婚約者と幼馴染が浮気をしていたので、チクチク攻撃しながら反撃することにしました

柚木ゆず

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第16話 ハトの知人さんへ 伝えたい2つの言葉(1)

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「『ハトの知人』さん。今も昔も、想ってくださりありがとうございます」
「……………………………………。どうして、それを……?」

 部屋を訪ねた私は姿勢を正して腰を折り曲げ、呆然となっているマリユ様に説明を行った。

 ――今日いただいた紅茶に、違和感があったこと――。
 ――その感情が、あの時のマリユ様と一致したこと――。
 ――以前起きた、『さん付け』のこと――。

 それらを伝えた私は、まだ終わらない。今度は、この胸の中にある気持ちを伝えさせてもらいます。

「知人さん。貴方は、私を傷付けないために、ああしてくださっていたんですよね?」
「…………はい、そうです……。けれど……。それは、失敗してしまって……。貴女は今後ずっと――」
「疑心暗鬼には、なりませんよ。人、偽りに、怯えて生きていくことはありません」

 消えてしまいそうな程に弱弱しい声を遮り、断言する。
 それは、あり得ない。絶対に、ありません。

「そ、ソフィー様……。どう、して……? なぜ貴方は、はっきりと…………笑顔で、そう言えるのですか……?」
「私がそうなっている理由は、シンプルです。マリユさん・・がしてくださったことは、『騙す』じゃない。『伏せる』、だからですよ」

 騙すは、必ず悪意がある行為。伏せるは、必ずしも悪意があるとは限らない行為。
 そこには思い遣りしかないから、恐怖心は芽生えません!

「…………騙す、じゃなくて……。伏せる…………」
「はい。伏せる、です。だから真実を知っても、マイナスはありません。あるのはプラスだけ。もっともっと、知人さんが好きになりました」

 そんなにも想ってくれる人を、嫌いになったり怖くなったりするはずがない。更に更に大好きになって、なので、もう一つ。ある言葉を、お伝えしたくなっています。


 でも――。それを口にするのは、今じゃない。
 私がちゃんと、真っ白になってからじゃないと駄目。相応しくならないと、駄目。
 失礼。


 全てが終わった時に、私がそうなった時に、伝えさせてもらいます。

「ですので知人さん、これからも仲良くしてください。今までのようにお手紙でやり取りをして、時々は私と会って欲しいです」
「…………貴方がそれを望んでくださるのであれば、断る理由がありません。喜んで、ソフィーさん・・・・・

 伸ばした両手はそっと握られ、それに連動してマリユさんの表情も変化。揺れていた瞳は潤み、強張っていた顔は柔らかくなったのでした。

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