貴方様の浮気や裏切りを怒ってはいませんよ?

柚木ゆず

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第8話 約束 アメリア視点(5)

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「どうしようもなくなれば、力ずくに出るかもしれない。当たっていましたね」

 ブルーノ様とメリナ様が独自に呼べるとしたら、力を合わせてもこのくらいのはず。その数の倍を、叔父様に集めていただきました。

「わたくしを殺そうとされていましたが、そうする前に全員を無力化できます。それこそ残念ですが、思い通りにはなりませんよ」
「い、いやぁ、いやだなぁ、もう。本気にしちゃったのかい?」
「そんな、全部冗談ですわ。殺すだなんて滅相もない。ジョーク、ジョークですわ」

 圧倒的な数の差を目の当たりにして、絶対に無理だと悟ったのでしょう。戦おうとはせず、乾いた笑みが2つ作られました。

「今朝占いをしてみたら、騙すという行動が吉だったんだよ。この計画がちゃんと最後までうまくいくようにって、願掛けをしてたんだ」
「わたし達に殺意はありませんわ。協力しないも、すべて嘘。ジョークが過ぎてしまいましたわ」

 と仰っておりますが、これまでの言動は明らかに本気でした。しかもどちらも脂汗がびっしょりで、誰が見てもいいわけなのだと瞭然です。

「呼んだ彼らはすぐ下げる。だから君も、下げておくれよ」
「お願いしますわ」
「ブルーノ様、下げる必要はありませんよ。全員、こちらで捕縛致しますので」

 わたくしは勿論人間で、刺されてしまったら死んでしまいます。万が一がないよう、危険な芽は全て摘んでいただきました。

「この方達の対応は、こちらで行わせていただきますね」
「あ、あぁ……」「あぁ……」
「ブルーノ様とメリナ様への対応ですが、殺害に関してはわたくしが招いたものでもありますからね。こちらは不問に致します」

 協力を要請しなければ、殺害という選択肢は生まれませんでした。わたくしが作った選択肢が関わっている物事は、なかったことにしましょう。

「な、なら、そのついでに他も許して――」
「そちらはできません」

 その他は、わたくしの提案によって生まれた選択肢ではありません。無関係なものまで水に流すほど、お人よしではないのです。

「わっ、わたしたちを許してくれたら喜んで証言します! わたし達の証言がないと困るのではありませんかっ?」
「ご安心を。貴方がたはそうしていたように、こちらも貴方様の協力なしでも証明できる方法を用意してあります」

 浮気を両家の当主様に告げられるのならば、とれる手段は格段に増えます。どちらもお家のために内密に済ませたいでしょうし、どうとでもなるんですよね。

「わたくしはワガママに協力してもらうお礼に、本当にお二人の関係を応援するつもりだったのですが――。すれ違ってしまいましたね」
「すっ、すまなかった!! 反省している!! 許してくれ!!」
「許してください!! お願い致します!!」

 先程申し上げたように、もう応えることはできません。

「お願いします」

 皆さんにお願いしてブルーノ様とメリナ様を拘束し、お二人を馬車に乗せてそれぞれのお屋敷に送り届けたのでした。
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