貴方様の浮気や裏切りを怒ってはいませんよ?

柚木ゆず

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第8話 約束 アメリア視点(1)

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「久しぶりだね、アメリア。上手くってなによりだ」
「お久しぶりですわ、アメリア様。お役に立てたようで嬉しいですわ」

 とある森の中――。集合場所に到着するとお二人はすでにいらっしゃっていて、それぞれ微笑みをくださりました。

「お二人のおかげで、こちらの計画はつつがなく完了いたしました。感謝いたします」
「完了した結果が、当主交代などのゴタゴタ。もしかして――おっと失礼、詮索は野暮だね。触れないでおくよ」
「痛み入ります。では本題に入らせていただきますね」

 ここに集合した目的は、最後の打ち合わせをするためです。

 3日後に開かれるザヌエルエ家主催のパーティーに、メリナ様とわたくしが突然登場。混乱の中、ブルーノ様が参加者に向けて説明を始めます。

 先日の突き落としは3人によるお芝居。

 ザヌエルエ家内に裏切り者がおり、その者をあぶりだすために不祥事を起こす必要があった。
 性質上アメリアは内部の人間を頼れず、婚約者であるブルーノ様とメリナ様――悩んでいるところを声をかけてくれた人を頼り、あの夜に決行。お芝居によって無事裏切り者が特定でき、隠す必要がなくなったため公表した。
 これが、流れとなっています。

「以前説明させていただいた、わたくし達が結託していたという証拠をお持ちしました。当日はこちらの所持をお願い致します」
「分かった」
「分かりましたわ」
「こちらはくだんの書類とは異なり、万が一第三者の目に触れてしまっても問題のないものとなっております。ご安心を」

 こちらを含め必要な情報を合計4つ出し、わたくしがお伝えしたいものは全て口にしました。あとは本番でミスをしてしまわないよう、齟齬がないかを確認しましょう。

「ブルーノ様、メリナ様。疑問点などはございませんか?」
「………………」
「………………」
「ブルーノ様? メリナ様?」

 急に、反応がなくなってしまいました。どうされたのでしょうか?

「ブルーノ様? メリナ様?」
「………………アメリア。君に謝らないといけないことがあるんだよ」
「謝る、ですか? なんなのでしょうか?」

 わたくしが首を傾けると――。ブルーノ様とメリナ様はニヤリとした笑みを浮かべ、このように言の葉を紡がれたのでした。


「悪いな、協力はここまでだ」
「わたし達、結託の証明はしてあげませんわ」


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