31 / 72
第8話 エドゥアルとカーラを襲い始める、チクチク攻撃 エドゥアル視点(2)
しおりを挟む
今回のメニューは、豚肉とピスタチオのテリーヌ、季節の野菜3種とブラックオリーブのサラダ、オニオングラタンスープ、バゲット。俺の好物が揃っている。
今日はそれをカーラと共に嘲笑いつつ味わい、至福のひと時を過ごす予定だった。けれど――
「エドゥアルさん……っ。こちらのテリーヌも野菜のサラダも、美味しいですね……っ」
――隣にいるのは、ソフィー。今はもう、金しか魅力がなくなった女。
それは、地獄と言っても過言じゃない。前日から心待ちにしていた時間は、最低なものに変貌してしまった。
((くそ……っ。くそ……っっ。折角カーラがいるのに、なにが面白くてこんな奴と並ばないといけないんだよ……!!))
そのせいで、ほら見ろ! カーラだってイラついているじゃないかっ!
ソフィーっっ! お前は気付いていないだろうがな! お前が笑うたびに、カーラの口元がヒクヒクくしているんだよ!
おまけに……っ。
「うんうんっ! やっぱ、エドゥアルとソフィーちゃんが並ぶと映えるよな~。よくよく考えてみたらさ、そこは固定でいいんじゃないか?」
「そうですね。お二人は婚約者なんですし、今後はそうしましょう」
「……俺も異議はない。カーラ・オグタルさんは、どう思う?」
「わっ、わたくしですかっ!? え、あっ。そっ、そうですねっ! ええっ、ええっっ! 皆様のご意見に、激しく同意ですわっっ‼」
ヤツらは余計な気を遣いやがって、更に状況を悪化させやがる! そのせいでカーラのストレスはガンガン溜まっているし、
「い、いやっ、気持ちは有難いけど遠慮するっ。ここにいるメンバーは全員大事な存在で、全員と隣で食べたいと思っているからな!」
「「「でもよ~(ですが)(……しかしだな)」」」
「お前らも大切なんだよっ。いっ、いちいち言わせるなってっ! 恥ずかしいだろっ!」
俺はこんな風に、何度も何度も……。必死に言い訳を探さないといけなくて、終始落ち着かない。食べ物の味を、感じる余裕がない。
((…………こんなにも、淡白で……。疲れる食事は、生まれて初めてだ…………))
カーラがこの場にいなければ、まだマシだった。
愛している人の前でこうしなければならないことが、とにかくキツイ。ピキピキとなってゆく様子を見ていたら、罪悪感で胃が痛くなる。ズキズキと激しく痛んできて、その影響で吐きそうになってくる。
《か、カーラ。あと少しだけ、我慢してくれ。2日後にはデートが出来て、この分までたっぷり愛を注ぐから……!》
とりあえず目線で気持ちを伝え、俺はもう無心で食事をするようにした。
ソフィーに何を言われても、返事は『そうだな』や『ああ』。にこやかな表情を作り、条件反射のように返す。
地獄のような、この時間。ソレを極力ダメージを受けずに乗り越えられるよう、俺は淡々と相手をし続けて――
「エドゥアルさん、お願いがあります。あーん、をしても構いませんか?」
「ああ」
――やがて、ソレが……。
更なる地獄を、招いてしまったのだった…………。
今日はそれをカーラと共に嘲笑いつつ味わい、至福のひと時を過ごす予定だった。けれど――
「エドゥアルさん……っ。こちらのテリーヌも野菜のサラダも、美味しいですね……っ」
――隣にいるのは、ソフィー。今はもう、金しか魅力がなくなった女。
それは、地獄と言っても過言じゃない。前日から心待ちにしていた時間は、最低なものに変貌してしまった。
((くそ……っ。くそ……っっ。折角カーラがいるのに、なにが面白くてこんな奴と並ばないといけないんだよ……!!))
そのせいで、ほら見ろ! カーラだってイラついているじゃないかっ!
ソフィーっっ! お前は気付いていないだろうがな! お前が笑うたびに、カーラの口元がヒクヒクくしているんだよ!
