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第6話 はじまり アメリア視点
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「アメリア様、始めましょう」
ブルーノ様、メリナ様、そしてわたくし。3人が招待されたリンドザラス伯爵家主催のパーティーの最中にメリナ様とわたくしは抜け出し、階段の前へとやってきました。
主催者の方にはご迷惑をかけてしまいますが、他に可能なところはありませんでした。後日秘密裏にお詫びを行うことで、許していただきましょう。
「この部分がよろしいかと思います。お願い致しますわ」
「はい、失礼致します」
背中を向けたメリナ様の背部――背中の真ん中より少し上の部分に、両方の手のひらを押し付けます。これによってしっかりと、その部分にわたくしの指紋がつきました。
「この状態でここから転げ落ちれば、アメリア様の行いだと勘違いをさせられます。貴方様の希望されていた状況が出来上がりますね」
「そうですね。大変な思いをすることになりますが、よろしくお願い致します」
「わたしは――わたし達は、貴方様に大きな御恩をあります。恩返しできて嬉しく感じておりますわ」
メリナ様はにこりと微笑み、こくりと頷かれる。そちらに対してわたくしも静かに頷き、お芝居の幕が上がります。
「え!? ぁっ!? きゃぁああああああああああああああああああ!!」
降りようとしているところを、後ろから思い切り突き飛ばされた。そちらを再現するべくメリナ様は大きな悲鳴をあげ、階段へと飛び込んで横向きでゴロゴロと転がっていきました。
そうしてメリナ様は、階段の下でうつ伏せとなり――
「見たぞ!! 何をしているんだ!!」
突然いなくなったわたくしを探していたブルーノ様が、登場。一部始終を偶然目撃したブルーノ様は慌ててメリナ様へと駆け寄り、ただちに周囲に助けを求めました。
「だれか!! 誰が来てください!! 怪我人がいます!!」
「ただいままいり――これは……!?」
「……あそこから転がり落ちたんですよ。アメリアが、突き落としたのです」
わたくしを指差しながら駆け付けた方々に訴え、最初は皆様信じられないご様子でしたが――メリナ様の衣類から、わたくしの指紋がしっかりと検出されました。加えてメリナ様が『以前から嫌がらせを受けていた』などと主張したことによって認識は180度変わり、無事わたくしが犯人となったのでした。
((計画第1段階、完了ですね。次は、お屋敷に戻って――))
ブルーノ様、メリナ様、そしてわたくし。3人が招待されたリンドザラス伯爵家主催のパーティーの最中にメリナ様とわたくしは抜け出し、階段の前へとやってきました。
主催者の方にはご迷惑をかけてしまいますが、他に可能なところはありませんでした。後日秘密裏にお詫びを行うことで、許していただきましょう。
「この部分がよろしいかと思います。お願い致しますわ」
「はい、失礼致します」
背中を向けたメリナ様の背部――背中の真ん中より少し上の部分に、両方の手のひらを押し付けます。これによってしっかりと、その部分にわたくしの指紋がつきました。
「この状態でここから転げ落ちれば、アメリア様の行いだと勘違いをさせられます。貴方様の希望されていた状況が出来上がりますね」
「そうですね。大変な思いをすることになりますが、よろしくお願い致します」
「わたしは――わたし達は、貴方様に大きな御恩をあります。恩返しできて嬉しく感じておりますわ」
メリナ様はにこりと微笑み、こくりと頷かれる。そちらに対してわたくしも静かに頷き、お芝居の幕が上がります。
「え!? ぁっ!? きゃぁああああああああああああああああああ!!」
降りようとしているところを、後ろから思い切り突き飛ばされた。そちらを再現するべくメリナ様は大きな悲鳴をあげ、階段へと飛び込んで横向きでゴロゴロと転がっていきました。
そうしてメリナ様は、階段の下でうつ伏せとなり――
「見たぞ!! 何をしているんだ!!」
突然いなくなったわたくしを探していたブルーノ様が、登場。一部始終を偶然目撃したブルーノ様は慌ててメリナ様へと駆け寄り、ただちに周囲に助けを求めました。
「だれか!! 誰が来てください!! 怪我人がいます!!」
「ただいままいり――これは……!?」
「……あそこから転がり落ちたんですよ。アメリアが、突き落としたのです」
わたくしを指差しながら駆け付けた方々に訴え、最初は皆様信じられないご様子でしたが――メリナ様の衣類から、わたくしの指紋がしっかりと検出されました。加えてメリナ様が『以前から嫌がらせを受けていた』などと主張したことによって認識は180度変わり、無事わたくしが犯人となったのでした。
((計画第1段階、完了ですね。次は、お屋敷に戻って――))
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