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第9話 三人が目指す場所は 俯瞰視点(2)
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(駄目だ!! ヤツらの気は変わっていない!!)(あれでは駄目だったんだわ!!)(だめぇっ!! まだ怒ってる!!)
消えずに見つめている。それによって三人は作戦の失敗を悟り、全員の口から歯と歯がぶつかる音が聞こえるようになりました。
(そんな!? 謝罪や和解は意味がなかったというのか!?)
(そんなはずはないわ!! 人形たちが憎むことを止めたんですもの!! 意味がないはずがないわ!!)
(じゃあどうしてあそこにいるの!? なんでこっちを見てるのお母様お父様!?)
(それが分かるなら頭を抱えてないわよ!! 頼らず自分で考えなさい!!)
(そうだぞ!! なんでも頼ろうとするな!! 少しは自分で考えなさい!!)
(考えても分からないから聞いてるんでしょ!! 私はまだ子ども!! 頭を使うのは大人の役目でしょ!!)
(勝手にルールを作るんじゃない!!)
(こういう時は子どもも大人も関係ないわ!! 年齢を言い訳にするのは止めなさい!!)
逼迫した状況が三人にとって初めての『喧嘩』を発生させ、親子の間で醜い睨み合いが始まります。
そうして初めてのいがみ合いは『掴み合い』へと発展しますが、まもなくその争いは強制的に終了となりました。自分達の傍にはビスクドールがいる、ということを思い出して。
(いかん争っている場合じゃない!!)
(早くしないとっ、取り返しのつかないことになってしまうわ!!)
(ふっ、フランクたちに!! また考えさせましょ!!)
自分達だけでは把握できる自信がまるでなく、今来た道を死に物狂いで引き返し再度の思案を命じます。そのため邸内の1階部ではまた使用人達による模索が始まり、幸いにも、3分程度で話し合いは終わりました。
「おおっ、名案が浮かんだのだな!?」
「よくやったわ貴男たち!!」
「早く教えて!! わたし達はどうすればいいの!?」
希望に満ち満ちた、声と眼差し。それらに返ってきたのは、フランクの曇りと呻き声でした。
「どっ、どうした!? どうしたのだ!?」
「ほぼ間違いなく、原因は特定できたのですが……。それはあまりにも影響があり――」
「馬鹿者!! アレ以上に影響があるものなどないわ!!」
「地獄に捨てられてしまうのよ!? それに比べたらかわいいものよ!!」
「ちょっと考えたら分かるでしょ!? 余計な時間を使わさないでよ!! 早く言って!!」
「…………承知いたしました」
怒声に恭しい頷きで応え、フランクは口を動かし始め――。すぐに三人は、フランクが逡巡した理由を痛感することになったのでした。
「……旦那様と奥様とお嬢様が進められていた、捏造の計画。そちらを然るべき機関にて自白すれば、許されるという結論に至りました」
消えずに見つめている。それによって三人は作戦の失敗を悟り、全員の口から歯と歯がぶつかる音が聞こえるようになりました。
(そんな!? 謝罪や和解は意味がなかったというのか!?)
(そんなはずはないわ!! 人形たちが憎むことを止めたんですもの!! 意味がないはずがないわ!!)
(じゃあどうしてあそこにいるの!? なんでこっちを見てるのお母様お父様!?)
(それが分かるなら頭を抱えてないわよ!! 頼らず自分で考えなさい!!)
(そうだぞ!! なんでも頼ろうとするな!! 少しは自分で考えなさい!!)
(考えても分からないから聞いてるんでしょ!! 私はまだ子ども!! 頭を使うのは大人の役目でしょ!!)
(勝手にルールを作るんじゃない!!)
(こういう時は子どもも大人も関係ないわ!! 年齢を言い訳にするのは止めなさい!!)
逼迫した状況が三人にとって初めての『喧嘩』を発生させ、親子の間で醜い睨み合いが始まります。
そうして初めてのいがみ合いは『掴み合い』へと発展しますが、まもなくその争いは強制的に終了となりました。自分達の傍にはビスクドールがいる、ということを思い出して。
(いかん争っている場合じゃない!!)
(早くしないとっ、取り返しのつかないことになってしまうわ!!)
(ふっ、フランクたちに!! また考えさせましょ!!)
自分達だけでは把握できる自信がまるでなく、今来た道を死に物狂いで引き返し再度の思案を命じます。そのため邸内の1階部ではまた使用人達による模索が始まり、幸いにも、3分程度で話し合いは終わりました。
「おおっ、名案が浮かんだのだな!?」
「よくやったわ貴男たち!!」
「早く教えて!! わたし達はどうすればいいの!?」
希望に満ち満ちた、声と眼差し。それらに返ってきたのは、フランクの曇りと呻き声でした。
「どっ、どうした!? どうしたのだ!?」
「ほぼ間違いなく、原因は特定できたのですが……。それはあまりにも影響があり――」
「馬鹿者!! アレ以上に影響があるものなどないわ!!」
「地獄に捨てられてしまうのよ!? それに比べたらかわいいものよ!!」
「ちょっと考えたら分かるでしょ!? 余計な時間を使わさないでよ!! 早く言って!!」
「…………承知いたしました」
怒声に恭しい頷きで応え、フランクは口を動かし始め――。すぐに三人は、フランクが逡巡した理由を痛感することになったのでした。
「……旦那様と奥様とお嬢様が進められていた、捏造の計画。そちらを然るべき機関にて自白すれば、許されるという結論に至りました」
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