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第1話 異変の理由 エレア視点(2)
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「エレア。アンタがいなければ、夢を諦めずに済んだのよ」
ぎろり、と。激しい怒り、憎悪を含んだ視線が突き刺さりました。
「全然手が届かなかったのなら、許せたわ。でも違う。あと数センチのところだったのよ」
「………………」
「そんなの、許せるわけがない……!! あの時から、アンタはわたくしの一番の敵になった。許せなくて許せなくて許せなくて、この悲しみ痛み苦しみをそのまま――それ以上のものを、味わわせてやりたいと思うようになったのよ」
「……………………」
「どうすればそうできるか? どうすれば最もダメージを与えられるのか? あれこれ考えて家の者に調べさせている時に発見したのが、コレよ」
今から一か月前に、とあるルート――明らかに真っ当ではないルートで、呪術に関する情報が記された書物を入手。その中におあつらえ向きのものがあり、本心を隠してわたしに近づき毛髪などを手に入れ、ようやく必要なものが全て揃い今日実行されたそうです。
「半信半疑だったけれど、嬉しいことにちゃんとした本物だった。おかげで、わたくしから夢を奪った者から全てを奪えたわ!!」
「……………………」
「くふふ。ねえ、エレア。すべてを失った気分はどう?」
にやり、と。まるで悪魔のような、嗜虐的な笑みが浮かびました。
「伯爵令嬢としての約束された人生!! 誰もが憧れるキラキラとした眩しい毎日! 生まれた時からずっと目の前に広がっていた道がなくなった気分はどう!? 是非教えて頂戴よ!!」
「…………とても、辛いです……。目の前が真っ暗になっています……」
「あはははははははは!! でしょう!? でしょうね!! いい気味だわ!!」
「………………」
「もとに戻して欲しいと思ってるわよね? 許して欲しいと思ってるわよね? どっちもダメよ!! 戻すわけないじゃない! 許すわけないじゃない!! だってアンタはわたくしの夢を奪った元凶なんだから!!」
大量の怒りと悦びが混ざり合っている影響、なのでしょう。大きく目を剥き身体を仰け反らしながら、不気味に喉を鳴らしました。
「アンタはね、これから自分の行いを後悔しながら生きていくの。これまでとは180度違う日々に、絶望しながら生きていくの」
「………………」
「きっと、楽しい毎日になると思うわ。心ゆくまで楽しんで頂戴ねぇ。エレア――じゃなかった。かつてエレア・ファーティアだった、なにもない女」
ヴァロット様は締めに口が裂けんばかりに口角を吊り上げ、顔を紅潮させながら馬車に乗り込み去っていかれました。
ですのでわたしは、まずは危険人物が去ったことに安堵したあと――。遠ざかってゆく馬車に向け、ずっと心の中にあった本心を口にしたのでした。
「ヴァロット様。わたしの存在を消してくださり、ありがとうございました」
ぎろり、と。激しい怒り、憎悪を含んだ視線が突き刺さりました。
「全然手が届かなかったのなら、許せたわ。でも違う。あと数センチのところだったのよ」
「………………」
「そんなの、許せるわけがない……!! あの時から、アンタはわたくしの一番の敵になった。許せなくて許せなくて許せなくて、この悲しみ痛み苦しみをそのまま――それ以上のものを、味わわせてやりたいと思うようになったのよ」
「……………………」
「どうすればそうできるか? どうすれば最もダメージを与えられるのか? あれこれ考えて家の者に調べさせている時に発見したのが、コレよ」
今から一か月前に、とあるルート――明らかに真っ当ではないルートで、呪術に関する情報が記された書物を入手。その中におあつらえ向きのものがあり、本心を隠してわたしに近づき毛髪などを手に入れ、ようやく必要なものが全て揃い今日実行されたそうです。
「半信半疑だったけれど、嬉しいことにちゃんとした本物だった。おかげで、わたくしから夢を奪った者から全てを奪えたわ!!」
「……………………」
「くふふ。ねえ、エレア。すべてを失った気分はどう?」
にやり、と。まるで悪魔のような、嗜虐的な笑みが浮かびました。
「伯爵令嬢としての約束された人生!! 誰もが憧れるキラキラとした眩しい毎日! 生まれた時からずっと目の前に広がっていた道がなくなった気分はどう!? 是非教えて頂戴よ!!」
「…………とても、辛いです……。目の前が真っ暗になっています……」
「あはははははははは!! でしょう!? でしょうね!! いい気味だわ!!」
「………………」
「もとに戻して欲しいと思ってるわよね? 許して欲しいと思ってるわよね? どっちもダメよ!! 戻すわけないじゃない! 許すわけないじゃない!! だってアンタはわたくしの夢を奪った元凶なんだから!!」
大量の怒りと悦びが混ざり合っている影響、なのでしょう。大きく目を剥き身体を仰け反らしながら、不気味に喉を鳴らしました。
「アンタはね、これから自分の行いを後悔しながら生きていくの。これまでとは180度違う日々に、絶望しながら生きていくの」
「………………」
「きっと、楽しい毎日になると思うわ。心ゆくまで楽しんで頂戴ねぇ。エレア――じゃなかった。かつてエレア・ファーティアだった、なにもない女」
ヴァロット様は締めに口が裂けんばかりに口角を吊り上げ、顔を紅潮させながら馬車に乗り込み去っていかれました。
ですのでわたしは、まずは危険人物が去ったことに安堵したあと――。遠ざかってゆく馬車に向け、ずっと心の中にあった本心を口にしたのでした。
「ヴァロット様。わたしの存在を消してくださり、ありがとうございました」
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