38 / 72
第11話 12目目 昼 カーラの表情は、やがて180度変わる 俯瞰視点(2)
しおりを挟む
「あの人は、わたくしに何を伝えたいのかしら? ええと……………………あら?」
エドゥアル・ラインからの手紙を、機嫌よく開封したカーラ。彼女は愛する人からのメッセージを読み始め、すぐに首を傾げました。
《突然こんなものが届いて、驚いただろう? 明後日のデートが待ちきれなくって、つい手紙を送ってしまったんだ》
「……??? あさって? わたくしたちのデートは明後日ではなくて…………明後日の明後日、のはずよね……?」
机の引き出しから手帳を取り出して確認してみると、やっぱりデートは4日後。
エドゥはわたくしに関するスケジュールは完璧に覚えているのに――。珍しいわね――。カーラはそんなことを思いつつ、再び読み始めます。
《君と毎日会えないなんて、運命はなんて残酷なのだろうか。
ウチの父が無能故に、我が家には大した金はない。情けないことに、資産はソフィーの家の何分の1。そのせいで、好きなものを買ってあげられない。
君はこの世に降り立った、現世唯一の女神だというのに……。分不相応な、たかだか45万ぽっちのイヤリングなどしか買えていない》
「え? 45万ぽっちのイヤリング?」
左から右へと移動していた黒目が、再度止まりました。
「…………わたくし……。そんなものを、貰った覚えはないわよ……?」
机の引き出し、そこの上から3番目に収納している、リッチな装飾が施された箱――エドゥアルからのプレゼントが入っている、宝箱。その中を確認してみますが、やはり記憶違いではありません。
イヤリングをもらったことはありますが、その額は15万。記載されているものとは、30万もの差がありました。
「……デートの日付は、ともかくとして……。自分が贈ったプレゼントを間違えるなんて…………。おかしいわ……」
45万と15万。3倍もの差があります。カーラにあった疑問の量は爆発的に増え、ずっとあった笑顔は鳴りを潜めてしまいました。
「……どう、なっているの……? なんなの、この手紙は……?」
それを確かめるため、カーラは読み進めます。
ゴクリ。口内に自然と溜まっていた唾液を飲み込み、便箋にある文字達に目を通していって――。その、2分後でした。
「…………………………。………………………………っ!」
全てを読み終えたカーラは便箋に爪を食い込ませ、唖然と目を見開いていました。
なぜならば、
《まだまだ書き足りないけれど、君の迷惑になるからこの辺りで止めておくよ。
またね、バイバイ。親愛なるレニファー 》
沢山の愛が込められた手紙。その最後に記されていたのは、別人の名前だったからです。
エドゥアル・ラインからの手紙を、機嫌よく開封したカーラ。彼女は愛する人からのメッセージを読み始め、すぐに首を傾げました。
《突然こんなものが届いて、驚いただろう? 明後日のデートが待ちきれなくって、つい手紙を送ってしまったんだ》
「……??? あさって? わたくしたちのデートは明後日ではなくて…………明後日の明後日、のはずよね……?」
机の引き出しから手帳を取り出して確認してみると、やっぱりデートは4日後。
エドゥはわたくしに関するスケジュールは完璧に覚えているのに――。珍しいわね――。カーラはそんなことを思いつつ、再び読み始めます。
《君と毎日会えないなんて、運命はなんて残酷なのだろうか。
ウチの父が無能故に、我が家には大した金はない。情けないことに、資産はソフィーの家の何分の1。そのせいで、好きなものを買ってあげられない。
君はこの世に降り立った、現世唯一の女神だというのに……。分不相応な、たかだか45万ぽっちのイヤリングなどしか買えていない》
「え? 45万ぽっちのイヤリング?」
左から右へと移動していた黒目が、再度止まりました。
「…………わたくし……。そんなものを、貰った覚えはないわよ……?」
机の引き出し、そこの上から3番目に収納している、リッチな装飾が施された箱――エドゥアルからのプレゼントが入っている、宝箱。その中を確認してみますが、やはり記憶違いではありません。
イヤリングをもらったことはありますが、その額は15万。記載されているものとは、30万もの差がありました。
「……デートの日付は、ともかくとして……。自分が贈ったプレゼントを間違えるなんて…………。おかしいわ……」
45万と15万。3倍もの差があります。カーラにあった疑問の量は爆発的に増え、ずっとあった笑顔は鳴りを潜めてしまいました。
「……どう、なっているの……? なんなの、この手紙は……?」
それを確かめるため、カーラは読み進めます。
ゴクリ。口内に自然と溜まっていた唾液を飲み込み、便箋にある文字達に目を通していって――。その、2分後でした。
「…………………………。………………………………っ!」
全てを読み終えたカーラは便箋に爪を食い込ませ、唖然と目を見開いていました。
なぜならば、
《まだまだ書き足りないけれど、君の迷惑になるからこの辺りで止めておくよ。
またね、バイバイ。親愛なるレニファー 》
沢山の愛が込められた手紙。その最後に記されていたのは、別人の名前だったからです。
10
あなたにおすすめの小説
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
「身分が違う」って言ったのはそっちでしょ?今さら泣いても遅いです
ほーみ
恋愛
「お前のような平民と、未来を共にできるわけがない」
その言葉を最後に、彼は私を冷たく突き放した。
──王都の学園で、私は彼と出会った。
彼の名はレオン・ハイゼル。王国の名門貴族家の嫡男であり、次期宰相候補とまで呼ばれる才子。
貧しい出自ながら奨学生として入学した私・リリアは、最初こそ彼に軽んじられていた。けれど成績で彼を追い抜き、共に課題をこなすうちに、いつしか惹かれ合うようになったのだ。
夫から「余計なことをするな」と言われたので、後は自力で頑張ってください
今川幸乃
恋愛
アスカム公爵家の跡継ぎ、ベンの元に嫁入りしたアンナは、アスカム公爵から「息子を助けてやって欲しい」と頼まれていた。幼いころから政務についての教育を受けていたアンナはベンの手が回らないことや失敗をサポートするために様々な手助けを行っていた。
しかしベンは自分が何か失敗するたびにそれをアンナのせいだと思い込み、ついに「余計なことをするな」とアンナに宣言する。
ベンは周りの人がアンナばかりを称賛することにコンプレックスを抱えており、だんだん彼女を疎ましく思ってきていた。そしてアンナと違って何もしないクラリスという令嬢を愛するようになっていく。
しかしこれまでアンナがしていたことが全部ベンに回ってくると、次第にベンは首が回らなくなってくる。
最初は「これは何かの間違えだ」と思うベンだったが、次第にアンナのありがたみに気づき始めるのだった。
一方のアンナは空いた時間を楽しんでいたが、そこである出会いをする。
融資できないなら離縁だと言われました、もちろん快諾します。
音爽(ネソウ)
恋愛
無能で没落寸前の公爵は富豪の伯爵家に目を付けた。
格下ゆえに逆らえずバカ息子と伯爵令嬢ディアヌはしぶしぶ婚姻した。
正妻なはずが離れ家を与えられ冷遇される日々。
だが伯爵家の事業失敗の噂が立ち、公爵家への融資が停止した。
「期待を裏切った、出ていけ」とディアヌは追い出される。
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる