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第5話 初めての労働 俯瞰視点(1)
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「今日からみんなの面倒を見ることになった、オズアだ。ピエールさん、ミサさん、ポーリーヌさん、よろしくな」
ホライザでは試用期間の人間には先輩が1人つき、付きっきりで仕事を教えるようになています。三人の担当になったのは従業員歴6年目の31歳の男性で、髭を蓄えた口元を二ッと緩めました。
「ピエールさんとミサさんは年上だから、気軽にオズアって呼んでくれ。ポーリーヌさんは、んーそうだなー、オズア先輩とでも呼んでくれ」
「いえっ、我々も先輩と呼ばせていただきます! オズア先輩、ご教授よろしくお願い致しますっ!」
「よろしくお願い致します!」
「よろしくお願い致しますわ!」
ゴミ以下の平民に『さんづけ』をされて、その上タメ口をされる。これまでのピエール達なら顔を真っ赤にして怒り狂っていましたが、今の彼らの頭の中は『恩返し』一色となっていました。
一日も早く立派な戦力になりたいという強い思いがあるため、全員が背筋を正しつつ大きな声で返事をしました。
「おっ、いい返事! じゃあ最初は、所謂裏方の仕事を教えていくぜい?」
「「「うらかた……?」」」
「館内や敷地内の掃除や洗濯、食器洗いだな。ウチに入った者はまず、こういうところで働くんだよ」
ホライザでは調理以外は全員がローテーションで担当するようになっていますが、一切の経験も知識もない者にいきなり接客は任せられません。そこでこういった仕事をしながら目や耳で接客業に触れ、接客業を理解していくようにしているのです。
「まずは、館内の掃除だ。掃除は毎日最後のお客様がチェックアウトしたタイミングで――ちょうど今から開始で、ほら、こんな風に綺麗にしていくんだ」
「「「……な、なるほど……!」」」
貴族時代掃除はいつも使用人に行わせていて、自分達はロクに見もしなかった。その影響で掃除の仕方に疎く、三人は食い入るように見つめました。
「廊下や階段は、こんな感じ。ちょっとやってみて」
「「「はいっ!!」」」
用意されていた道具を人生で初めて手に取り、オズアの真似をして掃除。同じく人生で初の作業なためぎこちなかったものの、無事つつながなく終了しました。
「ちょっと手付きが怪しかったが、まあ合格かな。次は、トイレの掃除を教えるよ」
「「「はいっ!!」」」
「トイレは――オレは女性用には入れないんで、二人にも男性用で覚えてもらうよ。トイレ掃除はちょっとだけ面倒で、便器はこの『A』って書いてある洗剤とブラシを使って綺麗にして、床や壁は『B』って書いてある洗剤やブラシを使うんだ。逆にしちゃうと大変なことになるから、くれぐれも間違わないように」
「「「分かりました!!」」」
「じゃあまずは手本を見せるんで、そのあとやってもらう。しっかり覚えてくれよ~?」
「「「はいっ!!」」」
再び先ほどと同じ見学&実践タイムが始まり、ここが終わると今度は建物の裏にある洗濯スペースへと移動。そこでシーツなどの洗い方を覚えると厨房へと移動し、お皿やコップの洗い方を教わりました。
「…………うん、合格だ。これで今日のノルマは達成。初日だしね、今日はもうあがっていいよ」
「「「あ、ありがとう、ございました……!!」」」
三人にとってどれも初めての作業でしたし、初めての肉体労働でした。そのためやる気はあるものの肉体的には限界を迎えており、ピエール達は疲労困憊で宿舎にある自室へと戻ってきたのでした。
そうして三人は、まるで糸が切れた操り人形のごとくベッドに倒れ込み――
ホライザでは試用期間の人間には先輩が1人つき、付きっきりで仕事を教えるようになています。三人の担当になったのは従業員歴6年目の31歳の男性で、髭を蓄えた口元を二ッと緩めました。
「ピエールさんとミサさんは年上だから、気軽にオズアって呼んでくれ。ポーリーヌさんは、んーそうだなー、オズア先輩とでも呼んでくれ」
「いえっ、我々も先輩と呼ばせていただきます! オズア先輩、ご教授よろしくお願い致しますっ!」
「よろしくお願い致します!」
「よろしくお願い致しますわ!」
ゴミ以下の平民に『さんづけ』をされて、その上タメ口をされる。これまでのピエール達なら顔を真っ赤にして怒り狂っていましたが、今の彼らの頭の中は『恩返し』一色となっていました。
一日も早く立派な戦力になりたいという強い思いがあるため、全員が背筋を正しつつ大きな声で返事をしました。
「おっ、いい返事! じゃあ最初は、所謂裏方の仕事を教えていくぜい?」
「「「うらかた……?」」」
「館内や敷地内の掃除や洗濯、食器洗いだな。ウチに入った者はまず、こういうところで働くんだよ」
ホライザでは調理以外は全員がローテーションで担当するようになっていますが、一切の経験も知識もない者にいきなり接客は任せられません。そこでこういった仕事をしながら目や耳で接客業に触れ、接客業を理解していくようにしているのです。
「まずは、館内の掃除だ。掃除は毎日最後のお客様がチェックアウトしたタイミングで――ちょうど今から開始で、ほら、こんな風に綺麗にしていくんだ」
「「「……な、なるほど……!」」」
貴族時代掃除はいつも使用人に行わせていて、自分達はロクに見もしなかった。その影響で掃除の仕方に疎く、三人は食い入るように見つめました。
「廊下や階段は、こんな感じ。ちょっとやってみて」
「「「はいっ!!」」」
用意されていた道具を人生で初めて手に取り、オズアの真似をして掃除。同じく人生で初の作業なためぎこちなかったものの、無事つつながなく終了しました。
「ちょっと手付きが怪しかったが、まあ合格かな。次は、トイレの掃除を教えるよ」
「「「はいっ!!」」」
「トイレは――オレは女性用には入れないんで、二人にも男性用で覚えてもらうよ。トイレ掃除はちょっとだけ面倒で、便器はこの『A』って書いてある洗剤とブラシを使って綺麗にして、床や壁は『B』って書いてある洗剤やブラシを使うんだ。逆にしちゃうと大変なことになるから、くれぐれも間違わないように」
「「「分かりました!!」」」
「じゃあまずは手本を見せるんで、そのあとやってもらう。しっかり覚えてくれよ~?」
「「「はいっ!!」」」
再び先ほどと同じ見学&実践タイムが始まり、ここが終わると今度は建物の裏にある洗濯スペースへと移動。そこでシーツなどの洗い方を覚えると厨房へと移動し、お皿やコップの洗い方を教わりました。
「…………うん、合格だ。これで今日のノルマは達成。初日だしね、今日はもうあがっていいよ」
「「「あ、ありがとう、ございました……!!」」」
三人にとってどれも初めての作業でしたし、初めての肉体労働でした。そのためやる気はあるものの肉体的には限界を迎えており、ピエール達は疲労困憊で宿舎にある自室へと戻ってきたのでした。
そうして三人は、まるで糸が切れた操り人形のごとくベッドに倒れ込み――
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