14 / 33
第10話 夢 アンナ視点
しおりを挟む
ダヴィッド様にオペラをお出しして、賑やかな時間を過ごした日の夜でした。私は、不思議な夢を見ました。
「〇〇ちゃん、こんにちは。また来たよっ」
「いらっしゃい〇〇くんっ。あそぼっ」
私は見慣れない建物の中で立っていて、目の前には多分男の子がいて。私はそんな人に満面の笑みを浮かべて、歓迎しているんです。
多分がついているのは、その人のお顔が分からないから。
目の前にいる人の顔面と、自分が呼んでいる名前、呼ばれている名前。この3つをなぜか認識できない。濃い『モヤ』のようなものがかかってしまっています。
なので、声音は高めなものの同性のそれではない点、男児のような体型の人に『くん』をつけている点から、私が男の子と喋っていると判断したのです。
((これは……。なに……?))
おかしな状況に戸惑っていると、その夢は更に変化をしました。
「〇〇、今日はどうする? なにして遊ぶ?」
「う~ん、そうだね。〇〇くん、お庭で遊ぼっ」
視界が暗転して視覚が回復すると、私は相変わらず見慣れない建物の中に立っていて、相変わらず相手のお顔も名前も分かりません。
ですが男の子の姿には変化があって、130センチ程度だった背が150センチ程になっていました。どうやら時間が経過して、成長したようです。
((……これは、もしかして……。私の、記憶……?))
でも、こんな記憶はありません。でもどう考えても、そうとしか思えません。
そこで私は更にこの不思議な出来事に集中するようになって、そうしていると再び暗転。やがて再び視界が回復すると、私はおもわず息を呑んでしまいました。
「〇〇が作るオペラは最高だなぁ。今日は父さんの手伝いで大忙しだったんだけどさ、その疲れが一気に取れるよ」
「お仕事お疲れ様です、〇〇くん。はい、いつものローズマリー。今日は濃いめに淹れておいたよ」
「ありがとう。やっぱり〇〇は、俺が欲しい物を分かってくれるんだよなぁ。〇〇、愛してるっ」
更に成長して、たぶん、15歳くらいになった男の子。私はそんな人にオペラとローズティーを出していて、その後キスを交わしたのです。
((………………))
突如唇にやってきた、温かく柔らかな感触。それによって私の心は『幸せ』であっという間に満たされ、その直後でした。
今度は思わず大声を出してしまうことが、起きたのです。
「あっ!!」
これまで男の子の顔にかかっていた、濃い『モヤ』。それが突然吹いた突風によって飛ばされ――。そうするとそこには、見覚えのある…………子犬のようなお顔が、あったのです。
「そんな……っ。ずっと一緒にいた人は……。ダヴィッド、様……!?」
「〇〇ちゃん、こんにちは。また来たよっ」
「いらっしゃい〇〇くんっ。あそぼっ」
私は見慣れない建物の中で立っていて、目の前には多分男の子がいて。私はそんな人に満面の笑みを浮かべて、歓迎しているんです。
多分がついているのは、その人のお顔が分からないから。
目の前にいる人の顔面と、自分が呼んでいる名前、呼ばれている名前。この3つをなぜか認識できない。濃い『モヤ』のようなものがかかってしまっています。
なので、声音は高めなものの同性のそれではない点、男児のような体型の人に『くん』をつけている点から、私が男の子と喋っていると判断したのです。
((これは……。なに……?))
おかしな状況に戸惑っていると、その夢は更に変化をしました。
「〇〇、今日はどうする? なにして遊ぶ?」
「う~ん、そうだね。〇〇くん、お庭で遊ぼっ」
視界が暗転して視覚が回復すると、私は相変わらず見慣れない建物の中に立っていて、相変わらず相手のお顔も名前も分かりません。
ですが男の子の姿には変化があって、130センチ程度だった背が150センチ程になっていました。どうやら時間が経過して、成長したようです。
((……これは、もしかして……。私の、記憶……?))
