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第5話 当日 エミーリラ視点(4)
((ど、どうして……? どうして……!?))
『はあ。そんな方法で病気が治るのなら、苦労しませんわ』
『おまじない? とやらの存在はともかく、おまじないで治っただなんて話は聞いたことがない』
『俺もだ。ウチは昔から国内外を頻繁に移動しているが、そんなの初耳だ』
『あまりにも都合がよすぎる。あり得ない』
くっ!
どうせっ、自分が嘘ばかり吐いているからだ! 人の主張を信じられない愚か者達が白い目を向けてくる。
「ちっ、違いますわ! すべて事実なんです! 信じてください!! この子は本当にっ、そのやり方で回復したんです!」
『……。エミーリラ様』
「! はいっ! なんでしょうっ!」
『ご存じのように私の下の弟は、同じく原因不明の不調で長年苦しんでいます。試させていただきたいという強い思いがありまして、より詳しい情報を教えてはいただけませんか?』
「……え……。あ、あの……。そ、それは……」
マズイ。
ミファレアは元々元気で、快復なんてしていない。実行しても治らない……。
「ええと、ですね……。あの……。えっと……」
『………………』
「げっ、原因! 病や不調の原因によっておまじないの方法が――取らないといけない行動がガラッと変わるのです! ですのでこのやり方はミファレアにしか効かなくてっ、御教えてしても残念ながら意味はないのでございます!」
『……ミファレア様の不調は、原因不明だと仰っていましたよね? なぜ、ミファレア様にしか効かないと断言できるのですか?』
しまった……!
焦ったせいで間違えた……。
「そ、その……。あ、えと……。その……。えと……。その……」
『……法螺、だったんですね。嘘は許せませんが、なにより、病気を利用した……。私は貴方に対し、激しい憤りを覚えています』
「ちがっ、違うんです! 病気を利用してなどいませんっ! ミファレアの不調はっ、紛れもない事実なんです!!」
大急ぎで言い訳を始めて、ミファレアにも当時の状況を細かく説明させる。
ミスをしたものの、それ以降は完璧に立ち回って――
『信用できませんわね』
『やはり、後付けにしか思えませんわ……』
『当時の言動を振り返って、説得力が出るように肉付けしていったのでしょうね』
『わたくしもそう思いますわ』
『俺も、そう思う』
――立ち回ったのに、意味はなかった。
誰一人信じてくれなくて、それどころか『妹に尻拭いを強要している』と言われてしまい……。会場に入ってきた以上に、白い目と悪口が飛んでくるようになってしまったのだった……。
((あ、ははは……。ははははは……。これ……。これじゃあ、もう――)
『はあ。そんな方法で病気が治るのなら、苦労しませんわ』
『おまじない? とやらの存在はともかく、おまじないで治っただなんて話は聞いたことがない』
『俺もだ。ウチは昔から国内外を頻繁に移動しているが、そんなの初耳だ』
『あまりにも都合がよすぎる。あり得ない』
くっ!
どうせっ、自分が嘘ばかり吐いているからだ! 人の主張を信じられない愚か者達が白い目を向けてくる。
「ちっ、違いますわ! すべて事実なんです! 信じてください!! この子は本当にっ、そのやり方で回復したんです!」
『……。エミーリラ様』
「! はいっ! なんでしょうっ!」
『ご存じのように私の下の弟は、同じく原因不明の不調で長年苦しんでいます。試させていただきたいという強い思いがありまして、より詳しい情報を教えてはいただけませんか?』
「……え……。あ、あの……。そ、それは……」
マズイ。
ミファレアは元々元気で、快復なんてしていない。実行しても治らない……。
「ええと、ですね……。あの……。えっと……」
『………………』
「げっ、原因! 病や不調の原因によっておまじないの方法が――取らないといけない行動がガラッと変わるのです! ですのでこのやり方はミファレアにしか効かなくてっ、御教えてしても残念ながら意味はないのでございます!」
『……ミファレア様の不調は、原因不明だと仰っていましたよね? なぜ、ミファレア様にしか効かないと断言できるのですか?』
しまった……!
焦ったせいで間違えた……。
「そ、その……。あ、えと……。その……。えと……。その……」
『……法螺、だったんですね。嘘は許せませんが、なにより、病気を利用した……。私は貴方に対し、激しい憤りを覚えています』
「ちがっ、違うんです! 病気を利用してなどいませんっ! ミファレアの不調はっ、紛れもない事実なんです!!」
大急ぎで言い訳を始めて、ミファレアにも当時の状況を細かく説明させる。
ミスをしたものの、それ以降は完璧に立ち回って――
『信用できませんわね』
『やはり、後付けにしか思えませんわ……』
『当時の言動を振り返って、説得力が出るように肉付けしていったのでしょうね』
『わたくしもそう思いますわ』
『俺も、そう思う』
――立ち回ったのに、意味はなかった。
誰一人信じてくれなくて、それどころか『妹に尻拭いを強要している』と言われてしまい……。会場に入ってきた以上に、白い目と悪口が飛んでくるようになってしまったのだった……。
((あ、ははは……。ははははは……。これ……。これじゃあ、もう――)
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