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第10話 尋問 俯瞰視点(1)
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「待たせたなゴミ共。ようやく出番が回って来たぞ」
ミシュリーヌとローナが消滅してしまわない程度に距離を取り、耳を塞いだと確認したあとのこと。竜神は静かに踵を返し、身動きをとれなくなっている3人の前に立ちました。
「なんなんだお前は……! オレ達になにをしやがった!! どこから来やがったんだ!」
「さっきのっ! 馬の異常もお前なのか!?」
「何者だ!! こんなこと……お前は本当に、人間なのか……!?」
「貴様らに問う権利はない。貴様らに許された行動は、こちらの問いに答える、それだけだ」
怒りと動揺と怯え。複数の感情が入り混じっている顔を冷たい視線で射抜き、後ろを――ローナを一瞥しました。
「彼女を襲った目的とクライアントを吐け。素直に吐いたのならば、命だけは助けてやろう」
「……………………」
「……………………」
「……………………わ、分かった……。負けだ、降参だ。すべて白状する」
自分達は3つ隣国にある貴族の元『駒』。最近の任務で失敗してしまい、粛清を恐れてこの国に逃げて来た。
そんな時偶然、羽振りがいい独り暮らしの女を見つけた。
今後生きていくための金を奪うために忍び込んだが、金はどこもなかった。
金の在処を安全な場所で吐かせるために拉致した。
といった内容を、3人は次々と語りました。
「……なるほどな。それが貴様らの答えか」
「ああ……。襲った目的は、それだ……」
「オレらは、貴族様の元『犬』。今のオレ達に、クライアントはいない」
「自分たちが生きるために、やっただけだ……」
「という風にクライアントを隠しつつ、自らの生きる道を確保しようとするのか。ふ、ゴミらしい魂胆だな」
3人の言い訳は完璧。抑揚にも目線にも身なりにも違和感は一切なく、その上実際にこの国の人間ではなかったため、どう見ても真実を語っているようにしか見えませんでした。
けれど、相手が悪かった。
もしものための保険も、竜神には通用しませんでした。
「素直に吐いたならば、命だけは助けてやろう。俺は今し方そう言った。つまりお前達はチャンスを手放したというわけだ」
「ち、違うっ! 本当なんだよ!! 嘘はついてない!!」
「そうか、ならば真実を確認してやろう。……彼我の実力差を片鱗すら感じ取れないとはな、愚かな連中だ」
嘲笑混じりで息を吐いた竜神は、真っすぐ右手を前へと伸ばし――
ミシュリーヌとローナが消滅してしまわない程度に距離を取り、耳を塞いだと確認したあとのこと。竜神は静かに踵を返し、身動きをとれなくなっている3人の前に立ちました。
「なんなんだお前は……! オレ達になにをしやがった!! どこから来やがったんだ!」
「さっきのっ! 馬の異常もお前なのか!?」
「何者だ!! こんなこと……お前は本当に、人間なのか……!?」
「貴様らに問う権利はない。貴様らに許された行動は、こちらの問いに答える、それだけだ」
怒りと動揺と怯え。複数の感情が入り混じっている顔を冷たい視線で射抜き、後ろを――ローナを一瞥しました。
「彼女を襲った目的とクライアントを吐け。素直に吐いたのならば、命だけは助けてやろう」
「……………………」
「……………………」
「……………………わ、分かった……。負けだ、降参だ。すべて白状する」
自分達は3つ隣国にある貴族の元『駒』。最近の任務で失敗してしまい、粛清を恐れてこの国に逃げて来た。
そんな時偶然、羽振りがいい独り暮らしの女を見つけた。
今後生きていくための金を奪うために忍び込んだが、金はどこもなかった。
金の在処を安全な場所で吐かせるために拉致した。
といった内容を、3人は次々と語りました。
「……なるほどな。それが貴様らの答えか」
「ああ……。襲った目的は、それだ……」
「オレらは、貴族様の元『犬』。今のオレ達に、クライアントはいない」
「自分たちが生きるために、やっただけだ……」
「という風にクライアントを隠しつつ、自らの生きる道を確保しようとするのか。ふ、ゴミらしい魂胆だな」
3人の言い訳は完璧。抑揚にも目線にも身なりにも違和感は一切なく、その上実際にこの国の人間ではなかったため、どう見ても真実を語っているようにしか見えませんでした。
けれど、相手が悪かった。
もしものための保険も、竜神には通用しませんでした。
「素直に吐いたならば、命だけは助けてやろう。俺は今し方そう言った。つまりお前達はチャンスを手放したというわけだ」
「ち、違うっ! 本当なんだよ!! 嘘はついてない!!」
「そうか、ならば真実を確認してやろう。……彼我の実力差を片鱗すら感じ取れないとはな、愚かな連中だ」
嘲笑混じりで息を吐いた竜神は、真っすぐ右手を前へと伸ばし――
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