わたし、何度も忠告しましたよね?

柚木ゆず

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第7話 最悪の目覚めから始まる、最悪な1日 ミシェル視点(2)

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「ま、まさかね。まさか、そんなことがあるはずが……」

 ない。
 って思いたいけど……。
 そんなことがない、のなら……。
 とっくに返事がある、はず……。

「っ!? お嬢様!? どちらに向かわれるのですか!?」
「決まっているでしょうが! せにっ! せっ、先生に会いに行くのよっ!!」

 もし『まさか』が起きているのなら、その人に会いに行けばハッキリする。
 今ははしたないとか、マナーを気にしていられる状況じゃない。わたくしはスカートを摘まみながら全力で廊下を走り、階段を駆け下り、宿舎を飛び出して――。教師陣がいる『職員棟』に入り、あたりを見回して…………居ましたわ!

「ライオット先生! お聞きしたいことがありますっ! クレールさんっ、クレール・レモナッツさんの不在について伺いたいことがありますの!」

 ちょうど1学年用の職員室から出てきたわたくし達の担任教師へと駆け寄り、クレールさんの所在を確認する。
 そうしたら――

「ええ、よくご存じですね。レモナッツさんは早朝に、ご実家に戻られましたよ」

 ――最悪な……。聞きたくなかった答えが、返って来た……。

「り、理由は……。その理由は、ご存じ、ですか……?」
「詳細の口外は禁止となっております。ご了承ください」
「そ、そうです……そうです、よね。あ、ありがとう、ございます……」

 わたくしは力なく微笑んで一礼し、今にも泣きそうになりながらその場を去る。

((……おなじ、ですわ……))

 あの時と――エリア―ヌさんが居なくなった時と、同じ。あの時も急に、いなくなりましたわ……。

((まさか……。また、『まさか』が続く……?))

 同じような形で、いなくなってしまったのなら……。そのあとも、同じようなことに、なるの……?

((そ、そんなはずはないっ。ありませんわ!!))

 だって一度あったからといって、次も同じようになるとは限らない。実際偶然よいことがあって! その時の状況を再現してみても、『よいこと』は起きなかった!
 過去に試してみて違ったのだから、今もそうならないに決まっている!

((大丈夫、大丈夫。大丈夫ですわ。大丈夫よ、ミシェル))

 明日か明後日になったら、クレールさんは戻ってくる。ちゃんとまた会えて、昨日のように話しをできる。
 そう信じて、わたくしはクレールさんの帰りを待って――

「……………………そん、な……」

 ――帰りを待ち始めてから、およそ24時間後のことだった。
 胸に抱いていた希望は、粉々に砕け散ることになったのだった……。


「……クレールさんが……。退学、しただなんて……」
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