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第8話 エドゥアルとカーラを襲い始める、チクチク攻撃 エドゥアル視点(3)
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((しまったっっ!! だっ、駄目だっっ!! これはぜったいに駄目だっっ!!))
カーラの目の前で、ソフィーに食べさせてもらう。こいつは最悪の行為。カーラにとっても俺にとっても、メンタルに大きなダメージを受けてしまうものだ!
((てっ、撤回しないとっ! やはり恥ずかしいと言って、どうにか中止にして――))
「ありがとうございます……っ。じゃあ……。エドゥアルさん、あーん」
「ヒューヒューっ。なんだよエドゥアル~。なんだかんだ言いながら、しっかり欲しがるんじゃんよ~」
「ええ。見せつけてくれますね」
「……相変わらず、素直ではないな。この男は」
ソフィーはもうテリーヌが載ったフォークを差し出してきているし、マックス達は上機嫌で見守り始めた……!
しかも……。それだけでは終わらず――
「おやおや。随分と賑やかだね」
「何があったのかしら? ねえ、わたし達にも教えて頂戴」
「あっ、エドゥアルの父親と母親っ。ちょっと聞いてくださいよ~。これからなんとっ、婚約者2人による『あ~ん』が始まるんですよっっ!」
「まあっ! あなた……っ!」
「ああ。ならば我々も、見守らせてもらうしかないな」
――騒ぎを聞きつけて父さんと母さんが現れ、2人は目尻を下げて見守り始めてしまった。
くそ……っ。これじゃあますます、中止にしにくくなってしまった……っ。
((だ、だが……っ))
「………………………………………………………………」
カーラの視線が更に冷たくなって、頬はよりヒクヒクするようになっている。
彼女を怒り悲しませないようにするためにも、俺に自信のためにもっ。なんとしても、それは拒否する!
「ぁ、いや……っ。まっ、待ってくれ。待ってくれ……っ」
「??? エドゥアル、さん? どうされたのですか?」
「ごめんよ、ソフィー。急に、恥ずかしくなってしまったんだよ。あーんは後日、またの機会に――」
「エドゥアルさん。エドゥアルさんは、前もそう仰いましたよね? 先月は我慢をしましたので、今回は我が儘を言わせてもらいます……っ」
ぐぅ……っ。不快な出来事だからすっかり忘れていたが、前回……っ。カーラが参加する回でも3人が煽って、その場に愛する人がいるため拒否をしていた。
((……………………だ、だめ、だ……。むり、だ……))
前回、『次の機会に』と言ってしまった以上……。
それは……。断れ、ない……。
「おじ様やおば様、マックス様達、カーラも。私達にとって大切な人達が、見守ってくれています。こんなに嬉しい状況はありませんよ……っ。エドゥアルさん、あーん」
「…………………ぁ。そ、そう、だな。見守られながらするのは、いいこと、だな」
「ですよね……っ。エドゥアルさん、どうぞ……っ」
「お、おう、ああ。もらうよ、ソフィー」
回避は、不可能。カーラの不機嫌そうな視線に刺されながら、罪悪感に襲われながら、差し出されたものを食べた。
その味はもちろん最悪で、吐きそうになる。けれど立場上そうはできないため呑み込み、
「どうですか……っ? いかがですか……っ?」
「最高だ、とっても美味しいよ。今まで一番美味しかったな、ははははは」
笑顔に笑顔を返し、そのあとは……。よく、覚えていない。
気が付くと、パーティーは終了。ソフィーは上機嫌、カーラは不機嫌で帰っていって、俺は異常に胃が痛くなっていて……。
「……お、起きていることが、つらい……。今日は、もう寝よう……」
ふらふら歩いてベッドに倒れ込み、その後は翌日まで死んだように眠ったのだった――。
楽しみにしていた日は、二度と思い出したくもない、最悪な日となったのだった――。
カーラの目の前で、ソフィーに食べさせてもらう。こいつは最悪の行為。カーラにとっても俺にとっても、メンタルに大きなダメージを受けてしまうものだ!
((てっ、撤回しないとっ! やはり恥ずかしいと言って、どうにか中止にして――))
「ありがとうございます……っ。じゃあ……。エドゥアルさん、あーん」
「ヒューヒューっ。なんだよエドゥアル~。なんだかんだ言いながら、しっかり欲しがるんじゃんよ~」
「ええ。見せつけてくれますね」
「……相変わらず、素直ではないな。この男は」
ソフィーはもうテリーヌが載ったフォークを差し出してきているし、マックス達は上機嫌で見守り始めた……!
しかも……。それだけでは終わらず――
「おやおや。随分と賑やかだね」
「何があったのかしら? ねえ、わたし達にも教えて頂戴」
「あっ、エドゥアルの父親と母親っ。ちょっと聞いてくださいよ~。これからなんとっ、婚約者2人による『あ~ん』が始まるんですよっっ!」
「まあっ! あなた……っ!」
「ああ。ならば我々も、見守らせてもらうしかないな」
――騒ぎを聞きつけて父さんと母さんが現れ、2人は目尻を下げて見守り始めてしまった。
くそ……っ。これじゃあますます、中止にしにくくなってしまった……っ。
((だ、だが……っ))
「………………………………………………………………」
カーラの視線が更に冷たくなって、頬はよりヒクヒクするようになっている。
彼女を怒り悲しませないようにするためにも、俺に自信のためにもっ。なんとしても、それは拒否する!
「ぁ、いや……っ。まっ、待ってくれ。待ってくれ……っ」
「??? エドゥアル、さん? どうされたのですか?」
「ごめんよ、ソフィー。急に、恥ずかしくなってしまったんだよ。あーんは後日、またの機会に――」
「エドゥアルさん。エドゥアルさんは、前もそう仰いましたよね? 先月は我慢をしましたので、今回は我が儘を言わせてもらいます……っ」
ぐぅ……っ。不快な出来事だからすっかり忘れていたが、前回……っ。カーラが参加する回でも3人が煽って、その場に愛する人がいるため拒否をしていた。
((……………………だ、だめ、だ……。むり、だ……))
前回、『次の機会に』と言ってしまった以上……。
それは……。断れ、ない……。
「おじ様やおば様、マックス様達、カーラも。私達にとって大切な人達が、見守ってくれています。こんなに嬉しい状況はありませんよ……っ。エドゥアルさん、あーん」
「…………………ぁ。そ、そう、だな。見守られながらするのは、いいこと、だな」
「ですよね……っ。エドゥアルさん、どうぞ……っ」
「お、おう、ああ。もらうよ、ソフィー」
回避は、不可能。カーラの不機嫌そうな視線に刺されながら、罪悪感に襲われながら、差し出されたものを食べた。
その味はもちろん最悪で、吐きそうになる。けれど立場上そうはできないため呑み込み、
「どうですか……っ? いかがですか……っ?」
「最高だ、とっても美味しいよ。今まで一番美味しかったな、ははははは」
笑顔に笑顔を返し、そのあとは……。よく、覚えていない。
気が付くと、パーティーは終了。ソフィーは上機嫌、カーラは不機嫌で帰っていって、俺は異常に胃が痛くなっていて……。
「……お、起きていることが、つらい……。今日は、もう寝よう……」
ふらふら歩いてベッドに倒れ込み、その後は翌日まで死んだように眠ったのだった――。
楽しみにしていた日は、二度と思い出したくもない、最悪な日となったのだった――。
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