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第2話 イジメる理由 ミレーヌ視点
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わたくしの姉・マリエットは、非常に優秀な人間。
学舎に在学時の成績は常にトップで、侯爵家の令息、名家の令嬢を抑えて生徒会長に就任。文武両道で他者からの信頼も厚い、完璧な人。
――そんな人をイジメる事が、何よりの愉しみですの――。
自分の性質に気が付いたのは、9歳の頃。初めて姉様のものを欲しいとねだり、お父様とお母様によって宝物の一つを奪われた時のこと。
顔を真っ青にして戸惑い、酷く落ち込む姿。
それを目にした瞬間、ゾクゾクっとして――。興奮、しましたの。
――その頃から姉さんは完璧の片鱗を見せていて、しっかりとした人だった――。
そんな人間が、そんな姿になる。普段は凛としているのにまるで小動物のように怯え、震える。
そういった無様な様子が、ギャップが、たまらない。
そんな姿を見るたびに鳥肌が立って、愉しくって止められない。
大切にしているものを奪って、落ち込ませたり。
わざとジワジワ攻めて、不安を募らせさせたり。
マリエットいじめは、最高。今や、わたくしの日常になくてはならない存在なんですの。
だから――
『お姉様、み~つけた。こんなところに隠していたんですのね』
『ぁ、これ、は……。ちが、う……。ちがう、の……』
『お願い、ミレーヌ……。ここにあるものは、大切な、ものだから……。お願い、します……。私から、奪わないで、ください……』
『うふふ。い・や』
――今日もあの人から奪って、その姿をたっぷりと楽しみましたの。
今回ソレは、過去最大級の絶望。そんなものを、見てしまったからなのでしょうね――。
興奮が、収まらない。
追い打ちを、かけたくなった。
((あの人の部屋には、卒業時のリングやネックレスがありましたわね。今度は、それを狙いましょうか))
絶望の上から更なる絶望を刻み込むべく、わたくしは動き出す。紅茶を飲み終えると階段をのぼってあの人の部屋を目指し、そうして――
「お姉様!? なんですのこれは!?」
――《ご自由にお取りください》の文字を見て、わたくしは唖然となるのだった。
学舎に在学時の成績は常にトップで、侯爵家の令息、名家の令嬢を抑えて生徒会長に就任。文武両道で他者からの信頼も厚い、完璧な人。
――そんな人をイジメる事が、何よりの愉しみですの――。
自分の性質に気が付いたのは、9歳の頃。初めて姉様のものを欲しいとねだり、お父様とお母様によって宝物の一つを奪われた時のこと。
顔を真っ青にして戸惑い、酷く落ち込む姿。
それを目にした瞬間、ゾクゾクっとして――。興奮、しましたの。
――その頃から姉さんは完璧の片鱗を見せていて、しっかりとした人だった――。
そんな人間が、そんな姿になる。普段は凛としているのにまるで小動物のように怯え、震える。
そういった無様な様子が、ギャップが、たまらない。
そんな姿を見るたびに鳥肌が立って、愉しくって止められない。
大切にしているものを奪って、落ち込ませたり。
わざとジワジワ攻めて、不安を募らせさせたり。
マリエットいじめは、最高。今や、わたくしの日常になくてはならない存在なんですの。
だから――
『お姉様、み~つけた。こんなところに隠していたんですのね』
『ぁ、これ、は……。ちが、う……。ちがう、の……』
『お願い、ミレーヌ……。ここにあるものは、大切な、ものだから……。お願い、します……。私から、奪わないで、ください……』
『うふふ。い・や』
――今日もあの人から奪って、その姿をたっぷりと楽しみましたの。
今回ソレは、過去最大級の絶望。そんなものを、見てしまったからなのでしょうね――。
興奮が、収まらない。
追い打ちを、かけたくなった。
((あの人の部屋には、卒業時のリングやネックレスがありましたわね。今度は、それを狙いましょうか))
絶望の上から更なる絶望を刻み込むべく、わたくしは動き出す。紅茶を飲み終えると階段をのぼってあの人の部屋を目指し、そうして――
「お姉様!? なんですのこれは!?」
――《ご自由にお取りください》の文字を見て、わたくしは唖然となるのだった。
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