婚約者と幼馴染が浮気をしていたので、チクチク攻撃しながら反撃することにしました

柚木ゆず

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第21話 あれから7日後 2つのお礼と、大切なお話(2)

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「……………………美味しい。ソフィーさんが言っていた、想いが乗る。それが僕にも理解できたよ」

 目を瞑りながら、大切に味わってくださったマリユさん。閉じていたその瞼が上がると、笑顔と大きな頷きが返ってきました。

「卵サンドには本来あるはずのない、大きな甘さと柔らかさを確かに感じる。でもそれらはちゃんと調和していて、卵サンドの美味しさと君の優しさと想いが一緒にやって来てくれて……。とても美味しいです」
「……よかったぁ……っ。喜んでもらえて、嬉しいです……っ」

 人間は十人十色。自信があっても人によって反応はまちまちで、お料理に絶対なんてない。
 だから不安だったけど、その言葉は間違いなく本心。それは杞憂で、独りでに安堵の息が零れました……っ。

「これは私の原点で、どうしても食べて頂きたかったんです。気に入ってくださり、ありがとうございます……っ」
「こちらこそ、こんなにも込めてくれて、ありがとうございます。僕も夢の一つ『ソフィーさんの部屋で食べる』が叶って、幸せです」

 マリユ様はスッと右手の指を2本立てて、中指を折り曲げる。
 ??? 人差し指が、残ってる……? 

「この夢の一つはもう一段階残っていて、それはソフィーさんと2人で食べる、という事だったんだよ。一緒に第二段階を、夢の一つを完全に叶えてもらえますか?」
「はぃっ、もちろんですっ! 是非お手伝いさせてくださいっ」

 こんなにも嬉しいお手伝いは、ないから。私は破顔で頷き、ここからは2人で卵サンドを食べてゆく。

「この食パンの水分と柔らかさが、この卵サラダによく合っているよね。もしかしてこのパン、手作り?」
「正解です。卵サンドはシンプルですから、手を加えられる部分にはしっかり加えているんですよ。8年間試行錯誤を繰り返し、牛乳を多めに混ぜる事で完成しました」

「実はサンドウィッチを、手紙と一緒に鳩さんに届けてもらおうとした事があるんですよ。そしたら目をぱちくりさせたあと、『重い、無理だよ』って首を振られちゃって。よく考えてみたら分かることなのに、迷惑なお願いをしちゃいました」
「僕も一度、やってしまった経験があるよ。ザッハトルテを作ったあと惰性でロンドに頼もうとしていたら、呆れたような声で鳴かれたんだ。『ボクがそれを運べると思う?』って、嗤われていたんだと思うよ」

 サンドウィッチにまつわる話や、失敗談などなど。私達は様々な話題と共にサンドウィッチを味わい、お互いにとって夢が叶ったひと時はお仕舞い。
 そのあとは私が淹れた紅茶で一息を吐いて、ちらっと掛け時計を確認。丁度ピッタリの時間になったので、

「マリユさん。こちらに来てもらえますか?」

 椅子から立ち上がり、窓へと案内してカーテンを開く。
 …………それでは。お礼その2の、始まりです……っ。

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