行き倒れていた人達を助けたら、8年前にわたしを追い出した元家族でした

柚木ゆず

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第3話 疑問 レアナ視点(2)

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「一応、確認しておくね。あの人達は、レアナちゃんの元家族だよね?」

 やっぱり。思った通りでした。

「はい。かつてお父様、お継母様、妹、だった人達です」
「だよね。……自分を苦しめた――なにより、大切なお母さんを裏切り嘲った者が近くにいるなんて、不快極まりない。三人の雇用はやめて、あっち・・・に回すようにするよ」

 ヴァランタンくんはわたしのために、こうしてくれていました。

「気を遣ってくれて、ありがとうございます。ですが、そのまま雇ってもらって構いませんよ」
「え? レアナちゃん……?」
「お母様を裏切り、そのせいでお母様と完全に離ればなれになってしまった。不愉快な気持ちは沢山ありますが、『借り』もあるんですよ」
「……それって……」
「そうです。今があるのは――ヴァランタンくんと出逢えたのは、追放されたから。あの三人が意図したものではありませんが、結果的に素敵な素敵な人生を歩めるようになりました。大嫌いな人であると同時に切っ掛けを生んだ人でもあって、このくらいの接点ならあっても構わないと思えるんですよ」

 それになにより、わたしも『ホライザ』の一員。次期支配人の妻なんです。
 もし『借り』がなかったとしても、全てにおいてしっかりと全うしたい気持ちがあります。

「………………これ以上僕がアレコレ口にするのは、かえって失礼になるね。分かった。あの三人は、ここで雇うよ」
「是非、そうしてください。……ヴァランタンくん。いつもありがとうございます」

 右手を両手で握りながら感謝の気持ちを伝え、微笑みを交わし合ったあと、わたし達は三人がいる部屋に戻りました。

「お待たせしました。ではこちらの書類に――雇用に関する書類にサインをしていただきます」
「「「はっ、はい!」」」
「そちらにありますように試用期間が設けられておりまして、一か月間かけて色々とチェックをさせていただきます。その間に問題がないようでしたら仮採用となり、更に一か月間問題がなければ、本採用となります」

 一か月ともう一か月。こういった場合は、二段階で判断します。

「我々はどんなお仕事であってもっ、誠心誠意取り組みます! 御恩を仇で返すような真似は決して致しませんよ!!」
「粉骨砕身の精神で尽くさせていただきます!!」
「一生をかけて恩返しをさせていただきますわ!!」
「頼もしいお言葉ですね。期待させていただきますね」
「「「はいっ!!」」」

 こうしてホライザに予想外の形で新たなスタッフが誕生し、早速翌日から労働開始となりました。


 もちろん元家族の三人は、こういった形で働くのは初めて。どうなるのでしょうか……?
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