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第1話 謎の妹ルナ イナヤ視点(1)
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((わ、わたしに、妹……? も、もしかして、妹が、いたのですか……? そ、そんなはずありません。間違いなくいませんっ))
マティウス様があまりに堂々とされているので、一瞬頭が混乱してしまいました。
わたしにいるのは、3歳上の姉だけ。1年前に嫁がれた、ミルリお姉様しかいません。
「………………」
「………………」
「………………ま、マティウス様。わたしに妹はおりませんし、お屋敷の中――親族内にも、ルナという女性はおりませんよ?」
お父様とお母様と一緒に言葉を失ってしまっていましたが、雲間から差し込んだ太陽光が目に入って多少の落ち着きを取り戻せました。ですのでごくりと唾を飲み込み、首を三回左右に振りました。
「両家の挨拶の際にも、ルナなんて人はいませんでしたよね? ど、どうされてしまったのですか……?」
「? それはこちらの台詞ですよ。ルナ様は、ちゃんといらっしゃったじゃないですか。あの場に」
「……え? い、いいえっ。いませんっ! いませんでしたよっ!」
あちらは当主様、当主夫人、マティウス様、マティウス様の弟君であるガブリエル様。
こちらは、お父様、お母様、このために戻ってきてくださったお姉様、わたし。
間違いなく、参加者は8人でした。
「あの時も今も、ルナという人は居ません。どこにいるというのですか……?」
「どこって。僕の隣で立っているじゃないですか」
「……と、隣……?」
右側にも左側にも、なにも見えません。念のためお父様とお母様の顔を確認してみましたが、お二人の目にも映っていないようでした。
「……そ、そのルナという人は……。どんな姿をしているのですか……? 身長や体型、顔や服装などを教えてください」
「??? 身長は……154センチ、だそうですよ。体型は細身で、お顔はウサギを連想させます。服は本日もリボンが多いものをお召しになられてますね。とてもよくお似合いです」
ルナという謎の存在の詳細を……。マティウス様はスラスラと語られました……。
「皆様のご家族でしょう? なにを仰られているのです?」
「「「………………」」」
「もしかして……以前からコッソリ、二人きりになってお喋りをしていたのをお気づきになられていたのですか? 怒りの感情の表れ、でそうされているのでしょうか……?」
「ふ、ふたりきり!? もしかしてミランダやロザールが目撃していたというのはっ!」
「……やはり、見られてしまっていたのですね。はい……。タイミングを見計らって、ルナ様にアプローチをさせていただいていました」
過去2回起きていて、今回調べようと思っていた謎の出来事。アレは、コレに関係してました……。
((ここに、繋がっていたんですね……。で、でも……。だとしても、納得はできません……))
『停められていた馬車から、10メートルほど離れた場所だったと思います。偶々そちらを移動していた際に、見てしまいました……。マールルット様が、おひとりで楽しそうに笑っていらっしゃるのを……』
あの時ミランダはそう言っていましたし、あのあと確認したらロザールも同じようなことを言っていたんです。
……誰もルナの姿なんて見ていないのに、いると仰る……。
どうなっているのですか……?
マティウス様があまりに堂々とされているので、一瞬頭が混乱してしまいました。
わたしにいるのは、3歳上の姉だけ。1年前に嫁がれた、ミルリお姉様しかいません。
「………………」
「………………」
「………………ま、マティウス様。わたしに妹はおりませんし、お屋敷の中――親族内にも、ルナという女性はおりませんよ?」
お父様とお母様と一緒に言葉を失ってしまっていましたが、雲間から差し込んだ太陽光が目に入って多少の落ち着きを取り戻せました。ですのでごくりと唾を飲み込み、首を三回左右に振りました。
「両家の挨拶の際にも、ルナなんて人はいませんでしたよね? ど、どうされてしまったのですか……?」
「? それはこちらの台詞ですよ。ルナ様は、ちゃんといらっしゃったじゃないですか。あの場に」
「……え? い、いいえっ。いませんっ! いませんでしたよっ!」
あちらは当主様、当主夫人、マティウス様、マティウス様の弟君であるガブリエル様。
こちらは、お父様、お母様、このために戻ってきてくださったお姉様、わたし。
間違いなく、参加者は8人でした。
「あの時も今も、ルナという人は居ません。どこにいるというのですか……?」
「どこって。僕の隣で立っているじゃないですか」
「……と、隣……?」
右側にも左側にも、なにも見えません。念のためお父様とお母様の顔を確認してみましたが、お二人の目にも映っていないようでした。
「……そ、そのルナという人は……。どんな姿をしているのですか……? 身長や体型、顔や服装などを教えてください」
「??? 身長は……154センチ、だそうですよ。体型は細身で、お顔はウサギを連想させます。服は本日もリボンが多いものをお召しになられてますね。とてもよくお似合いです」
ルナという謎の存在の詳細を……。マティウス様はスラスラと語られました……。
「皆様のご家族でしょう? なにを仰られているのです?」
「「「………………」」」
「もしかして……以前からコッソリ、二人きりになってお喋りをしていたのをお気づきになられていたのですか? 怒りの感情の表れ、でそうされているのでしょうか……?」
「ふ、ふたりきり!? もしかしてミランダやロザールが目撃していたというのはっ!」
「……やはり、見られてしまっていたのですね。はい……。タイミングを見計らって、ルナ様にアプローチをさせていただいていました」
過去2回起きていて、今回調べようと思っていた謎の出来事。アレは、コレに関係してました……。
((ここに、繋がっていたんですね……。で、でも……。だとしても、納得はできません……))
『停められていた馬車から、10メートルほど離れた場所だったと思います。偶々そちらを移動していた際に、見てしまいました……。マールルット様が、おひとりで楽しそうに笑っていらっしゃるのを……』
あの時ミランダはそう言っていましたし、あのあと確認したらロザールも同じようなことを言っていたんです。
……誰もルナの姿なんて見ていないのに、いると仰る……。
どうなっているのですか……?
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