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2話(6)
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「シャルルお兄様。どうして私に、ここまでしてくださるのですか?」
「それはね、アンリエットが真っすぐで清くて優しい子だから。精一杯応援をしたくなる子だから、だよ」
私の瞳をしっかりと見つめてくださり、お兄様は続けます。
「俺達が初めて会った、およそ10年前。あの日父さんと孤児院に行った際に、院長さんに聞いたんだよ。養女を他の子に譲ってあげて欲しい、と何度も懇願していたことをね」
「ぁ……。そうだったの、ですね……」
仰る通り、私は最後までお願いをしていました。だって私が辞退すれば、その分他の子が幸せになれますから。
「普通は、さ。悲しい思いや辛いを思いをしたら、今度こそ幸せを手に入れたくなる。にもかかわらず君は、周りの幸せを願った。自分が辛い経験をしているからこそ、そんな思いをしないようにと願った」
「………………」
「それを口で言うのは簡単だけど、実行するのはそうそうできない。なぜなら本来自分のもとに来るはずだったものが、綺麗さっぱりなくなってしまうんだから」
「………………」
「でもそいつを、アンリエットは当然のようにやっていた。俺はそんなことを簡単にできてしまう君に、君の瞳と心の綺麗さ真っすぐさに、人間として惹かれてしまったんだよ」
お兄様は少しの間目を瞑り、恐らく懐古したあと口元を緩めます。
「だからアンリエットを支えたくなって、自分にできることがあれば何でもしたくなって、来るべきに備えるようになった。その笑顔と心を守れるように、動き始めたんだよ」
「……おにい、さま……。おにいさま……っ」
沢山言葉にしたいことがあるのですが、気持ちが正しく言葉になってくれません。有難くって有難くって幸せで幸せで、なんだかおかしくなってしまっています……っ。
「とはいえ完遂させるために何度かはあまりフォローができなくって、今回も城の件は防げなかった。あの段階で暴力を振るうのは想定外で、あの時は守れなくて申し訳ない」
「そんなっ、頭をお上げくださいっ。どんなに頑張ってくださっていても、あの時のことは予測できませんからっ」
あれは、私の言葉と動作が引き起こした問題です。そういうものは、絶対に予防できません。
「そう言ってくれると、助かるよ。だが想定外は、金輪際起こらない。何があってもさっきみたいに全て解決するから、アンリエットはいつも通り過ごしてよ。ね?」
「………………はい。そうさせていただきます」
相手は、これまで様々な家を潰してきた王族。とてつもなく大きく、個人では到底敵う存在ではありません。
ですが――。お兄様は自信に満ち満ちていて、実際すでに一つ乗り越えてくださっています。なので私は首を縦に振り、御言葉に甘えるようにしたのでした。
6月の9日。今日は不安になる出来事が多々ありましたが、どれもトラウマになる事はありませんでした。
なぜなら傍に、優しくて頼りになるお兄様がいてくださるのですから――。
「それはね、アンリエットが真っすぐで清くて優しい子だから。精一杯応援をしたくなる子だから、だよ」
私の瞳をしっかりと見つめてくださり、お兄様は続けます。
「俺達が初めて会った、およそ10年前。あの日父さんと孤児院に行った際に、院長さんに聞いたんだよ。養女を他の子に譲ってあげて欲しい、と何度も懇願していたことをね」
「ぁ……。そうだったの、ですね……」
仰る通り、私は最後までお願いをしていました。だって私が辞退すれば、その分他の子が幸せになれますから。
「普通は、さ。悲しい思いや辛いを思いをしたら、今度こそ幸せを手に入れたくなる。にもかかわらず君は、周りの幸せを願った。自分が辛い経験をしているからこそ、そんな思いをしないようにと願った」
「………………」
「それを口で言うのは簡単だけど、実行するのはそうそうできない。なぜなら本来自分のもとに来るはずだったものが、綺麗さっぱりなくなってしまうんだから」
「………………」
「でもそいつを、アンリエットは当然のようにやっていた。俺はそんなことを簡単にできてしまう君に、君の瞳と心の綺麗さ真っすぐさに、人間として惹かれてしまったんだよ」
お兄様は少しの間目を瞑り、恐らく懐古したあと口元を緩めます。
「だからアンリエットを支えたくなって、自分にできることがあれば何でもしたくなって、来るべきに備えるようになった。その笑顔と心を守れるように、動き始めたんだよ」
「……おにい、さま……。おにいさま……っ」
沢山言葉にしたいことがあるのですが、気持ちが正しく言葉になってくれません。有難くって有難くって幸せで幸せで、なんだかおかしくなってしまっています……っ。
「とはいえ完遂させるために何度かはあまりフォローができなくって、今回も城の件は防げなかった。あの段階で暴力を振るうのは想定外で、あの時は守れなくて申し訳ない」
「そんなっ、頭をお上げくださいっ。どんなに頑張ってくださっていても、あの時のことは予測できませんからっ」
あれは、私の言葉と動作が引き起こした問題です。そういうものは、絶対に予防できません。
「そう言ってくれると、助かるよ。だが想定外は、金輪際起こらない。何があってもさっきみたいに全て解決するから、アンリエットはいつも通り過ごしてよ。ね?」
「………………はい。そうさせていただきます」
相手は、これまで様々な家を潰してきた王族。とてつもなく大きく、個人では到底敵う存在ではありません。
ですが――。お兄様は自信に満ち満ちていて、実際すでに一つ乗り越えてくださっています。なので私は首を縦に振り、御言葉に甘えるようにしたのでした。
6月の9日。今日は不安になる出来事が多々ありましたが、どれもトラウマになる事はありませんでした。
なぜなら傍に、優しくて頼りになるお兄様がいてくださるのですから――。
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