でも、こんな記憶はありません。でもどう考えても、そうとしか思えません。
そこで私は更にこの不思議な出来事に集中するようになって、そうしていると再び暗転。やがて再び視界が回復すると、私はおもわず息を呑んでしまいました。
「〇〇が作るオペラは最高だなぁ。今日は父さんの手伝いで大忙しだったんだけどさ、その疲れが一気に取れるよ」
「お仕事お疲れ様です、〇〇くん。はい、いつものローズマリー。今日は濃いめに淹れておいたよ」
「ありがとう。やっぱり〇〇は、俺が欲しい物を分かってくれるんだよなぁ。〇〇、愛してるっ」
更に成長して、たぶん、15歳くらいになった男の子。私はそんな人にオペラとローズティーを出していて、その後キスを交わしたのです。
((………………))
突如唇にやってきた、温かく柔らかな感触。それによって私の心は『幸せ』であっという間に満たされ、その直後でした。
今度は思わず大声を出してしまうことが、起きたのです。
「あっ!!」
これまで男の子の顔にかかっていた、濃い『モヤ』。それが突然吹いた突風によって飛ばされ――。そうするとそこには、見覚えのある…………子犬のようなお顔が、あったのです。
「そんな……っ。ずっと一緒にいた人は……。ダヴィッド、様……!?」
142
あなたにおすすめの小説
私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
虐げられてる私のざまあ記録、ご覧になりますか?
リオール
恋愛
両親に虐げられ
姉に虐げられ
妹に虐げられ
そして婚約者にも虐げられ
公爵家が次女、ミレナは何をされてもいつも微笑んでいた。
虐げられてるのに、ひたすら耐えて笑みを絶やさない。
それをいいことに、彼女に近しい者は彼女を虐げ続けていた。
けれど彼らは知らない、誰も知らない。
彼女の笑顔の裏に隠された、彼女が抱える闇を──
そして今日も、彼女はひっそりと。
ざまあするのです。
そんな彼女の虐げざまあ記録……お読みになりますか?
=====
シリアスダークかと思わせて、そうではありません。虐げシーンはダークですが、ざまあシーンは……まあハチャメチャです。軽いのから重いのまで、スッキリ(?)ざまあ。
細かいことはあまり気にせずお読み下さい。
多分ハッピーエンド。
多分主人公だけはハッピーエンド。
あとは……
【完結】愛しい人、妹が好きなら私は身を引きます。
王冠
恋愛
幼馴染のリュダールと八年前に婚約したティアラ。
友達の延長線だと思っていたけど、それは恋に変化した。
仲睦まじく過ごし、未来を描いて日々幸せに暮らしていた矢先、リュダールと妹のアリーシャの密会現場を発見してしまい…。
書きながらなので、亀更新です。
どうにか完結に持って行きたい。
ゆるふわ設定につき、我慢がならない場合はそっとページをお閉じ下さい。
「義妹に譲れ」と言われたので、公爵家で幸せになります
恋せよ恋
恋愛
「しっかり者の姉なら、婚約者を妹に譲ってあげなさい」
「そうだよ、バネッサ。君なら、わかるだろう」
十五歳の冬。父と婚約者パトリックから放たれた無慈悲な言葉。
再婚相手の連れ子・ナタリアの図々しさに耐えてきたバネッサは、
その瞬間に決意した。
「ええ、喜んで差し上げますわ」
将来性のない男も、私を軽んじる家族も、もういらない。
跡継ぎの重責から解放されたバネッサは、その類まれなる知性を見込まれ、
王国の重鎮・ヴィンセント公爵家へ嫁ぐことに。
「私は、私を一番に愛してくれる場所で幸せになります!」
聡明すぎる令嬢による、自立と逆転のハッピーエンド。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
【完結】要らないと言っていたのに今更好きだったなんて言うんですか?
星野真弓
恋愛
十五歳で第一王子のフロイデンと婚約した公爵令嬢のイルメラは、彼のためなら何でもするつもりで生活して来た。
だが三年が経った今では冷たい態度ばかり取るフロイデンに対する恋心はほとんど冷めてしまっていた。
そんなある日、フロイデンが「イルメラなんて要らない」と男友達と話しているところを目撃してしまい、彼女の中に残っていた恋心は消え失せ、とっとと別れることに決める。
しかし、どういうわけかフロイデンは慌てた様子で引き留め始めて――
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる