最近わたしの周りで不気味なことが起きるんです。だから護っていただけませんか……? と、妹が姉の婚約者に言い寄った結果

柚木ゆず

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第2話 妹を待つもの ニノン視点(2)

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「ありがとうございました、クリストフ様。いかがでしたか?」
「浴室の処理は、無事終わったよ。あそこに霊が憑いていた場合は、消滅しているよ」

 何が行われたのか分からないけど、お父様があんな悲鳴をあげてたんもん。霊でもそうなっちゃうんだろうなってことは、よく分かるよ……。

「したがって、残りは1つ。これから、この部屋の除霊を始めるよ」

 また泣きそうになっているとサンティラス様が室内を見回し、わたしに優しい微笑みを作ってくれた。
 ……普段なら、大喜びしてるけど……。今は、無理……。不安で、それどころじゃないよ……。

「除霊に必要な物は、完璧に用意できている。ニノン、安心してくれ」
「……………………」
「ニノン? クリストフ様のお声が聞こえていないの? どうしたの?」
「…………へっ? あっ、はっ、はいっ! お願いしますっ!」

 げんなりしてたわたしも慌てて頭を下げて、サンティラス様が懐から取り出した『缶』を見つめる。
 それ……。もしかしなくても、これから使う道具だよね……?

「あ、あの。その中には、何が入ってるんですか? まだ、教えてもらってはいけないものですか?」
「そうだね。この部屋にいる霊は、特に強い力を持っているようだしね。念には念を重ねて、使用するまで詳細は伏せておくべきだと思う」
「えっ!? ここにいるのって、強いんですか!?」

 いつの間に!? どうしてそんな結論になってるの!?

「自室では浴槽の十数倍もの回数の異変が発生しているし、恐ろしい笑い声まで聞こえている。そして物音まで聞こえる――物体にまで、干渉している。それらは手ごわい相手という証で、通常よりも強い除霊作業が必要になるんだよ」
「………………そ、そうなんですね……」

 通常よりも、強くなるんだぁ……。わたしが、お話を盛ったせいで……。

「それでは、これより実行するとしよう。アネット、僕が居ない間ありがとう」
「これは、当然のことですよ。クリストフ様、よろしくお願い致します」

 部外者は居ない方がいいらしく、お姉ちゃんは一礼をして部屋から出ていた。
 だから、2きりになれた。待望のシチュエーションが出来上がったの。

((でも……))

 こんな状況だから、全然喜べない……。
 その缶の中……。何が入ってるの……?

「…………扉も窓も閉まっているね。よし、始めるよニノン」

 改めて室内を見回したサンティラス様は、部屋の中央へと移動。わたしを守るように抱き寄せてくれたあと、缶の蓋を勢いよく開けた。
 そうしたらその中には、どす黒い粉末が山盛りに入っていて――

「ぃびぃ!? 臭ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 その粉末は、この世のものとは思えない悪臭を放ってる!?

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