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番外編その4 本当の家族として 俯瞰視点(2)
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「あれ……? あ、あれ……?」
やがて、ロールド邸に――新たな家へと着くや、マリエットは目を瞬かせていました。なぜなら、
「トリスタン様。ディエス様とリーティル様は、どちらにいらっしゃるのでしょうか……?」
玄関先にもエントランスにも、肝心の2人の姿がないから。
マリエットとキトリーを出迎えてくれたのは、ロールド家の使用人達のみ。厳格さと優しさを兼ね備えた男性、薔薇のような美しさの中に茶目っ気を宿した女性の姿はどこにもなく、マリエットは首を傾げました。
「その理由はね、すぐに分かるよ。マリエット、こちらへどうぞ。……キトリー様は、ライアンに任せようか」
『ライアン様も、作詞作曲がお好きなのですね……っ。どういったジャンルを好まれますか?』
『自分は、クラシックが中心ですね。両親の影響で聴き始め、興味を持ちました。キトリー様は、どのようなジャンルを?』
などなど。キトリーとライアンはすっかり意気投合していたため、キトリーの案内はライアンに任せることにして――。トリスタンはマリエットの手を優しく取り、どこかへのエスコートが始まります。
「色々と振り回してしまって、ごめんね。これも実は、父上と母上からの要望なんだ」
「そうだったのですね。ディエス様とリーティル様は、どんなことを考えてくださっているのでしょうか……?」
傍にはトリスタンがいますし、ロールド邸の雰囲気はリュシア邸とは正反対。使用人も含めて非常に良い空気が漂っているため、不安は一つもなし。マリエットはあれこれ予想をしながら廊下を進み、やがて食堂の扉の前でトリスタンの足は止まりました。
「トリスタン様。こちらが」
「うん、目的だよ。どうぞお入りください」
トリスタンが自ら扉を開け、マリエットは一歩中へと入ります。そうすると、食堂内の姿が明らかとなってゆき――
「………………………………」
マリエットは2つの理由によって、おもわず言葉を失ってしまいます。
1つめ。それは、
「マリエット君、ようこそ。我々は君を歓迎する」
「マリエットちゃん、ようこそ。心より、貴女を歓迎するわ」
ディエスとリーティルが、大きな大きな花束を抱えて迎えてくれたから。
そして、2つめ。それは――
食堂の、内装。
食卓には豪華な食事が並んでいたのですが、問題はそれ以外。
空間の右半分は、豪華なパーティー仕様。対して左半分は、装飾が一切ない普段通りの仕様。そんな、奇妙な状態となっていたからなのです。
やがて、ロールド邸に――新たな家へと着くや、マリエットは目を瞬かせていました。なぜなら、
「トリスタン様。ディエス様とリーティル様は、どちらにいらっしゃるのでしょうか……?」
玄関先にもエントランスにも、肝心の2人の姿がないから。
マリエットとキトリーを出迎えてくれたのは、ロールド家の使用人達のみ。厳格さと優しさを兼ね備えた男性、薔薇のような美しさの中に茶目っ気を宿した女性の姿はどこにもなく、マリエットは首を傾げました。
「その理由はね、すぐに分かるよ。マリエット、こちらへどうぞ。……キトリー様は、ライアンに任せようか」
『ライアン様も、作詞作曲がお好きなのですね……っ。どういったジャンルを好まれますか?』
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などなど。キトリーとライアンはすっかり意気投合していたため、キトリーの案内はライアンに任せることにして――。トリスタンはマリエットの手を優しく取り、どこかへのエスコートが始まります。
「色々と振り回してしまって、ごめんね。これも実は、父上と母上からの要望なんだ」
「そうだったのですね。ディエス様とリーティル様は、どんなことを考えてくださっているのでしょうか……?」
傍にはトリスタンがいますし、ロールド邸の雰囲気はリュシア邸とは正反対。使用人も含めて非常に良い空気が漂っているため、不安は一つもなし。マリエットはあれこれ予想をしながら廊下を進み、やがて食堂の扉の前でトリスタンの足は止まりました。
「トリスタン様。こちらが」
「うん、目的だよ。どうぞお入りください」
トリスタンが自ら扉を開け、マリエットは一歩中へと入ります。そうすると、食堂内の姿が明らかとなってゆき――
「………………………………」
マリエットは2つの理由によって、おもわず言葉を失ってしまいます。
1つめ。それは、
「マリエット君、ようこそ。我々は君を歓迎する」
「マリエットちゃん、ようこそ。心より、貴女を歓迎するわ」
ディエスとリーティルが、大きな大きな花束を抱えて迎えてくれたから。
そして、2つめ。それは――
食堂の、内装。
食卓には豪華な食事が並んでいたのですが、問題はそれ以外。
空間の右半分は、豪華なパーティー仕様。対して左半分は、装飾が一切ない普段通りの仕様。そんな、奇妙な状態となっていたからなのです。
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