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第10話 婚約発表パーティー~カミラside~ カミラ視点(2)

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「でっ、デイヴィッド様? どうなされたのでしょうかっ?」

 突然、後ろから声をかけてきた人。それは、デイヴィッド・サパレルラ。今夜の主役の一人、忌々しいキャロラインの婚約者だった。

「申し訳ございません。驚かせてしまいましたね」
「い、いえ、わたくしが大げさに反応してしまっただけですわ。あ、あの。わたくしにごんな御用でしょうか?」

 この人とは面識がほぼなくて、一対一で会話をする機会がやってくるとは思いませんでしたわ。今は余計なことをしている暇はないのに……。いったいなんですの……?

「とても大事な、二人だけで行いたいお話がございまして。別室――に二人きりとなるわけにはいきませんから、そうですね……。中庭に来てはいただけませんでしょうか?」
「承知いたしました。ご一緒させていただきますわ」

 わたくしはキャロラインを待っていて、この男の相手をしている暇はない。それに彼はわたくしに甚大なる混乱をもたらしているひとりで、跳ね付けてやりたいと思っている。
 とはいえ本音を出したら面倒なことになってしまうから、仕方なく付き合ってあげることにした。

「カミラ様、痛み入ります」
「お気になさらないでくださいまし。……あ、そうですわ。わたくし、キャロライン様にお伝えしたいことがありますの。どちらに行かれたかご存じでしょうか?」
「彼女は今、わたしの父と話し込んでいます。お話しが終わりましたら、ご案内させていただきます」

 幸いにも移動中に居場所を把握できて、終了後に会えることが確定した。なので普段より少し早めに歩いて廊下を進み、中庭に着くとすぐ確認を始める。

「周りに人の気配はありませんし、始めても構いませんよね? デイヴィッド様、ご用件はなんなのでしょうか?」
「はい、そちらはこれより説明をさせていただきます。……ですがその前に、一言口にさせていただきますね」

 白のタキシードを着こなしている彼は流麗に肢体を動かし、ゆっくりと一礼。お手本のような礼を行ったあと――

カミラ・・・、残念だったな。お前の計画は、最初から間違ってるんだよ」

 ――なっ!?
 突然品が消え去り、嫌味たらしい嘲笑を浮かべた……!?

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