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第17話 アニー~裏切り~ アニー視点(1)
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((冗談じゃないわっ!! またコイツのせいで人生が滅茶苦茶になるなんてあり得ないっっ!!))
『違うんですぅ。わたしはロマニ様に目をつけられてしまってぇっ、無理やり従わされていただけなんですぅ……っ』
慌てて無関係を主張したあたしは、必死になって続きを――事実に聞こえるような言い分を探す。
このままだったら共犯として、こっちまで処分されちゃうんだもの! 罪はロマニに押し付ける……!!
「兄に目をつけられて、無理やり? 貴方に好意はなかったと、交際するために協力していたのでない、ということですか?」
「そうなんですぅダヴィッド様ぁ。ロマニ様にお声をかけられて、でもわたしはお付き合いをするつもりはなかったんですよぉ。でもでもそうしたら、『いいから従え』『俺のものになれ』って言われてぇ……」
「そちらは子爵家、うちは侯爵家。力の差を感じ、そちらが原因で話を合わせていたと」
「そぅ、なんですぅ……っ。ネックレスを使って偽装したりするのは、とっても悪いコトだと分かってましたぁ。けどロマニ様が怖かったから、従うしかできなかったんですぅ……」
しょぼんと肩を落としてアンナに頭を下げて、心の中ではパチンと指を鳴らす。
((さすがはあたしっ。完璧な言い分だわっ!))
実際に動いていたのは、全部ロマニ。あたしは何もしていないんだもの。
あたしが率先して協力したって証拠はないんだから、コレで突き進む! コイツを生贄にして、あたしは断罪を回避する!!
「わたしは自分の安全ばかり考えてしまいましたぁ……。そのせいでご迷惑をおかけする羽目になってしまって……。ごめんなさいぃ……」
よしっ。会場の人間達の、あたしの見方が変わってきてるっ。この調子で被害者になりすま――
「そう、だったのですね。……おや? しかしそうすると、おかしなことになってしまいますね」
――勝利を確信していたら、ダヴィッドが首を傾げはじめた。
え? な、なに……?
「ふ、ふぇ? どう、されたのですかぁ?」
「……アニー様、今一度確認をしておきますね。貴方は侯爵家の力を恐れ、嫌々兄ロマニと関係を持っていたのですよね?」
「は、はぃ、そうですぅ。そ、それが、ど、どうされたのですかぁ?」
「……やはり、そうですよね。では、アニー様。こちらにあるものの、ご説明をお願い致します」
ダヴィッドは懐から1枚の便箋を取り出し、360度に提示した後、あたしに向けてきた。なので、ソレを確認してみると――
《ロマニ様ぁ。わたしは今、エメラルドに興味があってぇ。エメラルドの指輪が欲しいなぁって、思ってますぅ》
………………。
それは、ロマニにおねだりをした手紙だった……。
『違うんですぅ。わたしはロマニ様に目をつけられてしまってぇっ、無理やり従わされていただけなんですぅ……っ』
慌てて無関係を主張したあたしは、必死になって続きを――事実に聞こえるような言い分を探す。
このままだったら共犯として、こっちまで処分されちゃうんだもの! 罪はロマニに押し付ける……!!
「兄に目をつけられて、無理やり? 貴方に好意はなかったと、交際するために協力していたのでない、ということですか?」
「そうなんですぅダヴィッド様ぁ。ロマニ様にお声をかけられて、でもわたしはお付き合いをするつもりはなかったんですよぉ。でもでもそうしたら、『いいから従え』『俺のものになれ』って言われてぇ……」
「そちらは子爵家、うちは侯爵家。力の差を感じ、そちらが原因で話を合わせていたと」
「そぅ、なんですぅ……っ。ネックレスを使って偽装したりするのは、とっても悪いコトだと分かってましたぁ。けどロマニ様が怖かったから、従うしかできなかったんですぅ……」
しょぼんと肩を落としてアンナに頭を下げて、心の中ではパチンと指を鳴らす。
((さすがはあたしっ。完璧な言い分だわっ!))
実際に動いていたのは、全部ロマニ。あたしは何もしていないんだもの。
あたしが率先して協力したって証拠はないんだから、コレで突き進む! コイツを生贄にして、あたしは断罪を回避する!!
「わたしは自分の安全ばかり考えてしまいましたぁ……。そのせいでご迷惑をおかけする羽目になってしまって……。ごめんなさいぃ……」
よしっ。会場の人間達の、あたしの見方が変わってきてるっ。この調子で被害者になりすま――
「そう、だったのですね。……おや? しかしそうすると、おかしなことになってしまいますね」
――勝利を確信していたら、ダヴィッドが首を傾げはじめた。
え? な、なに……?
「ふ、ふぇ? どう、されたのですかぁ?」
「……アニー様、今一度確認をしておきますね。貴方は侯爵家の力を恐れ、嫌々兄ロマニと関係を持っていたのですよね?」
「は、はぃ、そうですぅ。そ、それが、ど、どうされたのですかぁ?」
「……やはり、そうですよね。では、アニー様。こちらにあるものの、ご説明をお願い致します」
ダヴィッドは懐から1枚の便箋を取り出し、360度に提示した後、あたしに向けてきた。なので、ソレを確認してみると――
《ロマニ様ぁ。わたしは今、エメラルドに興味があってぇ。エメラルドの指輪が欲しいなぁって、思ってますぅ》
………………。
それは、ロマニにおねだりをした手紙だった……。
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