1 / 37
プロローグ
しおりを挟む
あの日俺は、『光』に出会った。
数々の不運に遭遇しても濁ることのなかった、真っすぐな瞳。自分が辛い思いをしたからこそ他者の幸せを願う、澄んだ心。
まるで聖女のような、光を放っていると感じる少女がそこにいたのだ。
――こんな素敵な子には、幸せになって欲しい。
――せめてここからは、苦しみのない人生を歩んで欲しい。
俺はそう強く思い、兄として精一杯支えていこうと思った。
けれど。残念なことに、彼女にはまだ残酷な未来が用意されていた。
この子は内側を体現した美しい容姿を持っており、大抵の男は手を挙げる。もちろん最も厄介なアイツも、手を挙げる。
いずれ必ず父さんと母さんの狙い通りになってしまい、十中八九その愚行が更なる悲劇をもたらしてしまうだろう。
――そんなことは、許さない。
――これ以上、不幸な出来事があっていいはずがない。
だから俺は、決めた。
――悲劇が訪れるまで、およそ10年――。
その間に自分の意思を貫き通せる力を手に入れて、絶対に彼女を守ると。
数々の不運に遭遇しても濁ることのなかった、真っすぐな瞳。自分が辛い思いをしたからこそ他者の幸せを願う、澄んだ心。
まるで聖女のような、光を放っていると感じる少女がそこにいたのだ。
――こんな素敵な子には、幸せになって欲しい。
――せめてここからは、苦しみのない人生を歩んで欲しい。
俺はそう強く思い、兄として精一杯支えていこうと思った。
けれど。残念なことに、彼女にはまだ残酷な未来が用意されていた。
この子は内側を体現した美しい容姿を持っており、大抵の男は手を挙げる。もちろん最も厄介なアイツも、手を挙げる。
いずれ必ず父さんと母さんの狙い通りになってしまい、十中八九その愚行が更なる悲劇をもたらしてしまうだろう。
――そんなことは、許さない。
――これ以上、不幸な出来事があっていいはずがない。
だから俺は、決めた。
――悲劇が訪れるまで、およそ10年――。
その間に自分の意思を貫き通せる力を手に入れて、絶対に彼女を守ると。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2,801
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる