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第3話 一週間後~キャロラインside~ キャロライン視点(1)

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「キャロライン! 会えて嬉しいよっ」
「わたしもっ。夢みたいっ!」

 深夜0時になって間もなくのこと。わたしは門を潜り停車した馬車に駆け寄り、降りて来た懐かしい人――デイヴィッドと抱き合い、二人一緒に嬉し涙を零していた。

『俺はカミラと婚約し、結婚をすると決めた』

 先週あんなことがあってウィリアム様との婚約は解消となり、わたしは即日サパレルラ家に手紙を送っていた。でもデイヴィッドは国外に居てすぐ戻れなくって、帰国したその足で会いに来てくれるようになっていたのです。

「もう二度と会えないと思っていたから……。嬉しいわ!」
「俺もだよ。こんな日はもう来ないと思っていたから……。幸せだ」

 確か、お前には幼馴染がいたな。ややこしいことになりはしないと思うが、念のためソイツとは二度と顔を合わせるな。会話をするな。いいな?――。強制的に交際が始まった時に、デイヴィッドと接触禁止の誓約書にサインをさせられた。
 それによってもうヒマワリのような笑顔を見れないと思っていたし、無条件で安心できる手に握ってもらえないと思っていたから……。喜びの涙が次から次へと溢れてきて、あっという間に顔が涙でぐちゃぐちゃになってしまった。

「…………キャロライン、ごめんな。なにもできなくて」

 前が見えなくなっていたから涙を拭おうとしていたら、それよりも先にデイヴィッドがハンカチでそっと拭いてくれて――。背骨が折れてしまいそうなくらいに、深く頭を下げた。

「一番動かないといけない時に、何もできなかった。どんな人生が待っているか分かっていたのに、なにもできなくて……。ごめん」
「ううん、デイヴィッドはなにも悪くないわ。悪いのはわたし達で、謝らないといけないのはわたしの方よ」

 あんなことになってしまった一番の原因は、ウチが抱える借金。あれさえなければ拒否できていたのだから、非があるのはこちらになる。

「ごめんなさい。振り回してしまって、ごめんなさい」
「いいや、それこそ違う。キャロラインはなにも関係がないし、そもそもアレはフェルオ家の策略だ。悪いのはあっちで……。だから、俺は…………」
「? デイヴィッド?」

 首を左右に振ってくれたあと、急に夜空を仰ぎ始めた。
 ? ?? 空に何か、ある……?









 ※申し訳ございません。なぜか(バグなのかもしれません)このお話のみ投稿をするボタンが押せないようになっており、その影響で投稿が遅れてしまいました。
 お詫びになるかは、わからないのですが……。本日は午後8時ごろに、もう1話投稿をさせていただきます。
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