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幕間 天国から地獄へ
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「王太子、ジルベール・デュメン。この瞬間全ての地位を剥奪し、強制労働を伴う無期懲役刑と処す」
ここは世界の中央にある、会議場。全ての王に囲まれたジルベールは、議長を務めるリュカ・サクサスによって刑を言い渡されました。
本来は、国王達――ジルベールの父親達のように極刑に処されるのだが、シャルルの希望により彼だけは罪が軽くなっている。その理由は言わずもがな、アンリエットにそうしようとしていたように、ジワジワと苦しめるためです。
「まっ、まっでくで! ぼくは、なにもしらなかったつっ! むかんけいだっ!」
前髪が殆どなくなり頬を大きく腫らしたジルベールは360度を見回し、もごもごとした調子で無実を訴えます。
しかしもう、何を言っても無意味。その『処分』は満場一致で決まっており、味方は誰もいません。
「ここまでの証拠があってなお、しらを切るとは。腐りきった家系の者らしい振る舞いだな」
「ちがうぅっ! しんじてくでぇっ! たのむぅっ!」
「…………これにて、閉廷とする。その者を連れて行ってくれ」
リュカの合図で屈強な兵士が両腕を拘束し、ジルベールは抵抗するもズルズルと引きずられていきます。
「やめろぉっ!! はなへぇっ!! はなへぇっっ!!」
その状況で、そんな願いが叶えられるはずがありません。彼はそのまま冷たい牢獄に放り込まれ、苦しく寂しい第二の人生が始まるのでした。
ここは世界の中央にある、会議場。全ての王に囲まれたジルベールは、議長を務めるリュカ・サクサスによって刑を言い渡されました。
本来は、国王達――ジルベールの父親達のように極刑に処されるのだが、シャルルの希望により彼だけは罪が軽くなっている。その理由は言わずもがな、アンリエットにそうしようとしていたように、ジワジワと苦しめるためです。
「まっ、まっでくで! ぼくは、なにもしらなかったつっ! むかんけいだっ!」
前髪が殆どなくなり頬を大きく腫らしたジルベールは360度を見回し、もごもごとした調子で無実を訴えます。
しかしもう、何を言っても無意味。その『処分』は満場一致で決まっており、味方は誰もいません。
「ここまでの証拠があってなお、しらを切るとは。腐りきった家系の者らしい振る舞いだな」
「ちがうぅっ! しんじてくでぇっ! たのむぅっ!」
「…………これにて、閉廷とする。その者を連れて行ってくれ」
リュカの合図で屈強な兵士が両腕を拘束し、ジルベールは抵抗するもズルズルと引きずられていきます。
「やめろぉっ!! はなへぇっ!! はなへぇっっ!!」
その状況で、そんな願いが叶えられるはずがありません。彼はそのまま冷たい牢獄に放り込まれ、苦しく寂しい第二の人生が始まるのでした。
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