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第1話 異変の理由 エレア視点(1)
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「上手く、いった……? どういうことなのですか、ヴァロット様……?」
急に目の前で停まった馬車から降りて来た、毛先に強いくせのあるブロンドが印象的な女性。ヴァロット伯爵令嬢ルアン様に、怪訝含みの眼差しを注ぎました。
「と~っても知りたいようだし、教えてあげましょうか。……エレア様。お屋敷の中に居る人間も、外に居る人間も。みんな、貴女のことを忘れてしまっていたでしょう?」
「……はい……。忘れていました……」
「なぜ、そんな風になってしまっているのか? それはね、わたくしが『呪い』をかけたからよ」
この世の全ての人々の記憶および記録から消失してしまう――。
創作物でしばしば登場する『呪い』は現実に存在していて、ヴァロット様はわたしを対象にして実行した。これは、その影響なのだそうです。
「この世で『エレア・ファーティナ』を認識できているのは、呪いの使用者――わたくしだけ。それはもう死んだも同然。とてつもなく面白い状況になったわ」
「……ヴァロット様、理由をお教えください。貴方様はどうして、そのような真似をなさったのですか?」
わたし達は同じ爵位を持つ家に生まれた同性であり同年齢の子で、共通点が多く更には共有の趣味を持つため何かとご縁がありました。
そういった関係で昔からお誕生日にプレゼントを贈り合うなどしていて、とてもよい関係を築けていた。わたしの勘違いではなく、確かに友人だったんです。
そんなにも憎まれる理由が、思い当たりません。
「いいわ、そこも教えてあげる。なぜ、わたくしが呪いをかけたのか? それはね、アンタを怨んでいたからよ」
「……うらんで、いた……? ヴァロット様が、わたしを……!?」
「ええ、そうよ。半年前から、アンタが憎くて憎くて仕方がなかったのよ。わたくしの夢を奪ったアンタがねえ!!」
ヴァロット様には、プロの絵描きになりたいという夢があった。それは知っていましたが、知らないことがあって……。その夢に対してご両親は――当主夫妻は難色を示されていて、紆余曲折あって『成人する18歳までに金賞を受賞出来たら認める。受賞できなかったら「家」の務めに集中する』という約束をしていたそうです……。
そんな約束を達成できる最後のチャンスだった、6か月前のコンクール。そこでわたしが金賞を受賞して、ヴァロット様はその一つ下の銀賞だった――金賞は一枠で、わたしが居なければ目標を達成できる位置だった。
ですのでヴァロット様は、『エレアに夢を奪われた』と仰っていたのでした。
急に目の前で停まった馬車から降りて来た、毛先に強いくせのあるブロンドが印象的な女性。ヴァロット伯爵令嬢ルアン様に、怪訝含みの眼差しを注ぎました。
「と~っても知りたいようだし、教えてあげましょうか。……エレア様。お屋敷の中に居る人間も、外に居る人間も。みんな、貴女のことを忘れてしまっていたでしょう?」
「……はい……。忘れていました……」
「なぜ、そんな風になってしまっているのか? それはね、わたくしが『呪い』をかけたからよ」
この世の全ての人々の記憶および記録から消失してしまう――。
創作物でしばしば登場する『呪い』は現実に存在していて、ヴァロット様はわたしを対象にして実行した。これは、その影響なのだそうです。
「この世で『エレア・ファーティナ』を認識できているのは、呪いの使用者――わたくしだけ。それはもう死んだも同然。とてつもなく面白い状況になったわ」
「……ヴァロット様、理由をお教えください。貴方様はどうして、そのような真似をなさったのですか?」
わたし達は同じ爵位を持つ家に生まれた同性であり同年齢の子で、共通点が多く更には共有の趣味を持つため何かとご縁がありました。
そういった関係で昔からお誕生日にプレゼントを贈り合うなどしていて、とてもよい関係を築けていた。わたしの勘違いではなく、確かに友人だったんです。
そんなにも憎まれる理由が、思い当たりません。
「いいわ、そこも教えてあげる。なぜ、わたくしが呪いをかけたのか? それはね、アンタを怨んでいたからよ」
「……うらんで、いた……? ヴァロット様が、わたしを……!?」
「ええ、そうよ。半年前から、アンタが憎くて憎くて仕方がなかったのよ。わたくしの夢を奪ったアンタがねえ!!」
ヴァロット様には、プロの絵描きになりたいという夢があった。それは知っていましたが、知らないことがあって……。その夢に対してご両親は――当主夫妻は難色を示されていて、紆余曲折あって『成人する18歳までに金賞を受賞出来たら認める。受賞できなかったら「家」の務めに集中する』という約束をしていたそうです……。
そんな約束を達成できる最後のチャンスだった、6か月前のコンクール。そこでわたしが金賞を受賞して、ヴァロット様はその一つ下の銀賞だった――金賞は一枠で、わたしが居なければ目標を達成できる位置だった。
ですのでヴァロット様は、『エレアに夢を奪われた』と仰っていたのでした。
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