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第7話(2)
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「これはね、ロッザさん。くだんの醜悪な大悪党ども――アルクベールの叔父一味の捕縛に協力した対価として2日前に手に入れた、非常に珍しい代物なんだよ。一体どこが珍しいのかというと、『ウソを吐けない』状態にする竜術が付与されている、という点だね」
テーブルの中央にキャンドルを置いたビエワさんは、また楽しそうに。まるでイタズラを企んでいる子どものように、けらけらと喉を鳴らします。
「物に竜術を込められる力を持った竜人と一種の催眠能力を持つ竜人が、タッグを組んだ奇跡の一品。かつて犯罪者の自白用として使用されたものの、2人の死によって製造不可となっていたもの。アルクベール達が長年探していて、奇跡的に見つかったものなんだよ」
「スケープゴートを上手く使われたせいで、証拠だけで叔父達を立証できなくてね。どこかに残っていないかずっと探していて、お二人にゆかりのある地で一つだけ見つかったんだ」
そういえばお城で、『ようやく見つけた秘密兵器』と言っていました。あれは、このことだったのですね。
「妃殿下は『複製(ふくせい)』の竜術持ちで、オリジナルが1個あれば1日に1個増やしていける。本来治安維持用のものを特別に貰っていて、早速コイツの出番がやって来たというわけだ。……さっきの素晴らしい言葉に嘘はないのか、しっかりと確かめさせてもらうよ。ソラ君?」
「……あの質問は、これが目的なのか。君らしい、悪趣味な行動だね」
「オレは所有する竜術の性質故に、この力で分析できないものに興味がある。だから、『人の心』はどのようなものなのか知りたかったんだ。特に生まれてから一番一緒にいたキミの本心を、知りたかったんだよ」
ま、恋を絡めたりウソホントを絡めたりしたのは、オレの趣味なんだけどね――。
ビエワさんは全く悪びれずに「はははははっ」と笑い、マッチを使ってキャンドルに火をつけました。
「御存じだとは思いますが、明かりを見つめながら1分~2分程度匂いを嗅げば催眠状態になる。アルクベールくん、さあお願いします」
「約束、だからね。らしさ溢れる余興に付き合うよ」
ソラ君はテーブルの中央を眺め始め、およそ2分が経過しました。そうするとソラ君の黒目の焦点が若干合わなくなるようになって、
「……うん、どうやらしっかり効いたみたいだね。確認作業の始まりだ」
その場に再び、指を鳴らす音が無邪気に響いたのでした。
テーブルの中央にキャンドルを置いたビエワさんは、また楽しそうに。まるでイタズラを企んでいる子どものように、けらけらと喉を鳴らします。
「物に竜術を込められる力を持った竜人と一種の催眠能力を持つ竜人が、タッグを組んだ奇跡の一品。かつて犯罪者の自白用として使用されたものの、2人の死によって製造不可となっていたもの。アルクベール達が長年探していて、奇跡的に見つかったものなんだよ」
「スケープゴートを上手く使われたせいで、証拠だけで叔父達を立証できなくてね。どこかに残っていないかずっと探していて、お二人にゆかりのある地で一つだけ見つかったんだ」
そういえばお城で、『ようやく見つけた秘密兵器』と言っていました。あれは、このことだったのですね。
「妃殿下は『複製(ふくせい)』の竜術持ちで、オリジナルが1個あれば1日に1個増やしていける。本来治安維持用のものを特別に貰っていて、早速コイツの出番がやって来たというわけだ。……さっきの素晴らしい言葉に嘘はないのか、しっかりと確かめさせてもらうよ。ソラ君?」
「……あの質問は、これが目的なのか。君らしい、悪趣味な行動だね」
「オレは所有する竜術の性質故に、この力で分析できないものに興味がある。だから、『人の心』はどのようなものなのか知りたかったんだ。特に生まれてから一番一緒にいたキミの本心を、知りたかったんだよ」
ま、恋を絡めたりウソホントを絡めたりしたのは、オレの趣味なんだけどね――。
ビエワさんは全く悪びれずに「はははははっ」と笑い、マッチを使ってキャンドルに火をつけました。
「御存じだとは思いますが、明かりを見つめながら1分~2分程度匂いを嗅げば催眠状態になる。アルクベールくん、さあお願いします」
「約束、だからね。らしさ溢れる余興に付き合うよ」
ソラ君はテーブルの中央を眺め始め、およそ2分が経過しました。そうするとソラ君の黒目の焦点が若干合わなくなるようになって、
「……うん、どうやらしっかり効いたみたいだね。確認作業の始まりだ」
その場に再び、指を鳴らす音が無邪気に響いたのでした。
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