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3 あたしが初仕事! (2)
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「ここで、いいんスよね? お話、始めましょうっか」
音楽室につくとすぐ、リョーコちゃんはニッカリと口を開けた。
改めて観察してみても、全然違和感がない。アコヘンってほんとすごくて、とっても怖い力だ。
「学校で有名な、『クール美少女』と『ドタバタお姉ちゃん』が一緒に来てビックリしたっスよ。ウチに何のご用っスか?」
にゅむぅ。これって、どっちがドタバタお姉ちゃんなのかな?
あたしは、クールでもびしょーじょでもないから……。こっちがあたしだよねぇ……。
「ドタバタお姉ちゃん、かぁ……。ドタバタしすぎてたかなぁ……?」
「大丈夫よ、陽上さん。それは、親しみを込めてつけられた呼び名だから」
そ、そーなんだ。
学校のみんなに親しんでもらえてるなら、いーかなぁ。
「ありがとーね、モミジちゃん。お仕事に戻りましょー」
「おし、ごと? なんなんスか?」
「橋田涼子さん。失礼するわ」
モミジちゃんは右の手を伸ばして、ピト。リョーコちゃんの胸元に、お洋服の上から掌をくっつけた。
「陽上さん。私の手を握って頂戴」
「う、うんっ。はいっ、ちゃんと握ったよっ」
「へっ? なんスか、これ? 2人ともなにをして――」
「『心の扉、開け』!」
モミジちゃんがそう叫ぶと、目の前が真っ白になる。そして同時に体から力が抜けていって、
ぷつり
テレビの電源が切れるような音がして、あたしの意識はなくなったのでした。
音楽室につくとすぐ、リョーコちゃんはニッカリと口を開けた。
改めて観察してみても、全然違和感がない。アコヘンってほんとすごくて、とっても怖い力だ。
「学校で有名な、『クール美少女』と『ドタバタお姉ちゃん』が一緒に来てビックリしたっスよ。ウチに何のご用っスか?」
にゅむぅ。これって、どっちがドタバタお姉ちゃんなのかな?
あたしは、クールでもびしょーじょでもないから……。こっちがあたしだよねぇ……。
「ドタバタお姉ちゃん、かぁ……。ドタバタしすぎてたかなぁ……?」
「大丈夫よ、陽上さん。それは、親しみを込めてつけられた呼び名だから」
そ、そーなんだ。
学校のみんなに親しんでもらえてるなら、いーかなぁ。
「ありがとーね、モミジちゃん。お仕事に戻りましょー」
「おし、ごと? なんなんスか?」
「橋田涼子さん。失礼するわ」
モミジちゃんは右の手を伸ばして、ピト。リョーコちゃんの胸元に、お洋服の上から掌をくっつけた。
「陽上さん。私の手を握って頂戴」
「う、うんっ。はいっ、ちゃんと握ったよっ」
「へっ? なんスか、これ? 2人ともなにをして――」
「『心の扉、開け』!」
モミジちゃんがそう叫ぶと、目の前が真っ白になる。そして同時に体から力が抜けていって、
ぷつり
テレビの電源が切れるような音がして、あたしの意識はなくなったのでした。
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