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第9話 予想外 ミシュリーヌ視点(2)
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「遅いぞ。1分5秒の遅延だ」
「すまん、探し物の確認に手間取った。予想通りアレはどこにもなかった」
「そうか、ソイツの在処(ありか)はあとで聞きゃいい。乗れ」
安心しているとローナを担いでいる2人の前に馬車が停まり、彼らは外から見えないようになっている後ろのスペースに飛び乗りました。
「貨物車に偽装した馬車に乗せた、か。やはり相手は賊とは違う、アレらはこの道のプロフェッショナルだ」
「そんな人がどうして……。ローナを……」
「それも分からない。考えても結論が出ないことは、実際に聞くのが一番だ」
そう仰ると猛スピードで進んでいる馬車の進路を一瞥し、静かに高度を下げて馬車の真上へと移動しました。その状態で竜神様は車と並行する形で飛び、
「――――。――――。――――――。――――――」
わたしには理解できない、不思議な言葉を4回口にされました。そうすると――
「なんだ!? 曲がった!?」
「おいっ、なにをやっている!! ルートから外れてるぞ!!」
「分かってる! オレはなにもしちゃいねえよ!! コイツらがっ、馬が勝手に曲がりやがったんだ!!」
「なんだって!? 止めろ! 元の道に戻せ!!」
「む、無理だ!! 駄目だ止まらない!! 全然言うことを聞かないんだよ!!」
真っすぐ進んでいた馬車は急に右折して、人気(ひとけ)がまったくない方向に走り始めました。
「彼ら――馬と会話をして、人目につかない場所に移動してもらったんだ。これから行うことを目撃されるのは面倒だからな」
「くそっ! どうなってるんだよ!! こらっ!! こらっ――おわっ!?」
「止まった……!? なん、だったんだ……?」
「オレにも、分からない……。こんなこと初めてだぞ……。何が起きた……?」
「この辺りなら問題ないな。では始めようか」
丁寧にわたしを地面に降ろしてくださったあと、パチン。竜神様は3人の男を見回し、右の指を鳴らしました。
「…………ま、まあいい。乗ろう」
「そ、そうだな。ただでさえ遅れているんだ。これ以上遅れてしまったら――ぁ!?」
「ん? どうしたナンバー2。ボーっとしてないで早く乗れよ――な!?」
「??? お前達、なに立ち止まってるんだ? さっさと後ろに乗って――……お、おい、なんだよこれ……。なんで身体が動かないんだ……!?」
すると彼らの動きが止まり、全員の顔が等しく青ざめました。
「ぐうううううう…………駄目だ……! どんなに力を入れても動かねぇ!!」
「こっちもだ!! なんなんだよこれぇっ!! なにが起きてるんだよぉ!!」
「足掻くだけ時間の無駄だ。貴様らは俺によって、肉体の自由を奪われているのだからな」
「な!? どこか現れた……!? 何者だ……!!」
「貴様らには色々と用があるが、相手にするのはあとだ。まずは運んでいた人間を返してもらおうか」
そうして、竜神様は――
「すまん、探し物の確認に手間取った。予想通りアレはどこにもなかった」
「そうか、ソイツの在処(ありか)はあとで聞きゃいい。乗れ」
安心しているとローナを担いでいる2人の前に馬車が停まり、彼らは外から見えないようになっている後ろのスペースに飛び乗りました。
「貨物車に偽装した馬車に乗せた、か。やはり相手は賊とは違う、アレらはこの道のプロフェッショナルだ」
「そんな人がどうして……。ローナを……」
「それも分からない。考えても結論が出ないことは、実際に聞くのが一番だ」
そう仰ると猛スピードで進んでいる馬車の進路を一瞥し、静かに高度を下げて馬車の真上へと移動しました。その状態で竜神様は車と並行する形で飛び、
「――――。――――。――――――。――――――」
わたしには理解できない、不思議な言葉を4回口にされました。そうすると――
「なんだ!? 曲がった!?」
「おいっ、なにをやっている!! ルートから外れてるぞ!!」
「分かってる! オレはなにもしちゃいねえよ!! コイツらがっ、馬が勝手に曲がりやがったんだ!!」
「なんだって!? 止めろ! 元の道に戻せ!!」
「む、無理だ!! 駄目だ止まらない!! 全然言うことを聞かないんだよ!!」
真っすぐ進んでいた馬車は急に右折して、人気(ひとけ)がまったくない方向に走り始めました。
「彼ら――馬と会話をして、人目につかない場所に移動してもらったんだ。これから行うことを目撃されるのは面倒だからな」
「くそっ! どうなってるんだよ!! こらっ!! こらっ――おわっ!?」
「止まった……!? なん、だったんだ……?」
「オレにも、分からない……。こんなこと初めてだぞ……。何が起きた……?」
「この辺りなら問題ないな。では始めようか」
丁寧にわたしを地面に降ろしてくださったあと、パチン。竜神様は3人の男を見回し、右の指を鳴らしました。
「…………ま、まあいい。乗ろう」
「そ、そうだな。ただでさえ遅れているんだ。これ以上遅れてしまったら――ぁ!?」
「ん? どうしたナンバー2。ボーっとしてないで早く乗れよ――な!?」
「??? お前達、なに立ち止まってるんだ? さっさと後ろに乗って――……お、おい、なんだよこれ……。なんで身体が動かないんだ……!?」
すると彼らの動きが止まり、全員の顔が等しく青ざめました。
「ぐうううううう…………駄目だ……! どんなに力を入れても動かねぇ!!」
「こっちもだ!! なんなんだよこれぇっ!! なにが起きてるんだよぉ!!」
「足掻くだけ時間の無駄だ。貴様らは俺によって、肉体の自由を奪われているのだからな」
「な!? どこか現れた……!? 何者だ……!!」
「貴様らには色々と用があるが、相手にするのはあとだ。まずは運んでいた人間を返してもらおうか」
そうして、竜神様は――
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