隣にある古い空き家に引っ越してきた人達は、10年前に縁を切った家族でした

柚木ゆず

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第5話 その結果は 俯瞰視点(2)

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「まさかっ、詐欺!? あの老婆が何もしなかったんですの!?」

 頭を抱えていたネフールが、ヒステリックな声を上げました。

「それしか考えられません! 私達は誰されたんですわ!!」
「……いや、アレはプロだ。必ずや仕事は行っている」

 ターズンの読みは、正解。この手のものは信頼が何よりも大事で、悪評の流布は間違いなく行われてきました。

「じゃあ、なんなんですのっ!? 行っているというのならっ、原因はなんなんですの!?」
「……分からん。分からんから…………調べてみよう」

 原因を掴まないと対応のしようがありません。
 3人はすぐさま入ったばかりの家を飛び出し、あらゆる場所の調査を実行。必死になって結果、始めて3日後にターズン達は原因の解明に成功したのでした。

ガスパールオルズのせいだったのか……!!」

 ガスパールは店をよりよいものとするべく、日頃から自分の店や自身に対する評価、評判、噂の収集を行っていた。それによりすぐに、悪評の流布を察知できていたのです。

『事実無根の噂が、合計6つ流れ始めているのか。……問題ない』

 料理に髪の毛や虫が入っていた――。ホライリースは常に満席で、この件が事実ならば他のお客様方が知っているはず。
 お金を持っているか否かでお客様への接客態度を変えていた――。同じくホライリース内には常に複数のお客様の目と耳があり、事実なら目撃情報があるはず。
 雇っているスタッフへのパワハラがあった――。店内の出来事ならお客様が目撃されているはず。店内外での出来事ならば、信用を得るには証拠が必要。もしスタッフが告発しているのであれば公表する前に証拠を集め、その上で明るみにするでしょう。
 という風に全部の問題に対してアンサーを出しており、全てが『根も葉もない噂』『ライバル店が流したタチの悪い噂だ』と判断されていたのです。

「あの男よくも……! 許せませんわ!!」
「まったくだわ!! あなたっ、別の悪評を流させましょう!」
「……もう無理だ……。お前達も分かっているだろう? これ以上の大金は出せん……」

『ふぅん。ただ流すだけでいいのかい?』

 もっとお金を積めば、相手が潰れるまで徹底的にあらゆる悪評を流すことができました。
 しかしながら3人にはそれ以上出せる余裕はなく、『流す』だけの一番シンプルなプランを選ばざるを得なかったのです。

「そんな……! じゃあどうすればいいんですの……」
「この方法は捨て、別のやり方でダメージを与えるしかない。……お前達、我々は流布など頼まなかった。何もかも忘れて新たな策を練るぞ」

 諦めたくないけれど、そうするしかない。3人は再び怒りに満ち満ちた表情で顔を突き合わせ――





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