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第9話 星空祭り(3)
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『ただいまより、第37回星空祭りを始めます!』
午後2時半、開場。響き渡る女性のアナウンスを合図に、会場の雰囲気が一気に変わり始めました。
『自慢のお味噌の試食会をやってま~す!』
『お味噌汁に田楽、どれも本当に美味しいですよ~!』
『村で採れた小麦で作ったうどんです! どうぞ食べていってください!』
『そちらの方っ、いかがですか~っ? ぜひ寄っていってください!』
周囲のブースの人達も、自分達の村や町を売り込もうとしている。あちこちで呼び込みの声が飛び交い、すべてが無料ということもあって、お祭りの参加者もどんどんやって来る。
「私達もやらないとお客さんを取られちまうよ。晴彦ちゃん、清香ちゃん、シン、準備はいいね?」
「「はいっ」」
「………………あ、ああ」
わたし達は威勢よく、心問答さんは声をぷるぷるさせながら応える。
心問答さんだけなんでこんなに元気がないのかというと、もちろん初の接客で緊張しているからです。
「はぁ、あんたねぇ。だからサポート担当になりなって言ったんだよ」
「う、うるせぇ! お前に負けてられっかよ!」
幼馴染でありライバルでもある心問答さんは顔をバシバシッと叩いて気合を入れ、一歩前に出た。
「みにゃさん!!」
あ。噛んだ。
「おやまあ。かわいらしいニャンコだね」
「うっせぇやい! 皆さんっ、はじめまして! 天地村と申します! 本日は天地村で採れた自慢の野菜を持ってまいりました! 丹精込めて作ったタマネギやキャベツにんじんを焼き野菜にしておりますのでっ、是非お召し上がりを!!」
「限定200食となっております! どうぞお早めにっ!」
「よろしければ各種SNSのフォローもお願い致します!」
「今朝採れたて、焼き立てですよ~! 自身のお味、是非お確かめください」
安倍さん、わたし、操形さんも心問答さんに続いて声を出す。ライバルの声が飛び交う中、みんなで一体となって呼び込みを行って――
「おひとついただけますか?」
――早速、お客様がいらしゃった。
一人目のお客様はブラウンの髪の毛をボブヘアーにした、独特な雰囲気を纏う絶世の美女。美郷先輩だった。
「やっほ清香ちゃん、噂を聞きつけて飛んできたよ~! はいこれっ、差し入れ! みんなで飲んで食べてよ~!」
「先輩、ありがとうございます。来てくださったんですね」
昨日夜に、『急用が入って多分間に合いそうにない』とメッセージが届いていた。急用は、大丈夫なのかな……?
「発想の転換だよ。急用で間に合わないなら先に来てしまえ理論だね」
「先輩らしいですね。すぐご用意します」
ペットボトルのスポーツドリンクや塩飴、おにぎりが入ったエコバックをありがたく受け取り、食楽さんに頼んで焼き野菜を用意してもらった。
たまねぎ、にんじん、きゃべつ。今回の試食はこれらの野菜を塩だけで味付けした、シンプルイズベストな逸品です。
「わぁ、美味しそう。いただきますっ」
焼き野菜が入ったトレーを目をキラキラさせながら受け取ってくれた先輩は、ぱくりとたまねぎを口に運んで――
「ん~! そう、じゃなくて美味しい!! 頬っぺたが落ちちゃうよ!」
――よしっ。絶賛の大声が飛び出したのでした。
午後2時半、開場。響き渡る女性のアナウンスを合図に、会場の雰囲気が一気に変わり始めました。
『自慢のお味噌の試食会をやってま~す!』
『お味噌汁に田楽、どれも本当に美味しいですよ~!』
『村で採れた小麦で作ったうどんです! どうぞ食べていってください!』
『そちらの方っ、いかがですか~っ? ぜひ寄っていってください!』
周囲のブースの人達も、自分達の村や町を売り込もうとしている。あちこちで呼び込みの声が飛び交い、すべてが無料ということもあって、お祭りの参加者もどんどんやって来る。
「私達もやらないとお客さんを取られちまうよ。晴彦ちゃん、清香ちゃん、シン、準備はいいね?」
「「はいっ」」
「………………あ、ああ」
わたし達は威勢よく、心問答さんは声をぷるぷるさせながら応える。
心問答さんだけなんでこんなに元気がないのかというと、もちろん初の接客で緊張しているからです。
「はぁ、あんたねぇ。だからサポート担当になりなって言ったんだよ」
「う、うるせぇ! お前に負けてられっかよ!」
幼馴染でありライバルでもある心問答さんは顔をバシバシッと叩いて気合を入れ、一歩前に出た。
「みにゃさん!!」
あ。噛んだ。
「おやまあ。かわいらしいニャンコだね」
「うっせぇやい! 皆さんっ、はじめまして! 天地村と申します! 本日は天地村で採れた自慢の野菜を持ってまいりました! 丹精込めて作ったタマネギやキャベツにんじんを焼き野菜にしておりますのでっ、是非お召し上がりを!!」
「限定200食となっております! どうぞお早めにっ!」
「よろしければ各種SNSのフォローもお願い致します!」
「今朝採れたて、焼き立てですよ~! 自身のお味、是非お確かめください」
安倍さん、わたし、操形さんも心問答さんに続いて声を出す。ライバルの声が飛び交う中、みんなで一体となって呼び込みを行って――
「おひとついただけますか?」
――早速、お客様がいらしゃった。
一人目のお客様はブラウンの髪の毛をボブヘアーにした、独特な雰囲気を纏う絶世の美女。美郷先輩だった。
「やっほ清香ちゃん、噂を聞きつけて飛んできたよ~! はいこれっ、差し入れ! みんなで飲んで食べてよ~!」
「先輩、ありがとうございます。来てくださったんですね」
昨日夜に、『急用が入って多分間に合いそうにない』とメッセージが届いていた。急用は、大丈夫なのかな……?
「発想の転換だよ。急用で間に合わないなら先に来てしまえ理論だね」
「先輩らしいですね。すぐご用意します」
ペットボトルのスポーツドリンクや塩飴、おにぎりが入ったエコバックをありがたく受け取り、食楽さんに頼んで焼き野菜を用意してもらった。
たまねぎ、にんじん、きゃべつ。今回の試食はこれらの野菜を塩だけで味付けした、シンプルイズベストな逸品です。
「わぁ、美味しそう。いただきますっ」
焼き野菜が入ったトレーを目をキラキラさせながら受け取ってくれた先輩は、ぱくりとたまねぎを口に運んで――
「ん~! そう、じゃなくて美味しい!! 頬っぺたが落ちちゃうよ!」
――よしっ。絶賛の大声が飛び出したのでした。
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