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18 あたし達のこれから。 (1)
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「陽上ちゃん、約1か月間お疲れ様~。ということで、ただいまより『パートナーになってくれてありがとうございました』パーティーを開催しま~す!」
モミジちゃんのアコヘンが解決した日の、夕方。
急にナツキちゃんさんに呼ばれて月下家さんにお邪魔したら、大きなテーブルの上にケーキとご馳走が用意されていました。
「紅葉とのパートナーは、今月中って約束だったでしょ? だから今日でお仕舞いで、お昼の感謝も含めてお礼を準備したんだよ」
「ふぇ? 今日でお仕舞い……? 明日と明後日まで、まだ4月だよです……?」
「アコヘン関係の打ち合わせを親戚とするコトになって、アタシ達は2日間県外に行くようになったからね。父さんと母さんに電話で相談して、今日開こうってなったんだよ」
にゅぅぅ、そっかぁ。
5月になるまでこっちにいないから、今日でお仕舞いなんだね。
「父さんと母さんも滅茶苦茶感謝してて、陽上ちゃんに伝言を頼まれてる。『仕事で留守にして申し訳ありません。娘をありがとうございました』、だそうです」
「あれはあたしのお願いでもあるから、気にしないでくださいだよー。モミジちゃんも、もー気にしなくていーからねーっ」
あたしの向かいで、髪留めをつけて元気に座ってくれている。
それだけで大満足、なのです。
「陽上さん、どうもありがとう。それじゃあ、姉さん」
「そだね。パーティーの『ご馳走を食べまくるの部』、スタートだっ!」
にゅっ。あたしたちは3人そろって、いただきますっ!
モミジちゃんとナツキちゃんさんが作ってくれたハンバーグ、オムライス、フライドチキンをパクパク食べる。
「陽上ちゃん。お味はど~ですか~?」
「にゅーっ、おいしーですっ。じゅわっと、フワフワ、サクサクで、幸せだよーっっ」
「喜んでもらえて何よりだわ。今日は沢山食べて頂戴ね」
「んっ。はいだよーっ」
おっきなハンバーグをムシャムシャ。
トロトロのオムライスをムシャムシャ。
あつあつのフライドチキンをムシャムシャ。
大好きな食べ物を大好きな人たちと食べて、ご飯が終わったら今度はデザート。甘いクリームと苺が美味しいケーキを食べさせてもらって、ごちそうさまになりましたーっ。
「はふぅー。モミジちゃんナツキちゃんさん、ありがとーございましただよー」
「おそまつ様。私も、一緒に食事をできて楽しかったわ」
「アタシも、いい時間を過ごせたよ。……と、いうわけでご飯の時間はお仕舞い。ここからは、我が妹によるお願いの時間となりまーすっ!」
ナツキちゃんさんがニヤリとして、左の肘でモミジちゃんをウリウリつっつきだした。
ふや? お願い?
モミジちゃんのアコヘンが解決した日の、夕方。
急にナツキちゃんさんに呼ばれて月下家さんにお邪魔したら、大きなテーブルの上にケーキとご馳走が用意されていました。
「紅葉とのパートナーは、今月中って約束だったでしょ? だから今日でお仕舞いで、お昼の感謝も含めてお礼を準備したんだよ」
「ふぇ? 今日でお仕舞い……? 明日と明後日まで、まだ4月だよです……?」
「アコヘン関係の打ち合わせを親戚とするコトになって、アタシ達は2日間県外に行くようになったからね。父さんと母さんに電話で相談して、今日開こうってなったんだよ」
にゅぅぅ、そっかぁ。
5月になるまでこっちにいないから、今日でお仕舞いなんだね。
「父さんと母さんも滅茶苦茶感謝してて、陽上ちゃんに伝言を頼まれてる。『仕事で留守にして申し訳ありません。娘をありがとうございました』、だそうです」
「あれはあたしのお願いでもあるから、気にしないでくださいだよー。モミジちゃんも、もー気にしなくていーからねーっ」
あたしの向かいで、髪留めをつけて元気に座ってくれている。
それだけで大満足、なのです。
「陽上さん、どうもありがとう。それじゃあ、姉さん」
「そだね。パーティーの『ご馳走を食べまくるの部』、スタートだっ!」
にゅっ。あたしたちは3人そろって、いただきますっ!
モミジちゃんとナツキちゃんさんが作ってくれたハンバーグ、オムライス、フライドチキンをパクパク食べる。
「陽上ちゃん。お味はど~ですか~?」
「にゅーっ、おいしーですっ。じゅわっと、フワフワ、サクサクで、幸せだよーっっ」
「喜んでもらえて何よりだわ。今日は沢山食べて頂戴ね」
「んっ。はいだよーっ」
おっきなハンバーグをムシャムシャ。
トロトロのオムライスをムシャムシャ。
あつあつのフライドチキンをムシャムシャ。
大好きな食べ物を大好きな人たちと食べて、ご飯が終わったら今度はデザート。甘いクリームと苺が美味しいケーキを食べさせてもらって、ごちそうさまになりましたーっ。
「はふぅー。モミジちゃんナツキちゃんさん、ありがとーございましただよー」
「おそまつ様。私も、一緒に食事をできて楽しかったわ」
「アタシも、いい時間を過ごせたよ。……と、いうわけでご飯の時間はお仕舞い。ここからは、我が妹によるお願いの時間となりまーすっ!」
ナツキちゃんさんがニヤリとして、左の肘でモミジちゃんをウリウリつっつきだした。
ふや? お願い?
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