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第4話 一週間後~カミラside~ カミラ視点(2)
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((…………え? み、見間違い? あれは、キャロラインじゃない……? 誰かと間違えてしまっていますの……?))
だ、だってあの女は、最愛の人に捨てられたばかり。特大のショックを受けて間もないのだから、ニコニコしているはずもお肌がツヤツヤなはずもない。
((そ、そうですわっ。見間違いに決まってますわっ。あそこに居るのはキャロラインではなく別の方なんですわっ!))
わたくしったらあの女を求めるあまり、一種の幻覚が見えるようになってしまっていたみたいですわ。
あんな女と姿を重ねてしまうなんて、あの方に失礼ですものね。不愉快な幻覚が消えるように、急いで両目を擦って――
((消えない!? やっぱりキャロラインがいる!?))
目測15メートルほど先で、主催者アリア様に挨拶をしている女。いくら目を擦ってもその女はキャロラインで……。たった今アリア様が『キャロライン様』と仰られたから、間違いない……。
あそこにいるお肌がツヤツヤでニコニコしている女は、キャロライン・サンオーレアなんですわ!!
((ど、どうして……!? なぜあんなにも活力が漲ってますの……!?))
あんな辛い出来事があったのに、ちっともダメージを受けていない。それどころか、ウィリアム様と交際していた時よりエネルギッシュになっていますわ!
((な、なにがどうなってますの……!? こ、これは夢……!? わたくしは移動中に眠ってしまっていて、タチの悪い悪夢を見ていますの……!?))
それを確かめるために、頬――はメイクが取れてしまうから、ドレスの上から太ももを抓ってみる。そうしたら、痛っ!?
抓った箇所に激痛が走って、ここは夢の中じゃないと証明されてしまった。
((これは……あれは……現実……。なっ、なんなんですの!? なんなんですのっ!?))
急いで色々な可能性を考えてみるけれど、いくら考えてもそれらしいものは浮かんでこない。
……だったら……。仕方ありませんわね……。
((計画が、少し狂ってしまうけれど……))
本人に、直接確かめるしかない。
そこでわたくしはタイミングを見計らって声をかけ、アリア様の許可を得た上でキャロラインと共に会場を抜け出して――
だ、だってあの女は、最愛の人に捨てられたばかり。特大のショックを受けて間もないのだから、ニコニコしているはずもお肌がツヤツヤなはずもない。
((そ、そうですわっ。見間違いに決まってますわっ。あそこに居るのはキャロラインではなく別の方なんですわっ!))
わたくしったらあの女を求めるあまり、一種の幻覚が見えるようになってしまっていたみたいですわ。
あんな女と姿を重ねてしまうなんて、あの方に失礼ですものね。不愉快な幻覚が消えるように、急いで両目を擦って――
((消えない!? やっぱりキャロラインがいる!?))
目測15メートルほど先で、主催者アリア様に挨拶をしている女。いくら目を擦ってもその女はキャロラインで……。たった今アリア様が『キャロライン様』と仰られたから、間違いない……。
あそこにいるお肌がツヤツヤでニコニコしている女は、キャロライン・サンオーレアなんですわ!!
((ど、どうして……!? なぜあんなにも活力が漲ってますの……!?))
あんな辛い出来事があったのに、ちっともダメージを受けていない。それどころか、ウィリアム様と交際していた時よりエネルギッシュになっていますわ!
((な、なにがどうなってますの……!? こ、これは夢……!? わたくしは移動中に眠ってしまっていて、タチの悪い悪夢を見ていますの……!?))
それを確かめるために、頬――はメイクが取れてしまうから、ドレスの上から太ももを抓ってみる。そうしたら、痛っ!?
抓った箇所に激痛が走って、ここは夢の中じゃないと証明されてしまった。
((これは……あれは……現実……。なっ、なんなんですの!? なんなんですのっ!?))
急いで色々な可能性を考えてみるけれど、いくら考えてもそれらしいものは浮かんでこない。
……だったら……。仕方ありませんわね……。
((計画が、少し狂ってしまうけれど……))
本人に、直接確かめるしかない。
そこでわたくしはタイミングを見計らって声をかけ、アリア様の許可を得た上でキャロラインと共に会場を抜け出して――
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