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第8話 25日目の衝撃 ミシュリーヌ視点(1)
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「え!? 明日ですか!?」
午後の8時過ぎ――本日の夕食が始まる、その直前のことでした。食堂で竜神様をお待ちしていたら、いらっしゃるや信じられないことを仰られました。
明日……。ローナに、会える……!?
「明日入っていた会談が先ほど延期になり、当初あちらへの移動を予定していた日と入れ替わる形になったんだ。5日早まるだなんて、君は余程日頃の行いがいいんだろうな」
「……もしかして……。竜神様がわたしのために、無理をしてくださったのではないのですか……?」
「いいや、これは本当に延期が理由だ。どうにかして早めたいと思ってはいたが、埋まっていた予定は会談。政治面で重要な意味を持つものだから私的な動機での変更は不可能、この件に関しては偶然が理由だ」
思い返せば竜神様は何度か、そのように仰られていました。ということは本当に、偶然がもたらしてくれた産物、みたいです。
「とにかく明日、あちらに向かうこととなった。そこで食事を摂る前に、そのために必要な準備を行おうと思っている」
竜神様は懐に手を差し込まれ、魔法陣が描かれた紙――広げると縦横30センチくらいはある紙を、取り出されました。
こちらは、なんなのでしょうか……?
「現在ローナ嬢がどこに居るか、ある程度見当はつくものの確信は持てない。そう言っていただろう?」
「は、はい。仰る通りです」
ローナの実家もとても面倒くさい人が多く、大金を持った状態で戻ると厄介なことになりかねません。ですから実家には戻らずに、『ラーケット』『サリメラス』『ビーコッカル』という街のどこかに――わたしが気に入っていた街のどこかで静かに暮らすと、あちらの世界を去る前に言っていました。
「そこで探索の術を使い、彼女の所在を特定とマーキングを行う。ミシュリーヌ、首にかけているネックレスを魔法陣の中央に置いて欲しい」
「ネックレス、ですか……?」
「それは、ローナ嬢からの贈り物だと聞いた。この術は物に宿る『念』を利用して特定するんだ」
「そんなことが可能なのですね……! 少々お待ちくださいっ」
わたしは急いでネックレスを外し、指定された場所に置きました。
その状態で竜神様が魔法陣に触れると、陣が眩く発光。魔法陣から真紅の光が勢いよく飛び出し、その光は一本の線となり、魔法陣の中心へと飛び込んでいきました。
「あの光たちは、ローナ嬢を探しに行った。彼女――魔力を微塵も持たない者の捜索はやや時間がかかるが、それでも明日の朝には発見できるだろう」
「竜神様、なにからなにまで本当にありがとうございます……!! 夢の、ようです」
「よかったな、ミシュリーヌ。出発は明日の正午を予定している。楽しみにしておいてくれ」
「はいっ! 楽しみにさせていただきます!」
竜神様のおかげでわたしは大切な人に必ず会えることになり、あっという間にその時が訪れました。わたしは竜神様と共に、転移を行う場こと『竜神の間』に足を踏み入れて――
午後の8時過ぎ――本日の夕食が始まる、その直前のことでした。食堂で竜神様をお待ちしていたら、いらっしゃるや信じられないことを仰られました。
明日……。ローナに、会える……!?
「明日入っていた会談が先ほど延期になり、当初あちらへの移動を予定していた日と入れ替わる形になったんだ。5日早まるだなんて、君は余程日頃の行いがいいんだろうな」
「……もしかして……。竜神様がわたしのために、無理をしてくださったのではないのですか……?」
「いいや、これは本当に延期が理由だ。どうにかして早めたいと思ってはいたが、埋まっていた予定は会談。政治面で重要な意味を持つものだから私的な動機での変更は不可能、この件に関しては偶然が理由だ」
思い返せば竜神様は何度か、そのように仰られていました。ということは本当に、偶然がもたらしてくれた産物、みたいです。
「とにかく明日、あちらに向かうこととなった。そこで食事を摂る前に、そのために必要な準備を行おうと思っている」
竜神様は懐に手を差し込まれ、魔法陣が描かれた紙――広げると縦横30センチくらいはある紙を、取り出されました。
こちらは、なんなのでしょうか……?
「現在ローナ嬢がどこに居るか、ある程度見当はつくものの確信は持てない。そう言っていただろう?」
「は、はい。仰る通りです」
ローナの実家もとても面倒くさい人が多く、大金を持った状態で戻ると厄介なことになりかねません。ですから実家には戻らずに、『ラーケット』『サリメラス』『ビーコッカル』という街のどこかに――わたしが気に入っていた街のどこかで静かに暮らすと、あちらの世界を去る前に言っていました。
「そこで探索の術を使い、彼女の所在を特定とマーキングを行う。ミシュリーヌ、首にかけているネックレスを魔法陣の中央に置いて欲しい」
「ネックレス、ですか……?」
「それは、ローナ嬢からの贈り物だと聞いた。この術は物に宿る『念』を利用して特定するんだ」
「そんなことが可能なのですね……! 少々お待ちくださいっ」
わたしは急いでネックレスを外し、指定された場所に置きました。
その状態で竜神様が魔法陣に触れると、陣が眩く発光。魔法陣から真紅の光が勢いよく飛び出し、その光は一本の線となり、魔法陣の中心へと飛び込んでいきました。
「あの光たちは、ローナ嬢を探しに行った。彼女――魔力を微塵も持たない者の捜索はやや時間がかかるが、それでも明日の朝には発見できるだろう」
「竜神様、なにからなにまで本当にありがとうございます……!! 夢の、ようです」
「よかったな、ミシュリーヌ。出発は明日の正午を予定している。楽しみにしておいてくれ」
「はいっ! 楽しみにさせていただきます!」
竜神様のおかげでわたしは大切な人に必ず会えることになり、あっという間にその時が訪れました。わたしは竜神様と共に、転移を行う場こと『竜神の間』に足を踏み入れて――
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