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第6話 4つの絶望 コルベット視点(3)
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「このようにわたし――我々は非道な手段を用いており、ジゼル嬢を操っていました。こちらは罪、大罪ゆえに、殿下。わたし達の拘束をお願い致します」
「………………あ、ああ。そうだな。この者達を捕えろ!」
そうして俺達はあっという間に拘束され、大勢の前で連行されてしまう。そうして――
「わたしが自白した!? バカな!! そんなことなどするはずがない!!」
「なぜならわたしはっ、そんな真似などしていないからだ!! 何かの間違いだ!!」
「実際にこの手で証明した!? そんな……!? あれは、夢ではなかったのか……!?」
大方、いざ連行が始まると怖くなったのだろう。元凶が否定を始めたが、コイツが言及しているように体現してみせた。
なので結果が変わることはなく、やがて裁判が始まり、今日ついに判決が言い渡されることとなった。
((どうせ、三十数年なんだろ? 分かってるんだから、さっさと宣告しろよ))
俺には『魅了を自力で解く』という、大事なやるべきことがあるんだ。そっちに集中したいから、さっさと告げてさっさと牢屋に入れろよ。
「………ぁぁ……。時よ、もどってくれぇぇ……」
「……父上……。ノリス……! 出所したら、またキスをしようね……!!」
青ざめている元凶に対して、熱い視線を注ぐ。こんな異常な状態から、一秒でも早く出したい。だから、早く言えよ裁判長。
「被告ノリスとコルベットに、強制労働を伴う30年の懲役を科す!」
よし、これで終わりだ。
今日は朝から、移動などで全然集中できてなかったからな。ようやく、集中して――
「そしてもう一つ。ノリス、コルベットは、同室での服役を命ずる!」
なにっ!?
同室で――同じ牢で、だって!?
「さっ、裁判長!! 発言を許してもろう!! わたしと息子が同室!? そんな話は聞いたことがない!! なぜそんなことになっておるのだ!?」
「貴族法、第21条。それを適用した結果だ」
魅了にかかりきりで、すっかり抜け落ちていた……! 大きな問題が発生した際は、被害者側が『罰』に注文をつけられるんだ……!!
((魅了がかかった状態で、アイツと同室だって!? そんなことになれば――))
「………………あ、ああ。そうだな。この者達を捕えろ!」
そうして俺達はあっという間に拘束され、大勢の前で連行されてしまう。そうして――
「わたしが自白した!? バカな!! そんなことなどするはずがない!!」
「なぜならわたしはっ、そんな真似などしていないからだ!! 何かの間違いだ!!」
「実際にこの手で証明した!? そんな……!? あれは、夢ではなかったのか……!?」
大方、いざ連行が始まると怖くなったのだろう。元凶が否定を始めたが、コイツが言及しているように体現してみせた。
なので結果が変わることはなく、やがて裁判が始まり、今日ついに判決が言い渡されることとなった。
((どうせ、三十数年なんだろ? 分かってるんだから、さっさと宣告しろよ))
俺には『魅了を自力で解く』という、大事なやるべきことがあるんだ。そっちに集中したいから、さっさと告げてさっさと牢屋に入れろよ。
「………ぁぁ……。時よ、もどってくれぇぇ……」
「……父上……。ノリス……! 出所したら、またキスをしようね……!!」
青ざめている元凶に対して、熱い視線を注ぐ。こんな異常な状態から、一秒でも早く出したい。だから、早く言えよ裁判長。
「被告ノリスとコルベットに、強制労働を伴う30年の懲役を科す!」
よし、これで終わりだ。
今日は朝から、移動などで全然集中できてなかったからな。ようやく、集中して――
「そしてもう一つ。ノリス、コルベットは、同室での服役を命ずる!」
なにっ!?
同室で――同じ牢で、だって!?
「さっ、裁判長!! 発言を許してもろう!! わたしと息子が同室!? そんな話は聞いたことがない!! なぜそんなことになっておるのだ!?」
「貴族法、第21条。それを適用した結果だ」
魅了にかかりきりで、すっかり抜け落ちていた……! 大きな問題が発生した際は、被害者側が『罰』に注文をつけられるんだ……!!
((魅了がかかった状態で、アイツと同室だって!? そんなことになれば――))
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