姉の代わりに竜神様の生贄になりました~そんなわたしを待っていたのは、溺愛でした~

柚木ゆず

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第18話 裁きのあと ミシュリーヌ視点(2)

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「表向きは今代の生贄となっている、サンドラ・アズローラの消失を利用する」

 この世の記録からも、サンドラ達に関係するワードは消えてしまっているそうです。
 そこで生贄に関する部分に、『ミシュリーヌ・アズローラ』を埋め込む。わたしが生贄になったことにして、矛盾を解消してくださるそうです。

「両親の死後ずっとひとりでアズローラ子爵家を担っていたが、生贄となったことで前代のアズローラ家は解散した。さっき少し触れた歴史の調整する力とその細工を合わせれば、そのような思考に持っていくことが可能なんだ」
「そうだったのですね。竜神様、お手伝いできることはありますでしょうか?」
「竜神の力を使えば簡単にできることだ。気持ちだけもらっておく」

 竜神様の足元に真紅の魔法陣が現れ、眩く発光。視界全てが真っ赤に染まり、2秒ほどでその光は収まりました。

「これで仕込みは終わりだ。あとはこの世界の矛盾を修正する力が、上手い具合に働くだろう」
「竜神様、ありがとうございます。わたしの元家族達がご迷惑をおかけいたしました」
お互い・・・・、身内にロクでもない者がいると苦労するな。……さて、今度こそこのお話は終わりだ。ローナ嬢、君に家を話の場として使わせてもらっても?」
「もちろんでございます。どうぞお使いください」
「感謝する」

 そうしてわたしとローナは再び竜神様に運んでいただき、空を飛んであの場所へ――異世界移動をした際に降り立った場所に、戻ってきました。

「竜神様お嬢様、少々お待ちくださいませ。大至急、室内の掃除を行います」
「ローナ、わたしも手伝うよ。竜神様、少しお時間をいただきます」
「ふ、いや、俺も混ざろう。アレらのせいで、時間を消費してしまっている。早く場を整えた方が良い」

 竜神様はわたし達を交互に見つめ、率先してお片づけを行ってくださいました。そのおかげで、あっという間に家の中は綺麗になって――

「片づけやアレらの対応で少々疲れたのでな、外で昼寝をてくる。ゆっくり二人の時間を過ごすと言い」

 ――落ち着けるようになると、またわたし達を気遣ってくださりました。
 ……ここまで仰っていただいたのなら、お断りするのは逆に失礼ですよね。
 わたしとローナはありがたくお言葉に甘えさせていただき、26日振り――監禁されてしまっていたので、35日振りですね。わたし達は向かい合って椅子に座り――










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