おまけに……っ。
「うんうんっ! やっぱ、エドゥアルとソフィーちゃんが並ぶと映えるよな~。よくよく考えてみたらさ、そこは固定でいいんじゃないか?」
「そうですね。お二人は婚約者なんですし、今後はそうしましょう」
「……俺も異議はない。カーラ・オグタルさんは、どう思う?」
「わっ、わたくしですかっ!? え、あっ。そっ、そうですねっ! ええっ、ええっっ! 皆様のご意見に、激しく同意ですわっっ‼」
ヤツらは余計な気を遣いやがって、更に状況を悪化させやがる! そのせいでカーラのストレスはガンガン溜まっているし、
「い、いやっ、気持ちは有難いけど遠慮するっ。ここにいるメンバーは全員大事な存在で、全員と隣で食べたいと思っているからな!」
「「「でもよ~(ですが)(……しかしだな)」」」
「お前らも大切なんだよっ。いっ、いちいち言わせるなってっ! 恥ずかしいだろっ!」
俺はこんな風に、何度も何度も……。必死に言い訳を探さないといけなくて、終始落ち着かない。食べ物の味を、感じる余裕がない。
((…………こんなにも、淡白で……。疲れる食事は、生まれて初めてだ…………))
カーラがこの場にいなければ、まだマシだった。
愛している人の前でこうしなければならないことが、とにかくキツイ。ピキピキとなってゆく様子を見ていたら、罪悪感で胃が痛くなる。ズキズキと激しく痛んできて、その影響で吐きそうになってくる。
《か、カーラ。あと少しだけ、我慢してくれ。2日後にはデートが出来て、この分までたっぷり愛を注ぐから……!》
とりあえず目線で気持ちを伝え、俺はもう無心で食事をするようにした。
ソフィーに何を言われても、返事は『そうだな』や『ああ』。にこやかな表情を作り、条件反射のように返す。
地獄のような、この時間。ソレを極力ダメージを受けずに乗り越えられるよう、俺は淡々と相手をし続けて――
「エドゥアルさん、お願いがあります。あーん、をしても構いませんか?」
「ああ」
――やがて、ソレが……。
更なる地獄を、招いてしまったのだった…………。
9
あなたにおすすめの小説
「身分が違う」って言ったのはそっちでしょ?今さら泣いても遅いです
ほーみ
恋愛
「お前のような平民と、未来を共にできるわけがない」
その言葉を最後に、彼は私を冷たく突き放した。
──王都の学園で、私は彼と出会った。
彼の名はレオン・ハイゼル。王国の名門貴族家の嫡男であり、次期宰相候補とまで呼ばれる才子。
貧しい出自ながら奨学生として入学した私・リリアは、最初こそ彼に軽んじられていた。けれど成績で彼を追い抜き、共に課題をこなすうちに、いつしか惹かれ合うようになったのだ。
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
夫から「余計なことをするな」と言われたので、後は自力で頑張ってください
今川幸乃
恋愛
アスカム公爵家の跡継ぎ、ベンの元に嫁入りしたアンナは、アスカム公爵から「息子を助けてやって欲しい」と頼まれていた。幼いころから政務についての教育を受けていたアンナはベンの手が回らないことや失敗をサポートするために様々な手助けを行っていた。
しかしベンは自分が何か失敗するたびにそれをアンナのせいだと思い込み、ついに「余計なことをするな」とアンナに宣言する。
ベンは周りの人がアンナばかりを称賛することにコンプレックスを抱えており、だんだん彼女を疎ましく思ってきていた。そしてアンナと違って何もしないクラリスという令嬢を愛するようになっていく。
しかしこれまでアンナがしていたことが全部ベンに回ってくると、次第にベンは首が回らなくなってくる。
最初は「これは何かの間違えだ」と思うベンだったが、次第にアンナのありがたみに気づき始めるのだった。
一方のアンナは空いた時間を楽しんでいたが、そこである出会いをする。
融資できないなら離縁だと言われました、もちろん快諾します。
音爽(ネソウ)
恋愛
無能で没落寸前の公爵は富豪の伯爵家に目を付けた。
格下ゆえに逆らえずバカ息子と伯爵令嬢ディアヌはしぶしぶ婚姻した。
正妻なはずが離れ家を与えられ冷遇される日々。
だが伯爵家の事業失敗の噂が立ち、公爵家への融資が停止した。
「期待を裏切った、出ていけ」とディアヌは追い出される。
初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる