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第4話 2つめのイベント ロドルフ視点(2)
「?? 廊下に、出られないぞ……?」
部屋に出るのは、扉を開けないといけない。だから扉まで歩いていって扉を開けたのに、何かに邪魔をされて前に進めないのだ。
「??? なんでだ……?」
前に進もうとしたら何かにぶつかって、全然前へと進めない。
どうなっている……?
「…………俺は、取っ手を引いたよな……?」
自分自身に、確認してみる。
引い、た。確かに引いた。
「…………俺は、扉を開けたよな……?」
開けた。確かに、開けた。
「…………だよなぁ。じゃあ、なぜ廊下に出られない……?」
目の前には、ちゃんと廊下がある。遮るものは何もないのに、前へと進めない。
「…………??? 見えない壁、があるのか……?」
入って来る時はなにもなかった。勝手に壁ができるとは思えない――いや待て俺。見えない壁って、なんだ? そんなものがこの世にあるはずがないだろう。
「…………そんなの、ない、よなぁ。でも、あるとしか思えないんだよなぁ」
だって、一向に廊下に出れないんだ。目の前に、透明な壁があるとしか思えない。
「…………あるのは、間違いなくて……。どうすれば、いいんだ……?」
………………………………。
突き破る、しかないか。
「普通にやっても通れそうにないから、体当たり、か。式の前に怪我をしそうなことはしたくないんだが…………しょうがない」
限界が近い。漏れそうになっている。
失禁なんてプライドが許すわけがなく、俺は酔いに気をつけながら距離を取った。
「いくぞ。おらぁああああああああああああああああああ!!」
右足で床を蹴って、力任せにぶつかる。
我ながら、結構なスピードが出た。これならきっと、透明な壁も――
「ぐえ!?」
――壊せなかった。
体当たりした俺ははじき返され、無様に尻もちをついてしまった。
「くそっ、なんなんだよこの壁! どれだけ硬いんだよ!! これで駄目ならどうやればいい――…………ん? はぁっ!?」
頭を掻きむしりながら立ち上がっていると、目の前には信じられない光景が広がっていた。
「どうして……。クローゼットの前にいるんだ……?」
気が付くとさっきまであった廊下の景色はなく、前にはクローゼットの内部が広がっていた。
「俺は、ドアの前にいた。クローゼットの前なんかに行ってない。いつの間に………………まさか……。ずっと、クローゼットの前にいたのか……?」
酔っていたせいで、幻が見えていた……?
「いやいや、さすがにそれは――……。そう、みたいだな……」
よく見ると、クローゼットの下と横の部分が痛んでいた。どうやら廊下の幻覚を見ていてクローゼットの中に進もうとしていて、クローゼットの入り口に体当たりしてしまっていたんだ。
「……そういえばこの部屋はドアを押して出るのに、引いた覚えがある」
引いたら扉は開かないのに、開いた感覚があった。確定だ。
「そうか、そういうことだったのか。ぶつかったせいで結構傷んでいるし、中のものも一部崩れてしまったみたいだな。アンジェルが戻って来たら、謝罪をしないと――え? ……………………」
とりあえず扉を閉めようとした際に偶然中に仕舞っているものが見えてしまい、その瞬間俺の身体は硬直してしまった。
な、なんなんだよ、これ……。なんで――
部屋に出るのは、扉を開けないといけない。だから扉まで歩いていって扉を開けたのに、何かに邪魔をされて前に進めないのだ。
「??? なんでだ……?」
前に進もうとしたら何かにぶつかって、全然前へと進めない。
どうなっている……?
「…………俺は、取っ手を引いたよな……?」
自分自身に、確認してみる。
引い、た。確かに引いた。
「…………俺は、扉を開けたよな……?」
開けた。確かに、開けた。
「…………だよなぁ。じゃあ、なぜ廊下に出られない……?」
目の前には、ちゃんと廊下がある。遮るものは何もないのに、前へと進めない。
「…………??? 見えない壁、があるのか……?」
入って来る時はなにもなかった。勝手に壁ができるとは思えない――いや待て俺。見えない壁って、なんだ? そんなものがこの世にあるはずがないだろう。
「…………そんなの、ない、よなぁ。でも、あるとしか思えないんだよなぁ」
だって、一向に廊下に出れないんだ。目の前に、透明な壁があるとしか思えない。
「…………あるのは、間違いなくて……。どうすれば、いいんだ……?」
………………………………。
突き破る、しかないか。
「普通にやっても通れそうにないから、体当たり、か。式の前に怪我をしそうなことはしたくないんだが…………しょうがない」
限界が近い。漏れそうになっている。
失禁なんてプライドが許すわけがなく、俺は酔いに気をつけながら距離を取った。
「いくぞ。おらぁああああああああああああああああああ!!」
右足で床を蹴って、力任せにぶつかる。
我ながら、結構なスピードが出た。これならきっと、透明な壁も――
「ぐえ!?」
――壊せなかった。
体当たりした俺ははじき返され、無様に尻もちをついてしまった。
「くそっ、なんなんだよこの壁! どれだけ硬いんだよ!! これで駄目ならどうやればいい――…………ん? はぁっ!?」
頭を掻きむしりながら立ち上がっていると、目の前には信じられない光景が広がっていた。
「どうして……。クローゼットの前にいるんだ……?」
気が付くとさっきまであった廊下の景色はなく、前にはクローゼットの内部が広がっていた。
「俺は、ドアの前にいた。クローゼットの前なんかに行ってない。いつの間に………………まさか……。ずっと、クローゼットの前にいたのか……?」
酔っていたせいで、幻が見えていた……?
「いやいや、さすがにそれは――……。そう、みたいだな……」
よく見ると、クローゼットの下と横の部分が痛んでいた。どうやら廊下の幻覚を見ていてクローゼットの中に進もうとしていて、クローゼットの入り口に体当たりしてしまっていたんだ。
「……そういえばこの部屋はドアを押して出るのに、引いた覚えがある」
引いたら扉は開かないのに、開いた感覚があった。確定だ。
「そうか、そういうことだったのか。ぶつかったせいで結構傷んでいるし、中のものも一部崩れてしまったみたいだな。アンジェルが戻って来たら、謝罪をしないと――え? ……………………」
とりあえず扉を閉めようとした際に偶然中に仕舞っているものが見えてしまい、その瞬間俺の身体は硬直してしまった。
な、なんなんだよ、これ……。なんで――
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