逆恨みをした侯爵令嬢たちの末路~せっかくのチャンスをふいにした結果~

柚木ゆず

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第4話 許さない、と言われたから 俯瞰視点(2)

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「ロベール、パトリシア。そんなことをしても意味はありませんよ」

 ベルナデットを利用するべく歩き出して、すぐのこと。そんな二人の前には、穏やかな表情を携えた男性が――アントナンが現れ、二人の足は強制的に止められてしまいました。

「え……? 意味が、ない……?」
「な、なにを仰られているのでしょうか……?」
「貴方がたの行動について、言及しているのですよ。……このままベルナデットのもとに向かい、彼女に取り持ってもらおうとしているのでしょう? 心にもない言葉を使って」

 アントナンは、ロベールとパトリシアの意図を完全に把握していました。そのため、大切な人が不快な思いをしないように、自らが壁となっていたのです。

「そうやって、僕の怒りを鎮めようとしているのですよね? けれどそれが叶うことはありませんよ。だって貴方たちは、最初で最後のチャンスをふいにしてしまったのですからね」
「…………え?」…………ぇ?」
「貴方たちは、根本から間違っている。あの時あのような返事をしたことにより、もう道を引き返せなくなっているのですよ」


『アントナン様。もしも何かがあった場合、余程のことがない限りは1度だけ待っていただけますでしょうか? 多くはないとは、思いますが……。直前で気が付き、やり直せる人もいるはずですので』
『……貴女は、どこまでも澄んだ人ですね。分かりました。一度だけ待ってみましょう』


 必ず心と身体、その笑顔を守ってみせる。そう約束した際に、こんなことがあったんだと――。二人には細かな部分を伏せ、チャンスは1きりだったと伝えました。

「………………」「………………」
「ですので――お前達が、許されることはない。だからこれからお前達に、お前達が与えると言っていた『絶望』を与える」

 再び、表情が一変。先ほどのような刃の如き鋭い視線となり、別人のような冷たい空気を纏ったアントナンは、8枚のトランプを二人に見せました。

「1と、2と、3と、4の、トランプが……。二組……?」
「な、なんなんですの……?」
「これは、カウントダウンのトランプ。絶望の訪れまであとどのくらいなのかを、可視化できるものだ」

 これから二人の目の前に、とあるタイミングで、1から順にトランプが現れてゆく。そしてその数字が4になったら、スタート。まもなく、大きな絶望に襲われ間もなく呑み込まれてしまうことになる。
 目を瞬かせていたロベールとパトリシアにそう告げ、アントナンは出していた8枚を懐に仕舞いました。

「お前達は、ジワジワと苦しめようとしていただろう? だからこちらも、ジワジワと苦しめてゆく。……どうぞお楽しみに」

 アントナンは2時間前に二人が使用した台詞で締め、何事もなかったかのように身を翻して去っていきました。そしてその先で待っていたベルナデットに穏やかに微笑みかけた頃、二人はようやく動けるようになって――

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