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第5話 提案 アメリア視点(2)
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「アメリアがメリナに嫌がらせをしている場面を俺が偶然目撃する。その部分をもっと派手にした方がいいと思ってね。当初予定した場所をそのまま使えるアイディアを持ってきたんだよ」
「派手、ですか? 具体的に教えていただけますか?」
「もちろん。あのね――」
パーティーに参加した際に階段の傍へと移動し、わたくしがメリナ様の背中に触れる。そうして背部に指紋を付着させ、その後メリナ様が悲鳴をあげながら階段を転がる。
――突き落とし――。
そちらが『派手』の内容でした。
「ダメージが大きくなればなるほど君の罪は重くなる――より陥れられると思うんだよ。君が渡してくれたシナリオもよかったんだけど、こっちの方が更に印象が悪くなるんじゃないかな?」
「仰る通りですね。ただそちらは、メリナ様が大なり小なりお怪我をしますよ?」
自らの意思で転がるとはいえ、結局は階段から落ちるのです。その点はどうなのでしょうか?
「この案はメリナから出たものなんだよ。見逃してくれた恩返しとして精一杯できることをしたいと言っていて、強く希望しているんだ」
「そうなのですね」
「遠慮しないでくれたら、メリナは一番喜ぶ。……君には何かしらの意図があるみたいだけど、それでも見逃してくれたのは有難い。俺もメリナもアメリアを恩人だと思っていて、少しでも貢献させてもらいたいんだよ。どう、かな?」
「一番喜ぶ、という言葉を聞いたら断れません。お言葉に甘えさせていただきます」
こちらがよりお父様にダメージを与えられるのは、紛れもない事実。そちらがそう仰るのでしたら、あの部分は変更しましょう。
「そっか、力になれて嬉しいよ……! じゃあそこだけ変えて、あとは忠実に動かせてもらうよ。予定決行日にも変わりはないよね?」
「はい。変わりありません」
ご自身が仰られたように、決行を予定していたパーティーをそのまま使えます。一部分を入れ替えるだけですから、その他は全て予定通り行います。
「父上の件でしばらく会わないようにしているから、メリナにはこっそり手紙で連絡しておくよ。これからもできることがあれば、なんでもする。遠慮なく言ってくれ」
「その時は、頼らせていただきますね」
とお返事をしたものの、結局そんな場面は訪れませんでした。
トラブル、ハプニングが発生することなく順調に時が流れてくれて、1か月半が経過。ついに、『嫌がらせ発覚』を決行する日が訪れたのでした。
「派手、ですか? 具体的に教えていただけますか?」
「もちろん。あのね――」
パーティーに参加した際に階段の傍へと移動し、わたくしがメリナ様の背中に触れる。そうして背部に指紋を付着させ、その後メリナ様が悲鳴をあげながら階段を転がる。
――突き落とし――。
そちらが『派手』の内容でした。
「ダメージが大きくなればなるほど君の罪は重くなる――より陥れられると思うんだよ。君が渡してくれたシナリオもよかったんだけど、こっちの方が更に印象が悪くなるんじゃないかな?」
「仰る通りですね。ただそちらは、メリナ様が大なり小なりお怪我をしますよ?」
自らの意思で転がるとはいえ、結局は階段から落ちるのです。その点はどうなのでしょうか?
「この案はメリナから出たものなんだよ。見逃してくれた恩返しとして精一杯できることをしたいと言っていて、強く希望しているんだ」
「そうなのですね」
「遠慮しないでくれたら、メリナは一番喜ぶ。……君には何かしらの意図があるみたいだけど、それでも見逃してくれたのは有難い。俺もメリナもアメリアを恩人だと思っていて、少しでも貢献させてもらいたいんだよ。どう、かな?」
「一番喜ぶ、という言葉を聞いたら断れません。お言葉に甘えさせていただきます」
こちらがよりお父様にダメージを与えられるのは、紛れもない事実。そちらがそう仰るのでしたら、あの部分は変更しましょう。
「そっか、力になれて嬉しいよ……! じゃあそこだけ変えて、あとは忠実に動かせてもらうよ。予定決行日にも変わりはないよね?」
「はい。変わりありません」
ご自身が仰られたように、決行を予定していたパーティーをそのまま使えます。一部分を入れ替えるだけですから、その他は全て予定通り行います。
「父上の件でしばらく会わないようにしているから、メリナにはこっそり手紙で連絡しておくよ。これからもできることがあれば、なんでもする。遠慮なく言ってくれ」
「その時は、頼らせていただきますね」
とお返事をしたものの、結局そんな場面は訪れませんでした。
トラブル、ハプニングが発生することなく順調に時が流れてくれて、1か月半が経過。ついに、『嫌がらせ発覚』を決行する日が訪れたのでした。
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