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第5話 コレットの自室~ついに?~ ジャック視点

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「ブランティス君が犯人である証拠、それは現地に着いてから教えてくれる約束だったね。バズセル君、我々に教えてくれるかの?」
「畏まりました。そちらは、先日ミシェルが紛失したチャームです。……その時はコレットがそんな事をしていると思いもしなかったので、深く考えませんでしたが……。この部屋を訪れた際に、そっくりなものを見かけていたのですよ」

 きっとあれは、本物――。なくなって数日後にまだ持っていたということは、恐らく気に入ってしまったのだろう――。そのためほぼ間違いなく、それはまだココにあるはずだ――。などなど。
 事前に用意していた台詞を、校長、教頭、67人の生徒たちに伝えた。

「その際はドレッサーの上にありましたが、今は見当たりませんね。どこかに隠しているのでしょう」
「ジャック様、私はそんな真似は致しておりません。そもそも、そういったチャームは個人的にも所有したことはございません。……嘘は、やめてください」

 コレットは2度左右に首を振り、キッと僕を睨んでくる。
 そうだな。お前は無関係で、腹が立っていることだろう。だがな――。残念ながらこの部屋に、クローゼットの中にあるんだよ。

「ダンゲル校長、ヴァン教頭、オーディエンスのみんな、当主夫妻も。彼女はああ言っておりますが、調べてみれば瞭然です。ブランティス卿、調査の許可をお願い致します」
「ええ、勿論でございます。娘の潔白を証明できるのであれば、なんだって致しましょう」

 ヤツの父・クルスは――母・アニーも僕を睨みつけ、大きく顎を引いた。その行動は逆効果で、もうじき愛娘が窮地に陥ることになるとは知らずに。

「ダンゲル校長殿、許可をいただきました。ですので」
「うむ、行うとしようかの。この問題は、事が事じゃ。何らかの不正が生じないよう、この場にいる全員で確認してゆくとしようではないか」

 そうして校長と教頭、オーディエンスは動き始め、関係者――僕、ミシェル、コレット、当主夫妻は、介入せず捜索を見守る。

「……………………。ベッドの周りには、ないな」
「そうだな。どこにも、ない」

「コレット様、デスクの中を失礼いたしますわ。……………………ここにも、ありませんわね」
「ええ。見当たりませんわね」

 全員がゾロゾロ動いて、一か所ずつ入念に調べてゆく。
 ベッド周り、デスクの中、ドレッサーの中、ジュエリーボックスの中などなど。次々と確認されていって、いよいよ――。クローゼットとなった。

「ここが、最後だな。……出てこないでくれよ……っ」
「わたし、コレット様を信じています。きっと大丈夫ですよ……っ」

 ヤツのファンが無実を願うが、それは叶いはしない。全員によりチェックがしっかりと行われてゆき、やがて――


「よかった……っ。なにも出てこなかった……っ」
「そうだな……っ。やっぱり勘違いだったんだ……!」


 ――なにぃ!?
 見つからなかっただって!?

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