを入れている箱に細工をしてあった))
エドゥアル、残念でした。今日貴方の隣に座るのは嫌々付き合っている女で、これから待ってるのはチクチク攻撃。
最後のランチを、楽しみましょ。
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