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第11話 っっ。ミシェルが僕が庇ってくれている……!! ジャック視点(7)

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「ど、どうして……。父上が、ここに……?」
「息子が、何時間も大騒ぎを起こしているのだ。耳に入らないと思うのか?」

 詳しくは、分からないが……。誰かが、家に報告をしたらしい……。

「ジャックよ、写真を見たぞ。……言語道断な行いをしたあげく、コレット嬢に転嫁するとはな。ここまで愚かだとは思わなかったぞ」

 父上は、コレットに対して片膝をつく――この国では最大級の謝罪を行い、それが終われば表情は一変する。忸怩が含まれていた顔には、静かな憤怒が大量に表れるようになった。

「これは相手を裏切り、傷つけ、陥れる犯罪行為なのだぞ。お前の頭は、それを理解できなかったのか?」
「わ、分かっておりました……。し、しかし、ですね……。素晴らしい人と、出逢ってしまったのですよ……。コレットは本当は、100点満点の女性でした」

 今はそう思ってはない。だが周囲の空気を考え、とにかく褒めておく。

「ですがミシェルは120点で、その上をいってしまったのです。なので、そんな素敵な人と家族になりたくて……。つい、つい…………。出来心で……。ああいった真似を、してしまいました……」
「……ふむ、ミシェル・レイテルンが120点か。…………あのような行為に及ぶ者が、コレット嬢を上回ると言うのか」
「ち、父上? 今なんと仰ったのですか?」
「お前には関係ない事だ。その者は本当に、120点の人間なのか。恐らくもう間もなく、身を以て理解するだろうよ」
「? ??? それは、どういう……?」

 ワケが分からない。父上は何を言いたいんだ?

「その時が来れば、分かることだ。……護衛の2人ティール、タオス治安機関あちらとの話は、すでについている。愚息を連行してくれ」
「…………父上、牢で反省してまいります。いってまいりま――」
「一体、何を言っているのだ? 我が家(いえ)に、貴様が帰る場所はないぞ?」

 ぇ……?
 え…………?

「お前はこの瞬間を以て、バズセル家を追放する。貴様は、ただのジャック。我々の息子ではない」
「そっ、そんなっ! ご慈悲をっ! せめて何かしらの支援を――」
「これだけの事をしておいて、その程度で済むと思ったのか? わたしはしっかりと常識を教え込んだつもりだったが――。もう片方の耳から、全て抜けてしまっていたようだな」

 父上は呆れの息を吐き、それを合図に護衛によって拘束される。そして、

「お願いしますっ! お考え直しを!! 心を入れ替えますからっ! せめて、家においてくださいぃぃぃっ!!」

 どんなに懇願しても、意味はなく……。オーディエンス達の冷めた視線を浴びながら、僕は外へと引っ張られていったのだった…………。

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