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第21話 奪い取ろうとしたその結果 ザラ視点(3)
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「メス。メスはこれからその2人と一緒に、レナエル様を探す旅に出ることになるわ」
歯をガチガチ震わせていたわたくしにやって来たのは、思いもよらないものだった。
……え……? それ、だけ……? そんなことで、いいの――
「移動は足のみ、衣食住は全て自給自足、聞き込みも含め他人への協力要請はすべて厳禁。睡眠食事調達以外、捜索に無関係な行為も厳禁。それらを一つでも破ったら死んだ方がマシと思える激痛に襲われて、でもどうやっても自殺できない。そんな状態で、これから旅を始めることになるの」
――そんなこと、じゃない……! それだけ、じゃない……!
マリー様からの命令は、とんでもないものだった……!!
「ど、どうして……。どうして、そんなことに……!?」
「メスはレナエル様に必ず追いついて捕まえて、徹底的にお仕置きをしたかったのよねぇ? だから大サービスで、そのチャンスを与えてあげるのよ」
「チャンスっ!? そんなのっ、チャンスなんかでは――」
「ふふふ、そんなことは分かり切っているわ。だから、そうするのよ」
!!!!!!! 鼻と鼻がくっつくくらいまで、顔が近づいて来て……っ。視界一杯に、狂気の瞳が映り込んできた……!
「本当に見つけてしまったら、レナエル様の邪魔になってしまうでしょう? それになにより、わたし達の邪魔をした罰にならないでしょう? そう。メスはこれから成功があり得ない旅を始めるのよ。その命が尽きるまで、無駄な行動を続けてしまうの」
「そ、そんな……。い、いや……。そんなの……。ここで死ぬより、つらい……」
死ぬのだって怖いけど、そっちは一瞬で終わる……。でもこっちは、ずっとずっと続いてしまう……。
「お、お願いしますっ。お願いします! どうせやるなら一思いにここで殺してください!! お願いしますマリー様っ!!」
「許しもしないしお願いを聞きもしない、さっきそう言ったばかりよぉ? なので、殺してあげない」
光りのない瞳が嬉しそうに細まって、あああああ!! 左右から――お父様とお母様に腕を掴まれてっ、身動きを取れなくされた!!
「一生あのルールを守って探し続けられるように、これから催眠術をかけるわ。ちゃんと自我は残しておくから、安心して頂戴ねぇ」
「いやあああ!! いやあああああ!! 自我を奪って!! せめてわたくしじゃなくしてぇぇぇ!! そんなのいやあああ!! いやああああああああああああああああああああああ!!」
「くひひ。さあ、新たな毎日のスタートよ。…………タップリタノシンデ、ネェ?」
何を言っても止まってはくれないしっ、どんなに抵抗しても拘束を止めない!!
だ、だから、ひぃぃぃぃぃぃぃ……!!
耳元で何かを囁かれたら、コインをから目が離せなくなって……。頭の中が、真っ白になっていって――
歯をガチガチ震わせていたわたくしにやって来たのは、思いもよらないものだった。
……え……? それ、だけ……? そんなことで、いいの――
「移動は足のみ、衣食住は全て自給自足、聞き込みも含め他人への協力要請はすべて厳禁。睡眠食事調達以外、捜索に無関係な行為も厳禁。それらを一つでも破ったら死んだ方がマシと思える激痛に襲われて、でもどうやっても自殺できない。そんな状態で、これから旅を始めることになるの」
――そんなこと、じゃない……! それだけ、じゃない……!
マリー様からの命令は、とんでもないものだった……!!
「ど、どうして……。どうして、そんなことに……!?」
「メスはレナエル様に必ず追いついて捕まえて、徹底的にお仕置きをしたかったのよねぇ? だから大サービスで、そのチャンスを与えてあげるのよ」
「チャンスっ!? そんなのっ、チャンスなんかでは――」
「ふふふ、そんなことは分かり切っているわ。だから、そうするのよ」
!!!!!!! 鼻と鼻がくっつくくらいまで、顔が近づいて来て……っ。視界一杯に、狂気の瞳が映り込んできた……!
「本当に見つけてしまったら、レナエル様の邪魔になってしまうでしょう? それになにより、わたし達の邪魔をした罰にならないでしょう? そう。メスはこれから成功があり得ない旅を始めるのよ。その命が尽きるまで、無駄な行動を続けてしまうの」
「そ、そんな……。い、いや……。そんなの……。ここで死ぬより、つらい……」
死ぬのだって怖いけど、そっちは一瞬で終わる……。でもこっちは、ずっとずっと続いてしまう……。
「お、お願いしますっ。お願いします! どうせやるなら一思いにここで殺してください!! お願いしますマリー様っ!!」
「許しもしないしお願いを聞きもしない、さっきそう言ったばかりよぉ? なので、殺してあげない」
光りのない瞳が嬉しそうに細まって、あああああ!! 左右から――お父様とお母様に腕を掴まれてっ、身動きを取れなくされた!!
「一生あのルールを守って探し続けられるように、これから催眠術をかけるわ。ちゃんと自我は残しておくから、安心して頂戴ねぇ」
「いやあああ!! いやあああああ!! 自我を奪って!! せめてわたくしじゃなくしてぇぇぇ!! そんなのいやあああ!! いやああああああああああああああああああああああ!!」
「くひひ。さあ、新たな毎日のスタートよ。…………タップリタノシンデ、ネェ?」
何を言っても止まってはくれないしっ、どんなに抵抗しても拘束を止めない!!
だ、だから、ひぃぃぃぃぃぃぃ……!!
耳元で何かを囁かれたら、コインをから目が離せなくなって……。頭の中が、真っ白になっていって――
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